「タブレットを壁に固定したい」「アームで浮かせて使いたい」と思ったこと、ありませんか?
でも実際にやろうとすると、モニターのようにネジ穴がなくて困る人が多いはず。
そこで今回は、タブレットをVESAマウント対応にして快適に設置する方法と、やってはいけない注意点をわかりやすく紹介します。
タブレットをVESA対応にするってどういうこと?
VESA(ベサ)とは「Video Electronics Standards Association」の略で、モニター背面のネジ穴の間隔を定めた国際規格のこと。
75mm×75mmや100mm×100mmなどが主流で、壁掛け金具やモニターアームを取り付けるために使われます。
問題は、ほとんどのタブレットにはこのネジ穴がないという点。
だからこそ、VESA対応の「変換アダプター」や「ホルダー」を使って、タブレットをマウントできるようにするのが一般的な方法です。
必要なアイテムを揃えよう
タブレットをVESAマウント対応にするためには、いくつかのアイテムを組み合わせて使います。
目的や設置環境に合わせて、以下のような製品を準備しましょう。
1. VESA対応タブレットホルダー
一番の主役です。
タブレットをしっかり挟み込むホルダーの背面に、VESA規格の取り付け穴(75×75mmや100×100mm)がついています。
たとえばサンワサプライやエレコムなどから、7〜13インチ程度のサイズに対応したモデルが発売されています。
固定方法は「クランプ式」や「スライド式」が主流で、厚みやサイズの違うタブレットでも柔軟に対応可能。
中には、鍵付きやセキュリティワイヤー対応タイプもあり、店舗や展示会での利用にも向いています。
2. モニターアームまたは壁掛け金具
ホルダーの背面にVESA穴があるので、モニター用のアームや壁面ブラケットに取り付け可能です。
デスクに固定するタイプ、壁にネジ止めするタイプ、ポールにクランプで取り付けるタイプなど、設置環境によって選べます。
ガススプリング式のモニターアームなら、タブレットの角度や高さを片手で調整できて便利。
作業中でも視線移動がスムーズになり、まるで「浮いているディスプレイ」を扱う感覚です。
3. 必要に応じてVESA変換プレート
タブレットホルダーの穴間隔とアーム側の規格が異なる場合、変換プレートを使ってサイズを合わせます。
たとえば75×75mmを100×100mmに変換するプレートなどが市販されています。
タブレットをVESAマウントに取り付ける手順
実際に設置する手順を、わかりやすく順を追って見ていきましょう。
1. タブレットのサイズと重量を確認
まずは手持ちのタブレットのサイズと重さをチェック。
ホルダーの対応範囲やアームの耐荷重を超えると、落下の危険があります。
たとえばiPad 10.2インチなら約500g前後。
ホルダーと合わせても1kg程度になるため、耐荷重2〜3kgのアームを選べば安心です。
2. ホルダーにタブレットを固定
ホルダーのクランプを開き、タブレットを挟み込みます。
滑り止めのゴムやクッション付きのものを選べば、傷防止にもなります。
固定したら軽く揺らしてみて、しっかりホールドされているかを確認。
特に縦向き・横向きを頻繁に変える場合は、回転機構付きのタイプが便利です。
3. アームまたは金具に取り付け
ホルダー背面のVESA穴を、モニターアームのプレートにネジで固定します。
ネジの種類は通常M4サイズが多く、付属していることがほとんどです。
壁掛けの場合は、必ず下地(柱や合板)にネジを打ち込むこと。
石膏ボードだけだと強度が足りず、落下の原因になります。
4. ケーブルの取り回しを工夫する
電源ケーブルや充電ケーブルがアームの可動部に引っかかると危険です。
結束バンドやケーブルクリップでまとめ、余長を減らしておくとスマートに仕上がります。
設置のコツと安全に使うための注意点
VESAマウントを使うことで便利になりますが、誤った設置は落下や故障の原因になります。
以下のポイントを意識して、安全に活用しましょう。
● 耐荷重を絶対に守る
アームや金具には必ず「耐荷重」があります。
ホルダーとタブレットを合わせた重さがそれを超えないようにしましょう。
余裕を持たせて、耐荷重の70〜80%以内に収めるのが理想です。
● ネジの締めすぎに注意
金具を固定する際に、ネジを強く締めすぎるとタブレットやホルダーが歪むことがあります。
軽く締めてから微調整し、最終的にしっかり固定するのがコツです。
● 落下防止ストッパーを活用
可動アームを頻繁に動かす場合、根元部分が緩みやすいことがあります。
定期的にネジの緩みをチェックし、必要なら落下防止のストッパーや滑り止めを追加しましょう。
● DIYでの穴あけはNG
「タブレットに直接ネジ穴を開けてVESA化する」という方法を見かけることがありますが、これはおすすめできません。
内部にバッテリーや配線があるため、破損や発火の危険が伴います。
またメーカー保証も失われるため、必ず市販のホルダーやアダプターを使うようにしましょう。
タブレットをVESA化すると便利になるシーン
VESAマウントに対応させると、タブレットの使い道が一気に広がります。
いくつかの活用シーンを紹介します。
1. デスク作業のサブモニターに
PCの横にタブレットを浮かせて設置すれば、チャットや資料を表示するサブディスプレイとして便利。
画面を立体的に配置することで、視線移動が少なくなり、作業効率がアップします。
2. キッチンでレシピ閲覧用に
壁に固定しておけば、調理中に手を汚さずレシピをチェック可能。
防水ケースと組み合わせれば、より安心して使えます。
3. 店舗や展示会でのデジタルサイネージ
鍵付きホルダーを使えば、公共の場でも安全にタブレットを展示できます。
案内端末やメニュー表示など、業務利用にも最適です。
4. ベッドサイドでの動画視聴
アームをベッドフレームに固定すれば、寝ながら動画を楽しむことも。
長時間手に持つ必要がなく、快適なリラックスタイムが実現します。
設置トラブルを防ぐチェックリスト
- アームの耐荷重を超えていないか
- タブレットがしっかり固定されているか
- ケーブルが動作の邪魔になっていないか
- 壁面・机がしっかり固定できる素材か
- ネジが緩んでいないか定期的に確認しているか
この5つを意識しておくだけで、長期間安心して使えます。
タブレットをVESAマウント対応にする方法まとめ
VESAマウントを活用すれば、タブレットを「置く」から「設置する」スタイルへ変えられます。
VESA対応ホルダーとアームを組み合わせるだけで、見やすく、省スペースで、美しいデスク環境が完成します。
ただし、耐荷重や固定強度を軽視すると落下事故の原因にもなるため、無理のない設置と定期点検を忘れずに。
DIYで加工せず、市販のホルダーや金具を正しく使うのが安全で確実です。
タブレットをVESAマウント対応にする方法を知っておくことで、あなたの作業環境やライフスタイルは大きく変わります。
次に新しい使い方を考えるとき、その第一歩としてこの方法を試してみてください。
