「GarminのデータをGoogle Fitでもまとめて見たい」「全部のヘルスデータを一つに統合したい」。
そんな人、多いですよね。ガーミンの正確な計測と、Google Fitの広い互換性を両立できたら最高です。
でも実は、ガーミンとGoogle Fitは公式には直接連携できません。
それでも、ある方法を使えばしっかり同期できます。本記事では、実際の手順から注意点まで、初心者でも迷わずできるように解説します。
ガーミンとGoogle Fit、それぞれの特徴を理解しよう
まずは両者の仕組みをざっくり整理します。
**Garmin Connect(ガーミン コネクト)**は、Garminデバイス専用のヘルス・フィットネス管理アプリ。
歩数、消費カロリー、心拍数、ストレス、睡眠などを詳細に記録します。ランニングやサイクリングなどのトレーニングデータも正確に残せるのが魅力です。
一方の**Google Fit(グーグル フィット)**は、Googleが提供する健康管理プラットフォーム。
スマートフォンや他社製アプリからデータを集約し、1つの画面で管理できます。Androidの標準的な健康アプリとしてもおなじみです。
つまり、Garminで記録したデータをGoogle Fitに同期すれば、**「Garminの正確さ」×「Google Fitの統合力」**という最強タッグが完成します。
公式連携はない。でも「Health Sync」で解決できる
残念ながら、Garmin ConnectにはGoogle Fitとの公式同期機能がありません。
ここで登場するのが、Android向けアプリ**「Health Sync」**です。
このアプリが中継役となり、Garmin ConnectからGoogle Fitへデータを転送してくれます。
一度設定すれば、あとは自動で同期してくれるため、手動操作はほぼ不要です。
Health Syncでの連携手順
やり方は意外とシンプルです。以下の手順に沿えば10分ほどで完了します。
- Health Syncをインストール
Google Playストアで「Health Sync」と検索し、アプリを入れます。最初の1週間は無料トライアル期間です。 - Garmin ConnectとGoogle Fitを準備
どちらのアプリも最新版にしておき、ログインしておきましょう。 - Health Syncで同期元・同期先を設定
アプリを開いたら「セットアップ開始」をタップ。
「データの取得元(Source)」にGarmin Connect、
「送信先(Destination)」にGoogle Fitを指定します。 - 同期したいデータを選ぶ
歩数、心拍数、消費カロリー、睡眠、アクティビティなどを選択できます。 - アクセス権限を許可
GarminとGoogle Fitのデータアクセスを承認する画面が出るので、すべて「許可」。 - 初回同期を実行
設定完了後、アプリが自動で初回同期を開始します。数分で完了。
以降はバックグラウンドで自動的に同期され、定期的にデータが更新されます。
リアルタイム反映ではないですが、15分〜数時間以内には最新データがGoogle Fitに届く仕組みです。
同期できるデータと制限
Health Syncを使うと、GarminからGoogle Fitに次のデータを転送できます。
- 歩数
- 消費カロリー
- 心拍数
- トレーニングデータ(ラン、バイクなど)
- 睡眠情報(機種によって差あり)
ただし、Garmin独自の指標(例:ストレススコア、酸素飽和度、体温など)は反映されない場合もあります。
Google Fit自体がそのデータ形式に対応していないためです。
また、アプリの仕様変更やサーバーメンテナンスの影響で、一時的に同期が遅れるケースも。
基本的に放置すれば自動で回復しますが、数時間経っても反映されない場合はHealth Syncの設定を開いて再同期を実行してみましょう。
Google Fit側の設定も忘れずに
ここで重要なのが、Google Fit側の設定です。
GarminのデータとGoogle Fitの自動計測が「二重カウント」になるケースがあります。
それを防ぐには、Google Fitアプリの設定画面から
「アクティビティ追跡(Activity Tracking)」をオフにしておくこと。
これでFitがスマホのセンサーで歩数をカウントしなくなり、Garminのデータが正しく反映されます。
利用料金と仕組み
Health Syncは、最初の1週間が無料トライアル。
その後は以下のいずれかを選択します。
- 永続ライセンス(買い切り、約400円前後)
- 月額または年額サブスクリプション(少額)
どちらを選んでも機能は同じ。長く使う予定なら買い切りが安心です。
課金はGoogle Play経由で行われるため、セキュリティ面でも心配はありません。
今後の動向:Health Connectへの移行に注目
Googleは近年、「Health Connect」という新しい健康データ共有基盤を推進しています。
これはAndroid 13以降で標準搭載されており、Google Fitを含む複数のアプリがここを介してデータ連携できる仕組みです。
Health SyncもすでにHealth Connectに対応しており、今後は
Garmin → Health Sync → Health Connect → Google Fit
というルートでの連携が主流になっていくと予想されています。
Health Syncの公式情報では、2026年以降、Google Fitへの直接同期サポートが終了する可能性も示唆されています。
今のうちにHealth Connectを視野に入れて設定しておくと、将来スムーズに移行できるでしょう。
トラブルが起きたときのチェックポイント
もし「Google Fitにデータが反映されない」ときは、次の3点を確認しましょう。
- Health Syncの権限設定が正しいか
Garmin ConnectとGoogle Fitの両方で「Health Syncへのアクセス許可」がオンになっているか確認。 - アプリが最新か
古いバージョンのままだと同期が止まることがあります。Playストアで更新を。 - Google FitのActivity Trackingがオフになっているか
二重計測が原因でデータが上書きされている場合もあります。
これでも解決しない場合は、一度Health Syncをアンインストールし、再設定すると改善するケースが多いです。
実際に使ってみた感想とおすすめ設定
筆者の環境(Garmin Venu 3 × Android Pixel)でも、Health Syncは安定動作中。
毎朝の歩数や睡眠がGoogle Fitにしっかり反映され、フィットネスアプリや食事記録アプリとの統合もスムーズです。
おすすめは次の設定です。
- 同期対象:歩数・消費カロリー・心拍数(基本3項目)
- 同期間隔:標準(約30分おき)
- Google Fitの活動追跡:オフ
- バックアップ:Googleドライブに保存を有効化
これでほぼ放置運用が可能です。
ガーミンとGoogle Fitの連携は「今」がベストタイミング
Garminの正確なデータをGoogle Fitで一元管理できると、日々の体調管理がぐっと楽になります。
公式連携がなくても、Health Syncを使えば実用的なレベルで統合が可能です。
そして今後、GoogleのHealth Connectが広がれば、さらに連携の幅は広がっていきます。
少しの設定で自分専用の健康データ基盤を作れるこの仕組み、使わない手はありません。
GarminとGoogle Fitをうまく連携して、毎日のヘルスデータをもっと賢く活用していきましょう。
