ゲーミングPCって、気づくと電気代が結構かかっていませんか?
高性能なパーツを詰め込んでいる分、普通のパソコンより電力を食うのは当然。とはいえ、設定次第でその消費電力をかなり抑えられるんです。
この記事では、ゲーミングPCの消費電力を抑えるための具体的な設定や、電気代を節約するちょっとしたコツをわかりやすく紹介します。
なぜゲーミングPCは電力を食うのか?
まずは原因を知るところから。ゲーミングPCが消費電力を多く使うのは、主に次の理由からです。
- 高性能GPUやCPU:最新のグラフィックカードやプロセッサは、処理性能が高いぶん電力を大量に使います。
- 冷却ファンやRGBライト:派手なイルミネーションや多段冷却システムも意外と電気を食うポイント。
- 常時稼働する周辺機器:モニタ、外付けHDD、コントローラー充電など、周りのデバイスも積み重なると大きな電力になります。
つまり、パーツの性能を引き出すほど電気代も比例して上がる構造なんですね。
ですが、「必要な時だけ性能を使う」設定に変えるだけで、消費電力は驚くほど減らせます。
OS設定でできる省エネ化
Windowsには、実は標準で使える“節電機能”がいくつもあります。
電源プランを最適化する
- 設定 → システム → 電源とバッテリーから「電源モード」を「最適な電力効率」に変更しましょう。
高パフォーマンスモードは常時フルパワーで動くため、ゲーム以外の作業では無駄が多いです。 - スリープや画面オフの時間を短めに設定して、使っていない時間の通電を抑えるのも効果的です。
バックグラウンドアプリを整理する
常駐アプリや自動起動プログラムは、知らないうちにCPUを動かし続けています。
不要なものをオフにすることで、アイドル時の消費電力を数十ワット単位で下げられることもあります。
ディスプレイ設定も見直そう
- モニタの明るさを落とす
- リフレッシュレートを必要に応じて下げる(144Hz→60Hzなど)
特に複数モニタを使っている人は、これだけでも電力がかなり違ってきます。
GPUとCPUの設定で効率アップ
ゲーミングPCの中で一番電力を使うのがGPUとCPUです。ここを上手に調整すれば、電気代に直結します。
フレームレートを制限する
モニタが60Hzなら、ゲームのFPSを60で固定してしまうのが手っ取り早い方法。
無制限に描画させると、GPUは常に全力で動作します。結果、発熱も増えてファンも回りっぱなし。
「V-Sync」や「FPSキャップ」を使えば、見た目の滑らかさをほとんど落とさずに電力を節約できます。
アンダーボルト(電圧を下げる)
少し上級者向けですが、GPUの電圧を下げて動かす“アンダーボルト”は非常に効果的。
設定を適切に行えば、性能をほぼ落とさずに消費電力を20〜30%減らすことも可能です。
ただしやりすぎると動作不安定になるため、少しずつ調整しながら試すのがコツ。
アンダークロック(クロック数を下げる)
CPUやGPUの動作周波数をわずかに下げるだけでも、省電力効果はあります。
重いゲームをしていない時や配信・作業中など、負荷が低い場面ではこの設定が有効です。
BIOS設定での節電テクニック
BIOS(UEFI)には、電源管理を細かく制御する機能があります。
初心者は少し戸惑うかもしれませんが、代表的なものをいくつか紹介します。
- C-Statesを有効化:CPUがアイドル時に自動でクロックを下げてくれます。
- ErP Readyをオンに:PCをシャットダウンしている間の待機電力を1W以下に抑える機能です。
- EPU(Energy Processing Unit):ASUSなど一部のマザーボードに搭載されている省電力支援機能。自動で電力最適化をしてくれます。
これらの設定は、BIOS画面から数クリックで切り替えられることが多いので、一度確認してみる価値ありです。
ハードウェアの見直しでさらに省エネに
設定だけでなく、構成そのものを見直すのも有効です。
電源ユニット(PSU)は効率の良いものを
「80 PLUS GOLD」や「Platinum」認証の電源は、電力変換効率が90%前後。
安価なモデルだと80%を切ることもあり、その差がそのままロス(熱)になります。
電源を交換するだけで年間の電気代が変わることもあります。
ストレージはSSD中心に
HDDは回転部分があるため、常時電力を消費します。
SSDは高速かつ省エネなので、ゲームのロード時間短縮にも一石二鳥です。
不要なイルミネーションをオフに
RGBライトやLEDファンも、トータルで見れば結構な電力を消費します。
見た目を重視しないなら、必要最小限だけ点灯させる設定にしておきましょう。
使い方ひとつで電気代は変わる
設定を変えるだけでなく、「どう使うか」でも消費電力は変わります。
スリープや電源オフを習慣化
ゲームを終えたらスリープではなくシャットダウンする。
さらに電源タップで完全にオフにすれば、待機電力もカットできます。
プレイ環境を快適に保つ
部屋が暑いとPC内部温度が上がり、冷却ファンが余分に回ってしまいます。
エアコンを適度に使い、エアフローを良くしておくことで、結果的にPC全体の効率も上がります。
ワットチェッカーで“見える化”する
実際にどれくらい電力を使っているのかを数値で見ると、節電の意識が高まります。
安価な電力測定器を使えば、ゲーム中・待機時の消費をリアルに把握できます。
電気代はどれくらい節約できる?
仮にゲーミングPCが400Wを使っていて、1日3時間プレイするとします。
1kWhあたりの電気代を30円とすると、
0.4kW × 3時間 × 30日 × 30円 = 1,080円/月。
年間で約13,000円です。
もし設定を見直して300Wに下げられたら、
0.3kW × 3時間 × 30日 × 30円 = 810円/月。
年間で約9,700円と、約3,000円の節約になります。
長期的にはPCの寿命延長や静音化にもつながるので、節電は「お得」だけでなく「快適」でもあります。
ゲーミングPCの消費電力を抑えて、快適&スマートに使おう
ゲーミングPCの消費電力を抑える方法は、意外と身近にあります。
電源プランの最適化、GPU設定の見直し、アンダーボルト、不要なライトの停止…。
こうした積み重ねが、月々の電気代だけでなく、PC全体の寿命にも良い影響を与えます。
高性能を求めるのは楽しいことですが、「効率的に使いこなす」こともゲーマーの技のひとつ。
あなたのPCにも、今日から少しだけ“節電モード”を取り入れてみませんか?
