ゲーミングPCを使っていると、「CPU温度ってどのくらいが普通なんだろう？」と気になったこと、ありませんか？
ゲーム中にファンが全開で回ったり、ケースから熱気が出ていたりすると不安になりますよね。この記事では、ゲーミングPCにおけるCPU温度の理想値・危険温度・原因・冷却対策をわかりやすく解説します。
ゲーミングPCのCPU温度の理想はどのくらい？
CPU温度は、PCの動作状況によって大きく変わります。まずは「どの温度が安全なのか」を把握しておきましょう。
アイドル時の目安（何もしていない状態）
- 30〜40℃：理想的な温度範囲
- 50℃近く：やや高め。ホコリやエアフローの悪さが原因かも
PCを起動しただけ、ブラウザを開いた程度で50℃を超えるようなら、ケース内の空気の流れやファンの回転数をチェックした方がいいです。
高負荷時の目安（ゲームや配信など）
- 70〜80℃：問題なし、正常範囲
- 80〜85℃：ギリギリ許容範囲
- 90℃以上：危険ゾーン。すぐに対策が必要
多くのCPUは90℃前後で「サーマルスロットリング（性能制御）」がかかり、熱を下げるために動作速度を落とします。つまり、温度が高いとフレームレート（FPS）が下がることもあるんです。
理想は「高負荷時でも70℃台前半」。この範囲をキープできれば、性能と寿命のバランスが取れた快適な状態です。
CPU温度が高くなると何が起きる？
CPU温度が高いまま放置すると、パフォーマンスやパーツ寿命に悪影響が出ます。代表的な症状を3つ紹介します。
1. 性能が自動で下がる（サーマルスロットリング）
CPUは高温になると自動でクロック（動作速度）を落とし、発熱を抑えようとします。
たとえば90℃近くになると処理能力が制限され、ゲームがカクついたり、エンコード速度が落ちたりすることがあります。
2. システムが不安定になる
一定温度を超えると、PCが強制シャットダウンしたり再起動を繰り返したりします。これはハードウェアを保護するための仕組みですが、作業中に起きるとかなり厄介です。
3. パーツの寿命が縮む
熱は電子部品の天敵です。長期間にわたり高温が続くと、CPUだけでなくマザーボードや電源など周辺パーツにもダメージが蓄積します。
「少し高いくらいなら大丈夫」と油断せず、できるだけ温度を低く保つことが大切です。
CPU温度が上がる主な原因
温度上昇の原因は、CPUだけでなく「周囲の環境」や「冷却の仕組み」にもあります。よくある原因を整理してみましょう。
1. ケース内のエアフローが悪い
吸気と排気のバランスが悪いと、ケース内に熱がこもります。
フロントから新しい空気を取り込み、リアや天面から熱を逃がす「空気の流れ」を意識することが大切です。
2. 冷却ファン・クーラーの性能不足
付属のリテールクーラーは静音性は高いものの、冷却力はあまり高くありません。
高性能CPUやゲーミング用途では、大型空冷クーラーや水冷クーラーの導入が効果的です。
3. サーマルグリスの劣化や塗りムラ
CPUとクーラーの間に塗られているグリスが劣化すると、熱伝導が悪くなります。
2年に1度程度は塗り直しを検討しましょう。正しい塗り方で、温度が5〜10℃下がることもあります。
4. 室温・設置場所
意外と見落とされがちなのが「室温」。
夏場やエアコンのない部屋では、室温が30℃を超えるだけでCPU温度も一気に上がります。
PCの周囲に風が通るスペースを確保することも重要です。
ゲーミングPCの冷却対策まとめ
ここからは、具体的にどんな方法でCPU温度を下げられるのかを紹介します。
1. ケースファンの見直し
- 吸気ファン：ケース前面や底面から冷気を取り込む
- 排気ファン：リアや上部から熱を逃がす
この2つの流れを意識するだけで、内部の温度は驚くほど安定します。
また、ホコリフィルターの掃除も忘れずに。目詰まりがあると空気が通らず、冷却性能が落ちます。
2. CPUクーラーを強化する
空冷クーラーならヒートパイプの本数が多いモデル、水冷なら240mm以上のラジエーターを選ぶのがおすすめ。
オーバークロックや長時間配信などを行うなら、水冷の方が温度を一定に保ちやすいです。
3. サーマルグリスを塗り替える
古いグリスは乾燥して熱伝導率が下がります。
塗り替えの際は、少量を中央に置いて均等に広がるよう圧着しましょう。グリスの種類によっては、数℃の改善が見込めます。
4. 室温管理と設置場所の工夫
エアコンで室温を下げるのは単純ですが効果的です。
また、PCを壁際や閉じたラック内に置くのは避け、風通しの良い場所に設置しましょう。
デスクトップだけでなく、ノート型ゲーミングPCの場合は冷却台の使用もおすすめです。
5. ファン制御のカスタマイズ
BIOSや専用ソフトで「ファンカーブ」を設定できます。
温度に応じてファン回転数を自動調整するようにすれば、必要なときだけしっかり冷却でき、静音性も保てます。
温度管理を習慣化しよう
冷却対策をしたら、それで終わりではありません。
定期的に温度をチェックして、異常があれば早めに対処するのがポイントです。
おすすめは「HWMonitor」「CoreTemp」「MSI Afterburner」などの無料ツール。
これらを使えば、CPUやGPUの温度をリアルタイムで確認できます。
ゲーム中に温度が急上昇しているなら、ケースファンが止まっていないか、ホコリが詰まっていないか、まずは物理的な部分を見直しましょう。
快適なゲーミング環境を維持するために
CPU温度は、PCの健康状態を示す“体温”のようなものです。
理想は「アイドル時40℃以下・高負荷時70℃前後」。
これを超えて80℃台が続くようなら、冷却環境の見直しが必要です。
温度を適切に管理すれば、ゲーム中のパフォーマンスも安定し、パーツの寿命も伸びます。
冷却は“地味だけど確実に効く”チューニング。少しの工夫で、あなたのゲーミングPCはもっと快適に動くはずです。
ゲーミングPCのCPU温度を見直して、最高のパフォーマンスを
最後にもう一度まとめます。
- アイドル時は30〜40℃、高負荷時でも70〜80℃が理想
- 90℃以上は危険信号。すぐに原因をチェック
- 冷却ファン・クーラー・グリス・室温・設置場所を見直す
- 定期的なメンテナンスと温度チェックで長寿命化
「最近、PCが熱い気がする…」と思ったら、それは見直しのサインです。
冷却環境を整えて、安心・快適なゲーミングライフを楽しみましょう。
