スマートウォッチ、最近ますます身近な存在になりましたよね。健康管理やフィットネス、通知チェックから通話まで、手元で何でもできる便利なデバイスとして、もはや生活の一部になっている人も多いはず。
では、いま世界ではどんなブランドが人気で、どんな機能が求められているのでしょうか?
今回は、最新のスマートウォッチ市場シェアをもとに、主要ブランドの動きや地域ごとの特徴、今後のトレンドまでを一気に整理します。
スマートウォッチ市場は今どうなっている?
ここ数年、スマートウォッチの市場はウェアラブル機器の中でも中心的な存在になっています。IDCなど複数の調査によると、2025年の世界出荷台数は約4,500万台規模で、前年から10%以上の成長を記録しています。
市場規模はおよそ4兆円(約425億ドル)を超えるとされ、健康志向の高まりや在宅勤務の定着が需要を押し上げました。
ただし、成長率はやや鈍化してきているのも事実です。普及が進んだことで、買い替え周期が長くなり、特に先進国では「次の一手」が求められています。それでも、ヘルスケア機能の拡充やAIによる健康サポートなど、次世代技術への期待感が市場の勢いを支えています。
世界シェアの最新動向
2025年時点のデータを見てみると、ブランド別のシェアに興味深い変化が見られます。
これまで長年トップを走ってきたApple Watchですが、ついにその牙城を揺るがす動きが出ています。
- Huawei Watch:21%前後のシェアでトップに浮上。中国国内はもちろん、アジア・欧州圏で勢いを見せています。
- Apple Watch:20%前後で僅差の2位。依然として高いブランド力を保ちながらも、買い替え需要の減速が響いています。
- Fire-Boltt(インド):低価格モデルを武器に10%前後のシェアを獲得。新興市場で急成長中。
- Samsung Galaxy Watch:9%前後とやや後退気味。Galaxyシリーズとの親和性は強いものの、機能面での差別化が課題に。
- Xiaomi・Garmin・Amazfit:それぞれ5%前後を維持し、特定ニーズ層をしっかり掴んでいます。
この数字だけでも、市場の主役が入れ替わりつつあるのが分かります。特にHuawei Watchの躍進は象徴的で、スマートフォン市場のシェア低下を補う形でスマートウォッチ事業を強化してきました。中国や東南アジアでは、コスパ重視の消費者に強く支持されています。
地域ごとの特徴を見てみよう
スマートウォッチの人気やトレンドは、地域によってかなり違いがあります。
中国・アジア地域では、Huawei WatchやXiaomiといった自国ブランドが圧倒的な存在感を発揮。特に中価格帯以下のモデルがよく売れています。スマホとの連携を重視する層も多く、バッテリーの持ちや健康機能の充実が購入の決め手です。
また、オンライン販売の比率が高く、2025年には販売の約6割以上がEC経由というデータもあります。
北米・ヨーロッパでは、Apple WatchとGarminが根強い人気。デザイン性と信頼性、そして健康データの精度が重視されています。ただし市場は成熟期に入りつつあり、買い替えサイクルの長期化が課題。消費者の関心は「新しい機能」よりも「どこまで日常に馴染むか」に移りつつあります。
一方、インドや東南アジアなどの新興市場では、Fire-BolttやNoiseといった地元ブランドが急速にシェアを拡大。1万円以下のモデルでも多機能化が進み、若年層を中心に支持されています。スマートウォッチが“初めてのウェアラブルデバイス”という人も多く、今後の成長源として注目されています。
主要ブランドを徹底比較
ここでは、各ブランドの特徴と強み・弱みを簡単に整理します。
Apple Watch(アップル)
Apple Watchは依然としてスマートウォッチの代名詞的存在。
心拍数や睡眠トラッキングはもちろん、転倒検知やECG(心電図)測定など医療レベルの機能を搭載。iPhoneとの連携力は群を抜いています。
