「ゲーミングPCのベンチマークって、どのくらいあれば快適に遊べるの?」
そう感じたことがある人は多いはずです。パーツの型番やスペック表を見てもピンとこない…そんなときに頼りになるのが“ベンチマークスコア”。この記事では、ベンチマークの意味から具体的な数値目安まで、初心者でも理解できるようにやさしく解説します。
ベンチマークとは?数字でわかるPCの実力
ベンチマークとは、パソコンの性能を数値で測るための「性能テスト」のこと。CPUやGPU(グラフィックボード)など、ゲーム性能に直結するパーツの実力を客観的に比較できる便利な指標です。
特にゲーミングPCでは、「どの程度のグラフィック設定で滑らかに遊べるか」を判断する材料になります。たとえば、3Dグラフィック性能を測る定番ツール「3DMark」では、テスト結果としてスコアが表示されます。数値が高いほど描画能力が高く、最新ゲームや高解像度環境でも快適に動作する可能性が高い、というわけです。
ただし、ベンチマークスコアはあくまで“理論値”です。冷却環境や設定によっても体感は変わるため、「目安」として捉えるのがポイントです。
よく使われるベンチマークツール3選
1. 3DMark
ゲーミング用途では定番中の定番。DirectX12対応の「Time Spy」やDirectX11向けの「Fire Strike」など複数のモードがあります。GPUの描画能力を測るのに最適で、「スコアが1万を超えると中~上級クラス」とされることが多いです。
2. PCMark 10
こちらはゲーム専用ではなく、PC全体の処理能力を測るベンチマーク。オフィス作業やブラウジング、動画再生といった総合評価を出します。日常使いも兼ねるゲーミングPCの性能を見たいときに有効です。
3. PassMark
CPUの処理能力をチェックするのに適したベンチマーク。多くの比較サイトで利用されており、CPU性能の“ざっくり目安”として信頼性があります。
ゲームを快適に楽しむには「スコア1万点前後」を目安にするとよいとされています。
解像度別・目的別のベンチマーク目安
同じPCでも、プレイする解像度やゲームジャンルによって「快適さ」は大きく変わります。ここでは1080p(フルHD)、1440p(WQHD)、4Kの3段階に分けて目安を紹介します。
フルHD(1080p)で遊びたい人
フルHDはゲーミング入門に最適な解像度です。
GPUならRTX 3060やRX 6600クラス、CPUはCore i5 / Ryzen 5以上が基準。3DMarkスコアで「10,000前後」を超えていれば、多くのゲームで60〜144fpsを安定して出せます。
WQHD(1440p)で高画質を楽しみたい人
1440pはフルHDより約1.7倍ピクセル数が多く、描画負荷もアップします。RTX 4070 / RX 7800 XTクラス以上が理想。3DMarkスコアでは13,000〜16,000を目指したいところです。CPUはCore i7 / Ryzen 7以上が望ましく、冷却や電源も余裕をもって選ぶと安定します。
4K(UHD)で最高画質を狙う人
4Kは超高精細で没入感抜群ですが、負荷は非常に重いです。RTX 4080〜RTX 4090クラスやRX 7900 XTXなど、最上位GPUが必要になります。3DMarkでは20,000を超えるスコアが目安。CPU性能よりもGPUの描画力が支配的になる領域です。
CPUとGPU、それぞれのスコア目安
CPUの目安(PassMark基準)
- 8,000点以下:ライトゲーミングや旧作タイトル向け
- 10,000点前後:多くのゲームで安定動作、理想的な標準ライン
- 15,000点以上:配信や動画編集、重いオープンワールドゲームにも余裕
CPUはゲームだけでなく、配信や録画を同時に行う際にも重要。マルチスレッド性能が高いほど快適さが増します。
GPUの目安(3DMark Time Spyスコア)
- 8,000〜10,000:中量級タイトルをフルHDで快適に
- 12,000〜15,000:最新作を高画質・WQHDでスムーズに
- 18,000以上:4K・高リフレッシュレートでも安定
GPUはゲーミング体験の中心。とくに最近のゲームはGPU依存度が高いため、スコアを重視して選ぶのがおすすめです。
実際のゲーム別・快適ラインの目安
Apex Legends
中~高設定で1080pならRTX 3060クラスで100fps前後。3DMarkスコアで10,000を超えていれば十分に快適。
フォートナイト
軽めのタイトルですが、建築バトルなどで安定性が求められます。RTX 4060以上あればWQHD・144fpsも狙えます。
モンスターハンター:ワイルドズ
高画質・1080p・60fps狙いならRTX 2060 SuperでOK。WQHDではRTX 4070以上が理想です。
こうしてみると、解像度が上がるにつれて必要なスコアも大きく跳ね上がることが分かります。
初心者が失敗しないためのチェックポイント
1. まず「やりたいゲーム」と「解像度」を決める
ゲームによって必要性能はまったく違います。まずは自分のプレイしたいタイトルを明確にしましょう。Steamなどでは推奨スペックが公開されています。
2. ベンチマークの種類とスコアを正しく読む
「どのテストで出たスコアなのか」を確認することが大事。Fire StrikeとTime Spyでは結果の基準が異なります。比較するときは同一条件で見るようにしましょう。
3. 数字だけで判断しない
スコアが高くても、冷却が不十分だったり電源が弱いと実力を発揮できません。レビューや実機のプレイ感も併せて参考にするのがコツです。
4. 拡張性とバランスを意識
CPUとGPUの性能バランスが悪いとボトルネックが発生します。将来的にGPUだけ交換して性能アップできるよう、CPUや電源には少し余裕を持たせておくのがおすすめです。
ベンチマークを活用するコツ
- 同条件で比較する
異なる設定や解像度で測ったスコアを比べても意味がありません。比較は“同一環境”が鉄則です。 - 他人のレビューと照らし合わせる
同じパーツ構成でも実際のFPSは環境で変わります。レビューサイトやYouTubeの実測値も確認しましょう。 - スコアの伸び率より安定性を重視
たとえばスコアが5%上がっても、価格差が2万円以上ならコスパは悪いことも。目的に合った性能ラインで判断するのが大切です。
まとめ:ベンチマークを“目安”に、自分に合ったゲーミングPCを選ぼう
ここまで紹介してきたように、ゲーミングPCのベンチマーク目安は「数値で性能を理解するための道しるべ」です。
フルHDで遊ぶなら3DMarkスコア1万前後、WQHDなら1万3千前後、4Kなら2万超を目安に考えましょう。CPUはPassMarkスコア1万がひとつの基準です。
ただし、最終的に大事なのは「何をどのように遊びたいか」。
ゲームタイトル、画質設定、モニターのリフレッシュレート、そして自分の遊び方によって、必要な性能は変わります。ベンチマークはあくまで“数字で見える目安”。
その数字を上手に活用して、自分にぴったりのゲーミングPCを見つけてください。
