「古くなったタブレット、もう使わないしゴミに出していいのかな？」
そんな疑問を持ったことはありませんか？
実はタブレットは、家庭ゴミとしてそのまま出してはいけない“特別なゴミ”なんです。この記事では、タブレットの正しい捨て方やリサイクルの流れを、わかりやすく解説します。
タブレットは普通のゴミじゃない！その理由
タブレットは見た目こそ薄くて軽いですが、中身は精密な電子部品の集合体です。
金や銅、リチウム、希少金属（レアメタル）などの貴重な資源が使われており、処理の仕方を間違えると環境への影響が大きくなります。
日本では2013年に「小型家電リサイクル法」という法律が施行され、スマホやタブレット、デジカメなどの小型電子機器を資源としてリサイクルする仕組みが整えられました。
つまりタブレットは、「燃えるゴミ」や「不燃ゴミ」ではなく、リサイクル対象の小型家電なのです。
自治体によっては例外的に「不燃ゴミ」として扱うところもありますが、多くの場合は小型家電リサイクルのルートを使うよう推奨されています。
ゴミとして出すと何が問題？
タブレットを普通のゴミに出してしまうと、次のようなリスクが生じます。
- 環境汚染の原因になる
内部のバッテリーや電子部品には有害物質が含まれています。焼却や埋め立て処分をすると、土壌や水質への悪影響が出るおそれがあります。 - 資源の無駄遣いになる
タブレットの中には再利用できる金属がたくさん。正しく回収すれば、新たな電子機器の材料として再利用できます。 - 個人情報が漏れるリスク
タブレット内の写真やパスワード、アカウント情報が残ったまま廃棄されると、第三者に悪用される危険があります。
「ゴミに出してスッキリ」ではなく、「リサイクルして再利用」が、これからの正しい選択です。
自治体の回収ボックスで処分する方法
最も身近で安心なのが、自治体による「小型家電回収ボックス」を利用する方法です。
市役所や区役所、図書館、公共施設などに設置されているボックスにタブレットを投入するだけ。無料で利用できるケースがほとんどです。
- メリット
- 無料で手軽に処分できる
- 環境に配慮されたルートで処理される
- 法に基づいた安全な方法
- 注意点
- データ消去は事前に自分で行う必要がある
- 回収ボックスが近くにない地域もある
お住まいの自治体の公式サイトで、「小型家電回収」「タブレット 処分」と検索すると、設置場所や方法を確認できます。
家電量販店・携帯ショップでの回収もおすすめ
ヨドバシカメラやビックカメラ、ヤマダデンキなどの家電量販店では、使用済みタブレットの無料回収を行っている場合があります。
また、ドコモ・au・ソフトバンクなどの携帯ショップでも、メーカー問わず回収に対応している店舗があります。
店舗によってはデータ消去サービスを行ってくれることもあるので、デジタル機器の扱いに不安がある方にもおすすめです。
新しいタブレットに買い替えるタイミングで持ち込むと、下取りやポイント還元などの特典が受けられる場合もあります。
メーカーのリサイクルプログラムを利用する
Apple iPadやMicrosoft Surface、Lenovo ThinkPadなど多くのメーカーは、自社製品の回収プログラムを実施しています。
たとえばAppleの「Apple Trade In」では、使わなくなったiPadを店頭または宅配で回収し、再資源化してくれます。状態が良ければ下取り価格がつくこともあります。
メーカーのリサイクルを利用するメリットは、
「確実に正しい手順で分解・再資源化してもらえる」こと。
自社製品の構造を熟知したプロが処理するため、安全かつ環境に優しい方法といえます。
買取・下取りに出して有効活用する
壊れていないタブレットなら、リサイクルに出す前に「買取」も検討してみましょう。
家電量販店や中古買取専門店、オンラインのフリマアプリなど、さまざまな選択肢があります。
- 動作するもの → 高価買取の可能性あり
- 画面割れやバッテリー劣化 → ジャンク品として引き取られる場合あり
使わなくなったタブレットが「ちょっとしたお小遣い」に変わるかもしれません。
再販・再利用されることで、新たに資源を使う必要が減り、環境にも優しい循環になります。
不用品回収業者に依頼する場合の注意点
大量の電子機器をまとめて処分したい場合や、急ぎで片付けたい場合には、不用品回収業者を利用する方法もあります。
ただし、料金体系や回収方法は業者によって異なるため、次の点に注意が必要です。
- 無許可業者に依頼しない（不法投棄のリスク）
- 料金や回収対象を事前に確認する
- データを完全に削除してから渡す
信頼できる自治体登録業者や大手リサイクル企業を選ぶことで、安心して依頼できます。
処分前に必ずやるべき「データ消去」
どんな方法で処分するにしても、タブレットを手放す前にデータ消去は絶対に欠かせません。
ただ初期化するだけでは、復元できてしまうことがあります。確実に消すためには次のステップを行いましょう。
- 各種アカウント（Google、Apple IDなど）からサインアウト
- 「すべての設定をリセット」または「工場出荷状態に戻す」
- microSDカードやSIMカードを取り出す
- 可能であればストレージを上書き（有料アプリやPC接続で実行可能）
この作業を怠ると、個人情報や写真、パスワードが第三者に渡るリスクがあります。
面倒でも、ここだけは丁寧に行いましょう。
バッテリーやアクセサリーの処分も忘れずに
タブレットの中には、発火リスクのあるリチウムイオン電池が使われています。
取り外し可能な場合は、自治体の「廃電池回収ボックス」へ出すのが基本です。
無理に分解すると危険なので、取り外せないタイプはそのままリサイクル業者に渡しましょう。
充電ケーブルやケース、スタイラスペンなどのアクセサリー類は、自治体によって「不燃ゴミ」「プラスチックゴミ」に分類されることがあります。
一緒に出す場合は、念のため自治体のルールを確認しておくと安心です。
タブレットがリサイクルされるまでの流れ
回収されたタブレットは、次のような工程を経て再び資源として生まれ変わります。
- 回収・運搬：自治体や店舗からリサイクル事業者へ移送
- データ消去・破砕：情報保護のため内部データを物理的に破壊
- 分解・分別：金属・プラスチック・ガラスなどを素材ごとに分解
- 資源化：レアメタルや銅などを回収し、再利用
このサイクルによって、限りある資源を有効に使い、環境への負担を減らすことができます。
「捨てる」ではなく「再び使う」ことが、これからの時代のスタンダードです。
タブレットはゴミではなく“資源”として手放そう
もう使わないタブレットをどう処分するかは、小さなことのようでいて実は大切な選択です。
ゴミとして出すのではなく、自治体の回収ボックスや家電量販店、メーカーのプログラムなどを利用して、正しくリサイクルしましょう。
そして、手放す前には必ずデータを消去。
これだけで環境にも安全にもやさしい行動ができます。
「タブレットはゴミとして出せる？」という問いの答えは、**“いいえ、資源として再利用できる”**です。
今日から、あなたの不要なタブレットも、次の誰かの役に立つ資源に変えていきましょう。
