最近はサイコン（サイクルコンピューター）もGPS性能が大幅に進化して、「スピードセンサーってもういらないんじゃ？」という声をよく聞きます。
確かに、ガーミン Edgeシリーズをはじめとした最新のGPSサイコンは驚くほど正確。では本当にスピードセンサーは不要なのでしょうか？
この記事では、GPSとスピードセンサーの違いを実際の使い勝手や環境別に検証しながら、どんな人に必要で、どんな人には不要なのかを分かりやすくまとめます。
GPSだけで“十分”な時代になった理由
昔のGPSは誤差が大きく、トンネルや林道ではしょっちゅう途切れる──そんな時代がありました。
けれど、最近のガーミン Edgeシリーズなどは衛星の補足数も増え、位置情報の精度も反応速度も格段に向上。
実際、舗装路のロングライドや通勤のようなシーンでは、GPSだけで速度や距離の誤差はほとんど感じません。
例えば、平坦なサイクリングロードを走る場合、GPSの計測値とスピードセンサーの数値を比較しても、差は1〜2％程度。
ストップ＆ゴーを繰り返す街乗りでも、最近のGPSはほとんどリアルタイムで速度を追従します。
つまり、「普通の舗装路を走るだけ」なら、わざわざセンサーを追加する意味は薄くなってきているんです。
スピードセンサーの仕組みとGPSの違い
スピードセンサーはホイールの回転をもとに速度を割り出します。
一方、GPSは位置の変化量を時間で割って速度を算出します。
仕組みの違いから、得意・不得意な状況も異なります。
スピードセンサーは、ホイールが1回転した距離（タイヤの外周）をもとに、1秒あたりの移動距離を計算します。
信号の影響を受けず、トンネルの中でも正確に動作します。
ただし、ホイールサイズを正確に設定していないと、距離の誤差が生じる点には注意が必要です。
GPSは、人工衛星からの位置情報をもとにしており、センサーを付ける手間が不要。
ただし、木々の影やビル街、山間部などでは電波の反射や遮断が起き、誤差や遅延が出ることがあります。
どんなときにスピードセンサーはいらないのか
「ガーミン Edgeシリーズでスピードセンサーはいらない」と言われるのは、主に次のようなシーンです。
- 通勤・通学などの街乗り
- サイクリングロードや郊外の舗装路を走るロングライド
- 平坦で見通しの良い場所を中心に走る
- 主に平均速度や距離を知りたいだけ
- データ管理よりも気軽さを重視したい
このような環境ではGPSの精度で十分。
取り付け・メンテナンス・電池交換といった手間もなく、スマートに走れます。
また、ガーミン Edgeシリーズの最新モデルはGPS・GLONASS・Galileoといった複数衛星を利用できるため、信号ロスも非常に少なくなっています。
実際、日常的なサイクリングでは「センサーを付けたときとの差が分からない」という人も多いです。
スピードセンサーが役立つシーンもある
とはいえ、スピードセンサーがまったく不要かというと、そうとも言い切れません。
特定のシーンでは、GPSよりもセンサーのほうが正確で安定します。
1. トンネルや山道、林道を走るとき
GPSは電波を補足できない場所では測位が途切れます。
一方、スピードセンサーはホイールが回っていれば常に速度を記録できるため、ログが途切れません。
山岳ライドや林道、トンネルの多いルートでは圧倒的に有利です。
2. インドアトレーニングやローラー台
屋内ではGPSが使えないため、スピードセンサーが必須。
ガーミン Edgeシリーズと連携すれば、Zwiftなどのバーチャルトレーニングでも正確な速度・距離を記録できます。
3. スプリントやレースで瞬間速度を知りたいとき
GPSは数秒単位で速度を更新するため、加速や減速の反応がワンテンポ遅れます。
スピードセンサーはリアルタイムでホイール回転を検知するので、瞬間的な速度変化も逃しません。
トレーニングやレース、タイムトライアルではこの差が重要になります。
スピードセンサーのメリットとデメリット
スピードセンサーの利点と欠点を整理しておきましょう。
メリット
- トンネル・森林でも安定した計測が可能
- GPSが不安定な環境でも正確な距離・速度を取得
- 発進・停止時の反応が速く、ラップデータが正確
- 屋内トレーニングで使用できる
デメリット
- 取り付けと設定に手間がかかる
- 電池交換や通信トラブルの管理が必要
- ホイール交換時に再設定が必要
- 本体の追加コストがかかる
つまり、どんな走り方をするかで「必要度」が大きく変わります。
GPSだけで走る人が増えている理由
ここ数年で「スピードセンサーを使わない派」が増えているのには理由があります。
ひとつは、GPSサイコンの進化によって誤差が気にならなくなったこと。
もうひとつは、サイコンをシンプルに使いたいというライダーのニーズです。
センサーを取り付けると、ペアリングの設定や電池交換といった管理が必要になります。
毎回のライドを気軽に始めたい人にとっては、それがストレスになることも。
「GPSだけで十分」という声は、こうした“手軽さ重視”のライダーから生まれています。
スピードセンサーが向いている人・向いていない人
自分にとってどちらが合うかを判断するには、ライドスタイルで考えるのが一番です。
スピードセンサーが不要な人
- 通勤・街乗り中心でGPSが安定している
- 平坦な舗装路を主に走る
- 瞬間速度よりも距離や平均速度を知りたい
- データよりも快適さ・シンプルさを重視する
スピードセンサーがあると便利な人
- 山岳ライドやトレイルを走る
- トンネルや林間ルートをよく通る
- ローラー台トレーニングを行う
- トレーニングデータを細かく分析したい
自分の走り方を振り返ってみると、どちらを選ぶべきかが見えてきます。
スピードセンサーを使うときの注意点
センサーを使う場合も、いくつか気を付けるポイントがあります。
- タイヤの外周長を正確に設定する
- 電池残量を定期的に確認する
- ペアリングが切れていないかチェックする
- ホイールを交換したときは再設定する
特にホイール径の設定ミスは誤差の原因になります。
自分のタイヤサイズに合った値を入力しておきましょう。
結論：ガーミン Edgeシリーズでスピードセンサーはいらない？それとも必要？
結論から言えば、「多くの人にとってはGPSだけで十分」。
ただし、「精度」「反応速度」「安定性」を求めるなら、スピードセンサーの価値は今でも高いです。
舗装路をのんびり走る人なら、センサーを付けるよりもその分軽量化やバッテリー節約を優先した方が快適。
一方で、トレーニングや山道・屋内走行など精密なデータが欲しいなら、センサーを追加した方が満足度は高いでしょう。
要するに、どちらが正しいという話ではなく、「あなたの走り方」によって最適な答えは変わるということ。
便利さを取るか、正確さを取るか──そこを自分のスタイルに合わせて選ぶのが一番です。
ガーミン Edgeシリーズでスピードセンサーはいらない？最後にもう一度考えよう
ガーミン EdgeシリーズのGPS精度は今や非常に高く、日常のライドではセンサーなしでもほとんど困りません。
ただし、すべてのシーンで完璧というわけではなく、環境や目的によってはセンサーのメリットが光る場面もあります。
もしあなたが「手軽に走りたい」派なら、迷わずGPSだけでOK。
「記録もトレーニングもきっちり管理したい」なら、センサーを活用してみる価値があります。
どちらを選ぶにせよ、自分の走りをより快適にするための選択であることに変わりはありません。
ガーミン Edgeシリーズでスピードセンサーはいらないのか──その答えは、あなたの走りのスタイル次第です。