一方で、モデルチェンジごとの革新性が薄れ、買い替えをためらうユーザーも増えています。高価格帯ゆえに、新興市場での競争は厳しめです。
Huawei Watch(ファーウェイ)
独自OS「HarmonyOS」を軸に、スマホ連携の自由度が高いのが特徴。
血中酸素やストレス測定、睡眠分析などの健康機能を強化しつつ、価格も抑えています。バッテリー寿命が長い点も大きな強み。
ただし、欧米市場ではブランドイメージや制裁の影響で販路が制限されている面もあります。
Samsung Galaxy Watch(サムスン)
Wear OSを採用し、Androidスマホとの相性が抜群。
デザイン性が高く、Galaxyシリーズとの統一感があります。
しかし最近は中国系メーカーとの価格競争に苦戦。2025年には出荷台数が前年比で減少するなど、やや勢いを落としています。
Garmin(ガーミン)
スポーツウォッチとして圧倒的な支持を得ており、ランナーや登山愛好家には根強い人気。
GPS精度や耐久性が強みで、プロ仕様のモデルが多いのが特徴です。
価格は高めですが、機能面の信頼性が高く、アスリート層のブランドロイヤルティは非常に強いです。
Fire-Boltt・Xiaomi・Amazfit
これらはコスパ重視のブランドで、特にFire-Bolttはインド市場で急拡大。
シンプルで使いやすく、健康機能も一通り搭載。価格は1万円を切るモデルも多く、「初めてのスマートウォッチ」として選ばれるケースが増えています。
ユーザーが求める機能は変化している
今、ユーザーがスマートウォッチに求めるのは「健康管理」と「日常サポート」です。
具体的には以下のような機能が注目されています。
- 心拍数・血中酸素の常時計測
- 睡眠の質やストレスレベルの可視化
- トレーニング中のリアルタイムデータ分析
- 通知・通話・音楽コントロールなどのスマホ連携
- 長時間バッテリーと防水性能
最近はこれらの機能が標準化してきており、各社の差別化ポイントは「精度」と「体験」に移っています。AIを使った健康アドバイスや、eSIMによる単体通信機能など、スマートウォッチが“ミニスマホ”へと進化する流れが見え始めています。
市場の課題と今後の展望
スマートウォッチ市場は成長を続けながらも、いくつかの課題を抱えています。
まず一つ目は買い替え需要の鈍化。
多くのユーザーがすでに1台は持っており、「次のモデルで何が変わるのか?」という問いに明確な答えを出せるメーカーは少ないのが現状です。
二つ目は価格競争の激化。
低価格モデルの台頭により、利益率を確保しにくくなっています。そのため、各社はハードだけでなく、健康データを活用したサブスクリプションやコーチングサービスに注力し始めています。
そして三つ目が技術革新の停滞。
血糖値測定や血圧の常時計測など、次世代のヘルスケア機能が実用化されれば、市場の再加速も期待できるでしょう。
今後は「デバイス」から「プラットフォーム」へ。
スマートウォッチが集めたデータをもとに、AIが健康アドバイスを行うような時代がやってきます。ウェアラブルが“パーソナルヘルスの中枢”になる未来は、もうすぐそこです。
最新のスマートウォッチ市場シェアを徹底分析!人気ブランド比較も紹介【まとめ】
ここまで見てきたように、スマートウォッチ市場は2025年に入っても勢いを保ちながら、構造が変わりつつあります。
トップシェアを争うApple WatchとHuawei Watchの競り合い、Fire-Bolttのような新興ブランドの台頭、Garminの専門特化など、それぞれが明確なポジションを築いています。
これから購入を検討するなら、自分のライフスタイルに合った機能とエコシステムを重視するのがポイントです。
単なるガジェットではなく、“健康を支えるパートナー”としてスマートウォッチを選ぶ時代。市場の変化を知ることで、より自分に合った一本が見えてくるはずです。
