最近よく耳にする「ECG（心電図）機能付きスマートウォッチ」。
健康志向の高まりとともに、自分の体の状態を手軽にチェックできるデバイスとして人気が急上昇しています。
でも、実際にどんなことができるのか、どのモデルを選べばいいのか分からない人も多いのではないでしょうか。
この記事では、スマートウォッチでECG計測ができる仕組みや、そのメリット・注意点、そしておすすめのモデル5選を紹介します。
医療機器の代わりではなく、あくまで「日常の健康管理ツール」として上手に活用するポイントもあわせて解説していきます。
スマートウォッチのECG機能とは？仕組みと役割をやさしく解説
まず、ECGとは「Electrocardiogram（心電図）」の略。
心臓の電気的な動きを波形として記録することで、脈の乱れや異常の有無を把握する指標です。
従来は医療機関で複数の電極を装着して測定する必要がありましたが、最近ではスマートウォッチでも手軽に心電図を取れるようになりました。
仕組みは、手首の裏にある電極センサーと、リューズやベゼル部分にあるタッチ電極を使い、腕と指の間で電位差を計測するというもの。
おおよそ30秒ほど静止して計測すれば、波形データが取得でき、アプリ上で簡単に確認できます。
ただし、スマートウォッチのECGは「簡易的な単極（リードI相当）」の測定です。
本格的な医療用12誘導心電図の代替にはなりません。
それでも「心房細動（AF）」など一部の不整脈を早期に把握できる可能性があり、健康管理の一助として注目されています。
スマートウォッチで心電図を取るメリット
1. いつでもどこでも測れる安心感
「最近動悸がする」「脈が乱れている気がする」——そんなとき、すぐに心電図を記録できるのが最大のメリット。
病院に行くほどではないけれど気になる、という瞬間に記録を残しておけば、後で医師に見せることもできます。
2. 日常の体調変化を見える化
安静時心拍数や心拍変動、睡眠状態などと合わせて見ることで、体の変化に早く気づけます。
例えば「最近心拍数が上がり気味」「夜のリカバリーが悪い」など、小さな変化を把握しやすくなります。
3. 健康意識が自然と高まる
腕に身につけているだけで、心拍・睡眠・ストレス・活動量などを自動で記録。
ECG測定を習慣にすれば、自分の体調に向き合うきっかけが増え、健康管理への意識がぐっと高まります。
注意点：医療機器ではないことを理解して使う
重要なのは、「スマートウォッチのECGは医療機器ではない」ということ。
多くのモデルは“健康管理用途”として設計されており、診断を行うものではありません。
つまり、スマートウォッチで正常と出ても、症状がある場合は必ず医師の診察を受けるべきです。
逆に、異常と表示されても焦る必要はありません。装着のズレやノイズで誤判定が出ることもあります。
正しく使うコツは以下の通りです。
- 計測中は静止して手首を動かさない
- デバイスを肌に密着させる
- 測定結果を過信せず、気になるときは専門医へ
こうした使い方を守ることで、ECG機能を安全かつ有効に活用できます。
ECG対応スマートウォッチの選び方
ECG機能付きスマートウォッチを選ぶときは、以下のポイントを意識しましょう。
1. 計測精度と操作のしやすさ
タッチ式電極の位置や、アプリの見やすさはモデルによって異なります。
静止中でも安定して測定できるか、波形が明確に表示されるかを確認しましょう。
2. データ連携・保存機能
測定したECGをスマホアプリで確認できるか、PDFで出力できるかも重要です。
医師に見せたい人は、データ共有機能の有無をチェック。
3. 日本での対応状況
ECG機能は国によって有効化が制限されることがあります。
日本国内で使えるかどうか、公式サイトで必ず確認しましょう。
4. 他の健康管理機能とのバランス
血中酸素（SpO₂）やストレススコア、睡眠分析なども搭載していると、より包括的な健康管理ができます。
ECG単体よりも、総合的なライフログが取れるモデルがおすすめです。
スマートウォッチでECG計測対応のおすすめ5選
ここでは、実際に人気の高いモデルを紹介します。
いずれもECG計測に対応しており、日常の健康管理に役立つ機能を搭載しています。
1. Apple Watch Series 9
スマートウォッチの定番。Apple WatchはSeries 4以降、ECGアプリを搭載。
リューズ部分に指を当てるだけで30秒間の心電図を取得できます。
心房細動の可能性を通知してくれるほか、iPhoneアプリで波形を保存・共有することも可能。
操作性やアプリの安定性は群を抜いており、iPhoneユーザーなら最有力候補です。
2. Samsung Galaxy Watch 6
Samsungの最新モデルは、ECGと血圧測定の両方に対応（国によって制限あり）。
円形ディスプレイが見やすく、ストレスや睡眠のトラッキング精度も高いです。
Androidユーザーにとっては、総合的な健康管理ウォッチとして非常にバランスの取れた選択肢。
3. Fitbit Sense 2
Fitbit独自のストレス管理機能とECGアプリを搭載。
手首のセンサーで自律神経の状態を可視化できるのが特徴です。
Google Fitとの連携や、安静時心拍の推移グラフなども使いやすく、日常データの分析に強みがあります。
4. HUAWEI Watch GT 4
高精度センサーと洗練されたデザインが魅力。
ECG計測のほか、心拍・血中酸素・睡眠スコアなども自動記録します。
アプリの日本語対応も進化しており、AndroidでもiPhoneでも使いやすい万能モデル。
5. 日本製センサー搭載スマートウォッチ（スマートライフ専門店モデル）
日本市場向けに作られたECG＋PPG搭載モデル。
心電図のほか、血圧・血中酸素・歩数など多機能でコスパも高め。
医療機器認証はないものの、日常のセルフチェック用としては十分実用的です。
スマートウォッチのECG機能を使いこなすコツ
せっかく搭載されている機能も、使い方を間違えると効果が半減します。
以下のポイントを押さえて、上手に活用しましょう。
- 習慣化する：毎日決まった時間に測定して、自分の“いつもの波形”を知っておく。
- 異常を感じたら記録する：動悸やめまいを感じたときは、その場で測定しておくと医師への説明がスムーズ。
- 定期的にデータを見返す：週や月単位で心拍やストレス傾向を確認し、生活改善につなげる。
スマートウォッチは“未来の自分のためのデータ”を蓄積するツールです。
数値を見ることが目的ではなく、「自分を知る」ことが大切です。
まとめ｜スマートウォッチでECG計測対応のモデルで、毎日の健康をもっと身近に
スマートウォッチのECG機能は、日々の健康状態を客観的に把握するための強力なツールです。
手首で手軽に心電図を取れることで、「体のサイン」に早く気づけるようになります。
ただし、医療機器ではなく“健康管理サポート”であることを理解して使うことが重要です。
気になる症状があるときは、必ず専門医に相談しましょう。
Apple Watch Series 9やFitbit Sense 2、Samsung Galaxy Watch 6、HUAWEI Watch GT 4など、各メーカーが進化を重ね、より精度の高いECG計測を実現しています。
自分のライフスタイルに合った1本を選び、心と体を日常的にケアする——。
それが、これからの時代の新しい健康習慣です。
