タブレットを選ぶとき、「CPU（SoC）」の性能は重要な判断材料になります。2025年は各メーカーがAI対応や省電力性能を大幅に強化しており、まさに進化の節目の年。この記事では、Apple・Snapdragon・MediaTekの3大勢力を中心に、最新タブレットCPUの違いをわかりやすく解説していきます。
タブレットCPUの基礎知識と注目ポイント
まず押さえておきたいのは、「CPU＝処理性能の心臓部」ということ。CPUが優れていれば、アプリの起動や動画編集、ゲームの快適さまで違ってきます。
最近のタブレットでは、CPU単体ではなくGPU（グラフィック処理）やAIチップ、通信モデムなどを一体化した「SoC（システムオンチップ）」が主流。これにより、効率よく高性能を実現しています。
2025年のタブレット市場では、このSoCが各社の技術力を示す“看板”となっています。
Apple Mシリーズ：M5が切り開く次世代iPadの世界
Appleの最新タブレットに搭載されているのが「M5」チップ。3nmプロセスという極小トランジスタ技術で作られており、前世代のM4から性能・効率ともに進化しました。
ポイントは3つです。
- 10コア構成（高性能×4、高効率×6）でマルチタスクが快適
- GPUも10コアで、映像処理や3Dレンダリングが得意
- AI処理専用のニューラルエンジンを内蔵
実際にiPad Pro（M5）は、動画編集アプリやデザインソフトでもラップトップ級のスピードを発揮します。
しかもバッテリーの持ちも良く、外出先でも長時間作業が可能。AppleはハードとOSの統合が深いため、他のチップよりも安定したパフォーマンスを引き出せる点が強みです。
Snapdragon 8 Elite Gen 5：Androidタブレットの王者
Android陣営のハイエンドを支えるのが、Qualcommの「Snapdragon 8 Elite Gen 5」。
このチップは、AIやグラフィック性能を大幅に高めた最新世代で、モバイル業界の中でもトップクラスの性能を誇ります。
注目すべき特徴は以下の通りです。
- 最大4.6GHzの高クロックCPUで処理スピードが圧倒的
- Adreno GPUが描画性能を強化し、3Dゲームも滑らか
- AI処理が37%向上し、画像補正や翻訳などのAI機能がよりリアルタイムに
Snapdragon 8 Elite Gen 5を搭載したタブレットは、マルチタスク・クリエイティブ用途・ゲームといった高負荷作業に強く、まさに「全部入り」な万能型です。
さらに5GやWi-Fi 7といった次世代通信にも対応しており、オンライン環境でもストレスなく使えます。
MediaTek Dimensity 9300+シリーズ：急成長する第3の選択肢
MediaTekといえばコスパの良いチップの印象が強いですが、近年は高性能分野でも存在感を発揮。
その代表格が「MediaTek Dimensity 9300」「MediaTek Dimensity 9300+」シリーズです。
これらはCortex-X4コアを4基搭載するという大胆な構成で、シングルコア・マルチコアどちらも大幅に強化されています。
GPU性能も向上し、AI処理能力もSnapdragonに迫る勢いです。
主なポイントは次の通り。
- フル・パフォーマンス構成でCPU性能が非常に高い
- 動画再生・3Dゲームでもスムーズな描画
- 電力効率が改善され、発熱も抑えられている
SamsungやOnePlus Pad Go 2など、複数のメーカーがこのチップを採用しており、「高性能なのに手が届きやすい」新しい選択肢として注目されています。
ベンチマークから見る実力差
ベンチマークスコアを見ると、M5とSnapdragon 8 Elite Gen 5がほぼ同等レベルのトップクラスに位置しています。
MediaTek Dimensity 9300シリーズもこれに続き、ミドルレンジの中では突出した性能を発揮。
実際の使用感では次のような傾向があります。
- 動画編集・イラスト制作・3Dレンダリング： Apple M5が最も安定
- ゲーム・AI活用アプリ： Snapdragon 8 Elite Gen 5が最もスムーズ
- 価格と性能のバランス： MediaTek Dimensity 9300が優秀
ただし、同じSoCでも冷却設計やメモリ構成によって性能が変わる点には注意が必要です。
また、OS最適化やアプリの対応状況も、体感速度に影響します。
用途別おすすめタブレット選び
タブレット選びのコツは、「何を重視するか」を明確にすることです。以下のように考えると分かりやすいでしょう。
1. クリエイティブ用途（動画編集・デザイン）
→ iPad Proが最適。CPU・GPUともに圧倒的で、クリエイティブアプリの最適化も万全。
2. ゲームやエンタメ重視
→ Snapdragon 8 Elite Gen 5搭載モデル。描画性能と通信速度の両立で、没入感が段違い。
3. コスパと日常使いのバランス
→ MediaTek Dimensity 9300シリーズ。SNS、動画、オンライン授業などには十分すぎる性能。
4. 持ち運びやバッテリー重視
→ M5やMediaTek Dimensity 9300は省電力設計のため、長時間駆動に向いています。
このように「高性能」「AI」「コスパ」など、自分の優先ポイントによって最適な選択は変わります。
進化するタブレットCPUの未来
2026年以降、各メーカーはAI処理をさらに前面に打ち出すとみられます。
Snapdragon 8 Elite Gen 5はオンデバイスAI機能を拡充し、クラウドに頼らずリアルタイムに翻訳や生成処理を実行できる方向へ。
MediaTekもAIエンジンを強化しており、より安価なモデルでもAI活用が可能になるでしょう。
AppleもMシリーズの進化で生成AI機能をiPad内に統合する動きを見せています。
つまり、「CPU性能」だけでなく「AI性能」や「電力効率」が、これからのタブレット選びの新基準になっていくのです。
タブレットCPU比較表2025！Snapdragon・Apple・MediaTekの違いを分析【まとめ】
2025年のタブレット市場は、三つ巴のハイレベルな競争が繰り広げられています。
- Apple M5：究極の統合性能。クリエイティブ作業に最適。
- Snapdragon 8 Elite Gen 5：AIとゲームに強い万能チップ。
- MediaTek Dimensity 9300：性能と価格のバランスに優れ、選びやすい。
結局のところ、どのCPUにも個性があります。
性能だけでなく、使う目的やアプリ環境、価格を踏まえて選ぶことが何より大切です。
2025年のタブレットは、どのモデルを選んでも一昔前のノートPCに匹敵するほどの実力を持っています。
あなたの用途に合ったCPUを見つけて、最高のタブレット体験を楽しんでください。
