「安くて多機能だから」と、中国製のスマートウォッチを選ぶ人は少なくありません。
でも最近、「中国製スマートウォッチは危ない」という声を耳にすることも増えています。
本当に危険なのでしょうか？それとも誤解なのでしょうか？
この記事では、中国製スマートウォッチの安全性やリスク、そして安心して使える代替モデルまで、分かりやすく解説します。
中国製スマートウォッチが危ないと言われる理由
まず、「危ない」と言われる背景を整理してみましょう。ポイントは大きく4つあります。
1. データ漏洩やプライバシー侵害のリスク
スマートウォッチは健康データ、位置情報、心拍数、睡眠時間など、極めて個人的な情報を記録します。
そのデータがどこに送られているのか、どう扱われているのかが不明な製品も少なくありません。
過去には、子ども用の中国製スマートウォッチが外部からアクセスできる状態になっており、リアルタイムの位置情報や名前、写真などが漏洩していた例もあります。
通信の暗号化が不十分だったり、クラウドサーバーの管理が甘いことが原因とされています。
個人情報が漏れると、ストーカー被害や詐欺、なりすましなどのリスクが広がる可能性も。
安価な製品ほどセキュリティ対策が不十分な傾向があり、特に注意が必要です。
2. 不正アクセスやマルウェアの脆弱性
安価なスマートウォッチの中には、知らない間にデータを抜き取る不正なソフトが仕込まれているケースも報告されています。
また、Bluetooth通信の暗号化が弱いと、第三者が通信内容を盗み見る「スニッフィング」攻撃を受ける可能性があります。
研究では、一部の中国製スマートウォッチが、パソコンにUSB接続しただけで内部データを簡単に読み取れる脆弱性を持つことも確認されています。
さらに、最新の研究ではスマートウォッチのモーションセンサーを利用して、パスワードの入力動作を解析できるという報告も。
つまり、スマートウォッチが「便利なツール」である一方、「情報を盗む入口」になり得るのです。
3. 中国の法律によるデータ提供の可能性
もう一つの不安要素は、中国の法律です。
中国では「国家情報法」という法律により、企業が政府の要請に応じて保有データを提供しなければならない場合があります。
つまり、中国の企業が作ったスマートウォッチが収集したデータは、最終的に政府に提供される可能性を否定できません。
もちろん、すべての企業が実際にそうしているわけではありませんが、法律上はそのリスクが存在します。
この法制度が、欧米や日本などで「中国製＝危険」という印象を強めている背景でもあります。
4. 品質・サポート体制の不安定さ
中国製スマートウォッチは価格競争が激しく、数千円で購入できるものも多いです。
ただしその分、品質のばらつきが大きいのも事実。センサーの精度が低かったり、バッテリーがすぐ劣化したり、接続が頻繁に切れるという声もあります。
さらに、無名ブランドではサポートが不十分で、アプリが更新されず放置されるケースも。
セキュリティ更新が止まると、脆弱性が修正されないまま使い続けることになり、リスクが高まります。
「中国製だから危ない」は本当？意外と知られていない現実
ここまで読むと、「やっぱり危ないのか…」と思うかもしれません。
しかし、すべての中国製スマートウォッチが危険というわけではありません。
実際、Xiaomi（シャオミ）やHuawei（ファーウェイ）などの大手メーカーは、国際的な安全規格（CE、FCCなど）を取得しており、欧州や日本でも販売されています。
これらのメーカーはセキュリティアップデートを定期的に行い、プライバシー保護方針も公開しています。
また、ユーザー自身が設定を見直すことで、リスクを減らすことも可能です。
アプリの権限を制限したり、クラウド連携をオフにしたりすることで、データの流出経路を減らせます。
「中国製＝危険」という一括りの見方は、やや極端です。
大事なのは、“どのブランドを選び、どう使うか” という点なのです。
安心して使うために気をつけたいポイント
もし中国製スマートウォッチを使う場合でも、以下の点を意識することで安全性を高められます。
- 信頼できるメーカーを選ぶ
Xiaomi、Huawei、Amazfitなど、世界的に展開しているメーカーを選ぶ。無名ブランドは避ける。 - アプリの権限を確認する
位置情報、通話履歴、カメラなどの権限を必要以上に与えない。 - ファームウェアを常に最新に保つ
アップデート通知を無視せず、定期的に更新する。 - クラウド同期を最小限にする
バックアップ先のサーバーが海外の場合、どの国に保存されるかを確認する。 - 使用しないときはBluetoothをオフにする
常時接続を避けることで、不正アクセスの可能性を減らせる。
こうした基本的な対策を取るだけでも、リスクは大幅に下がります。
中国製以外でおすすめのスマートウォッチ
安全性を重視するなら、他国メーカーのスマートウォッチも選択肢になります。
ここでは代表的な代替モデルを紹介します。
Apple Watch（アップル）
セキュリティ・プライバシーの管理が最も厳しいとされる製品のひとつ。
iPhoneとの連携もスムーズで、健康データの暗号化や保存場所の明確化など、透明性が高いのが特徴です。
Samsung Galaxy Watch（サムスン）
Androidユーザーに人気のモデル。
軍用規格の耐久性と、Googleとの連携による安全なエコシステムが魅力です。
Garmin（ガーミン）
フィットネス特化型として信頼が厚いブランド。
GPS精度が高く、健康データの保存・共有設定を細かく制御できる点が評価されています。
Fitbit（フィットビット）
Google傘下のブランドで、健康管理を中心とした設計。
プライバシー管理の透明性が高く、医療機関と連携することも想定されています。
これらのブランドは価格こそやや高めですが、サポート体制やデータ保護の面で安心感があります。
中国製スマートウォッチとどう向き合うか
中国製スマートウォッチには、確かにセキュリティや品質に関する不安があります。
一方で、価格の手頃さや機能の豊富さといったメリットも大きいのも事実です。
つまり、「危ないかどうか」は製品次第。
大切なのは、“安いから買う”のではなく、“信頼できるから使う” という意識です。
信頼できるメーカーを選び、自分で設定や使い方を工夫すれば、必要以上に怖がることはありません。
情報管理の基本を守りつつ、上手に使いこなすことがポイントです。
まとめ：中国製スマートウォッチは危ない？安全性やリスクとおすすめ代替モデル
中国製スマートウォッチが「危ない」と言われる背景には、
データ漏洩、脆弱性、法律上の懸念、品質のばらつきといった問題があります。
しかし、ブランドやモデルを見極め、正しい設定・運用を行えば、リスクを最小限に抑えることもできます。
安全性を最優先するならApple Watch、Samsung Galaxy Watch、Garminなどの代替モデルも検討するのがおすすめです。
「安さ」よりも「安心」を選ぶ。
それが、これからのスマートデバイスとの上手な付き合い方です。
