最近のゲーミングPCは、性能だけでなく“光る演出”でも魅せる時代。マザーボード、ケース、ファン、メモリ、グラボまで、どこを見てもRGBライティングでピカピカ。
でも──ゲームに集中したいとき、作業に没頭したいとき、夜の部屋で光が目に刺さる…そんな経験、ありませんか?
この記事では、ゲーミングPCのLEDを完全に消す方法をわかりやすく解説します。設定やソフトの使い方、メーカー別の対処、そして静かな環境を作るコツまで、順に見ていきましょう。
なぜゲーミングPCのLEDは勝手に光るのか
まず知っておきたいのが、「なぜ電源を切っても光るのか」という仕組みです。
最近のPCパーツは、単なる装飾ではなく“マザーボードや電源のスタンバイ電流”でLEDが動いています。つまり、シャットダウンしても微弱な電源が残っているのです。
マザーボードやケースファンのLEDは、次のような経路で電気が流れます。
- マザーボード上の「RGBヘッダー」(3ピン/4ピン)
- 専用のハブ(LEDコントローラー)
- USBや電源ケーブル経由の常時給電
この仕組みを理解しておくと、「どの設定を切れば光らなくなるか」が見えてきます。
まずはここから:BIOS設定でLEDを止める
一番確実で安全なのは、マザーボードのBIOSからLEDを無効化する方法です。
PC起動時に「Delete」キーまたは「F2」を押してBIOSに入り、設定項目を探してみましょう。
メーカーごとの呼び方は少し違いますが、だいたい次のような項目です。
- ASUS:「Advanced → ROG Effects → Onboard LED → Disable」
- MSI:「Advanced → LED Configuration → RGB LED Lighting → Off」
- Gigabyte:「Peripherals → RGB Fusion → Off」
- ASRock:「Advanced → RGB LED Switch → Off」
さらに、「ErP Ready(S4+S5)」または「ErP Support」という項目を**Enable(有効)**にすると、シャットダウン時の待機電流をカットできます。これを設定すれば、PCを完全にオフにした状態でLEDが光ることもなくなります。
専用ソフトでLEDをオフにする方法
マザーボード設定のほかに、各メーカーはLED制御用のソフトを提供しています。これらを使えば、部品ごとに細かくライトを消したり、カラーを暗くしたりできます。
代表的なソフトは以下の通りです。
- ASUS Armoury Crate/Aura Sync
→ 「Aura Sync」タブからデバイスを選び、照明モードを「Off」や「Dark」に変更。 - MSI Mystic Light
→ ライティング一覧で各パーツを選択し、「Off」または黒色(RGB値0)を指定。 - Corsair iCUE
→ 「Static Color」モードを選び、RGBをすべて0に設定すると実質的に消灯。 - ASRock:Polychrome RGB
→ 「Onboard LED → Off」で全体のライティングを無効化。
この設定を行う際のポイントは、“全デバイスを同期させて一括で消す”こと。ソフトの同期機能を使えば、メモリやファンのLEDも一緒に消灯できます。
ケースやファンのLEDが消えないときの対処法
「BIOSもソフトも設定したのに、まだ光る…」
そんな場合、問題は物理的な接続にあるかもしれません。
- ケースのLEDボタンをチェック
一部のPCケースには、LED制御用のスイッチがあります。長押しで「Off」モードに切り替えられるタイプもあります。 - ファンの配線を確認
LED付きファンは「電源線(回転用)」と「LED線(装飾用)」が分かれていることがあります。
RGBヘッダーやLEDコントローラーに直接つながっているケーブルを外すことで光を止められます。 - 物理的にオフにする最終手段
どうしても消えない場合、LED付きファンを“LED非搭載ファン”に交換するという方法も。
改造やケーブル切断は保証対象外になるので、作業に慣れていない人は避けましょう。
シャットダウンしても光る原因と解決法
パソコンの電源を切ってもLEDが光り続けるのは、スタンバイ電源が流れているからです。
電源ユニット(PSU)は、完全オフに見えても一部の回路に5Vの待機電力を供給しています。これを止めるには、先ほど触れたErP設定を有効化するのが効果的。
具体的には:
- BIOSで「ErP Ready」または「ErP Support」をEnableに変更。
- これにより、スリープ・休止・シャットダウン中の給電を遮断。
- 結果として、マザーボード上やUSB機器のLEDも完全に消灯。
もしそれでも光る場合は、電源ユニットのスイッチをオフにするか、主電源を抜くことで完全に遮断できます。
メモリ・グラボのLEDも忘れずに
最近のパーツは、メモリやグラフィックスカードにもLEDが搭載されています。
これらも制御ソフトで設定できることが多いです。
- RGBメモリ:Corsair iCUEやG.Skill Trident Z Lighting Controlで「Off」または「黒」に設定。
- グラフィックスカード:メーカー専用ツール(ASUS GPU Tweak、MSI Dragon Centerなど)で消灯。
もし該当ソフトがない場合、マザーボード連携(Aura Syncなど)で制御できることもあります。
すべてのLEDを消したら環境も変わる
LEDを完全に消すと、PCの見た目は一気に落ち着きます。
暗い部屋でモニターの光だけに集中できる感覚は、一度味わうと手放せません。
こんな効果も期待できます。
- 視界に余計な光がなく、作業やゲームに没入できる
- 夜間の目の疲れが減り、反射やチラつきも軽減
- 寝室や静かな部屋でも安心してPCを使える
一方で、「ちょっと寂しいな」と思う人もいるでしょう。
その場合は、LEDを“完全オフ”ではなく“ワンポイントだけ点灯”にするのもおすすめです。
柔らかい白や間接光のようなライティングなら、集中力を保ちながら雰囲気も維持できます。
集中できる静かな環境づくりのコツ
LEDを消すだけでなく、周囲の環境も整えると集中度がさらに上がります。
次のポイントも取り入れてみてください。
- ケーブルを整理して視界をシンプルにする
- ファンの回転音を下げるために静音設定を活用
- デスク周りの照明を温かみのある間接光に変更
- ディスプレイの明るさを部屋の照度に合わせる
こうした小さな調整の積み重ねが、「静かに集中できる空間」を作り出します。
ゲーミングPCのLEDを完全に消す方法!静かな環境で集中する設定術(まとめ)
ここまで紹介してきたように、ゲーミングPCのLEDは設定次第で“完全に消す”ことができます。
手順をおさらいすると──
- BIOSでLED設定をOffにする
- ErP ReadyをEnableにして待機電流を止める
- 専用ソフトで全デバイスをオフ/黒色に設定
- 消えないLEDは物理的に対処(配線やスイッチ確認)
これらを行えば、シャットダウン後も光らない“完全消灯PC”が完成します。
光の演出は確かに華やかですが、静かな空間で落ち着いて作業したいときには不要なもの。
LEDをオフにして、自分だけの静かな集中空間を作り上げてみてください。
