ゲームを快適に楽しむために欠かせないゲーミングPC。高性能なグラフィックボードやCPUを搭載しているぶん、気になるのが「電気代」ではないでしょうか。
この記事では、ゲーミングPCの電気代をわかりやすく解説しながら、月額の目安や節約のコツまでを詳しく紹介します。自分の使い方に合わせてコストを見直したい人は、ぜひ最後まで読んでみてください。
ゲーミングPCの電気代を知る前に押さえたい基本
まずは、そもそもどうやって電気代が決まるのかを整理しておきましょう。
基本的な計算式は次のとおりです。
「消費電力（W） ÷ 1,000 × 使用時間（h） × 電力単価（円／kWh）＝ 電気代（円）」
例えば、消費電力が300W（＝0.3kW）のPCを1時間使うと、
0.3kWh × 31円（全国平均の電気単価）＝約9.3円。
これを1日4時間使えば1日約37円、1か月でおよそ1,100円という計算になります。
このように、電気代は「どのくらいの電力をどれだけの時間使うか」で決まります。
ゲーミングPCは一般的なデスクトップPCに比べて消費電力が大きいため、使い方次第で電気代にも差が出やすいのです。
ゲーミングPCの平均的な電気代の目安
ゲーミングPCといっても構成はさまざま。CPUやGPUの性能、電源ユニットの効率、冷却方式などによっても消費電力は変わります。
以下はあくまで「平均的な目安」です。
- ライトゲーマー向けPC（消費電力：約200W）
1日3時間プレイ → 月額約560円前後。 - 中～上級者向けPC（消費電力：約300〜400W）
1日4〜5時間プレイ → 月額約1,000〜1,500円程度。 - ハイエンドゲーミングPC（消費電力：約500〜800W）
1日5〜6時間プレイ → 月額約2,000〜3,000円前後。
「電源ユニットの容量が大きい＝常にそのワット数を消費する」という誤解もありますが、実際は負荷によって消費電力が変動します。
たとえば500W電源を搭載していても、通常プレイ時は200〜300W程度で動作しているケースが多いです。
一般的なパソコンとの電気代の違い
一般的なビジネス用途のデスクトップPCの消費電力は、およそ100〜150W前後です。
同じ時間使っても、ゲーミングPCのほうが2倍前後の電気を消費することになります。
たとえば、一般PCなら月に700〜800円ほどの電気代で済むところを、ゲーミングPCだと月1,500円前後になることも珍しくありません。
とはいえ、ゲームプレイ以外の時間をスリープや省電力モードにすれば、差を小さくすることは可能です。
電気代が高くなる主な理由
ゲーミングPCが一般PCよりも電気を使う理由は、主に以下の5つです。
- 高性能CPU・GPUの稼働
最新の3Dゲームでは、描画処理に膨大な電力を使います。特にGPU（グラフィックボード）は最大200〜400W以上を消費することもあります。 - 長時間の連続使用
ゲームは1回のプレイ時間が長くなりがち。週末に何時間もプレイするような人は、それだけ電気代が積み上がります。 - 電源ユニットの効率
電源ユニットの変換効率が低いと、実際に必要な電力以上に消費してしまいます。「80PLUS Gold」など高効率モデルを選ぶと無駄が減ります。 - 冷却装置・照明効果
RGBライトや複数のファン、水冷ポンプなどが常時稼働する環境では、その分の電力も加算されます。 - 周辺機器の多さ
大型モニターやスピーカー、外部ストレージなどを複数つないでいると、それぞれの電力消費が積み重なります。
こうした要素が合わさることで、ゲーミングPCの電気代は一般PCより高くなる傾向があります。
実際の月額コストをシミュレーションしてみよう
より現実的なイメージをつかむために、3つの使用パターンでシミュレーションしてみましょう。
① 普通のプレイヤー（300W／1日3時間）
0.3kW × 3h × 30日 × 31円 ≒ 約837円
② ヘビープレイヤー（500W／1日6時間）
0.5kW × 6h × 30日 × 31円 ≒ 約2,790円
③ ストリーマーや動画編集者（600W／1日8時間）
0.6kW × 8h × 30日 × 31円 ≒ 約4,464円
このように、使用時間が長くなるほど電気代は一気に増えます。
「1日3時間」か「6時間」かで、月に2,000円以上の差が出ることもあります。
電気代を節約するための6つの方法
ゲーミングPCの性能を保ちながら、できるだけ電気代を抑えるコツを紹介します。
1. 電源設定を見直す
Windowsの「電源オプション」で「バランス」または「省電力」モードを選択するだけでも、無駄な消費電力を抑えられます。
特に軽作業時にはフルパワーが不要なので、ゲーム以外では省電力設定に切り替えておきましょう。
2. スリープとシャットダウンを使い分ける
短時間離席するときはスリープ、長時間使わないときはシャットダウンがおすすめ。
電源を入れっぱなしにしていると、知らないうちに何百円も無駄になります。
3. 電源ユニットの効率を上げる
「80PLUS Gold」の電源を選ぶことで、電力変換ロスを減らせます。
長期的に見ると、この違いが年間で数千円の節約につながることもあります。
4. GPUやCPUの電圧を調整する
「アンダーボルティング」と呼ばれる手法で、GPUの電圧を少し下げると消費電力を最大20〜30％抑えられる場合があります。
ただし、やりすぎると動作が不安定になるため、専門知識がある人向けです。
5. 周辺機器の電力を意識する
モニターや照明など、PC以外の機器も見直しましょう。
特に144Hzや240Hzなど高リフレッシュレートモニターは100W近く消費することもあります。
必要に応じて明るさを落とす、使用しない周辺機器は電源を切るなどの工夫が有効です。
6. 電気料金プランを比較する
家庭全体の電力使用量が多い場合、電気会社やプランを見直すのもおすすめです。
時間帯別プランやポイント還元のあるプランなど、自分のライフスタイルに合うものを選ぶとお得になります。
ゲーミングPCの電気代を抑えながら快適に遊ぶコツ
節電ばかりに気を取られると、せっかくの高性能PCを活かせません。
大切なのは「使うときはしっかり使い、使わないときは電力を抑える」こと。
オンとオフを切り替える習慣をつければ、快適さを損なわずに電気代を節約できます。
また、PC内部のホコリを定期的に掃除するのもポイント。
冷却効率が上がればファンの回転数が下がり、結果的に電力消費を抑えることができます。
ゲーミングPCの電気代はいくら？まとめと節約のポイント
最後にもう一度おさらいです。
- ゲーミングPCの電気代は、一般的に月500〜3,000円程度。
- 消費電力はPC構成や使用時間によって大きく変わる。
- 電源設定・使用時間・周辺機器の見直しで節約効果が期待できる。
- 電源ユニットの効率や電力プランをチェックするのも有効。
高性能なゲーミングPCは確かに電気を食いますが、正しく使えば無駄を減らすことができます。
遊びたいときに気兼ねなく電源を入れられるよう、日々の使い方を少しだけ意識してみてください。
「ゲーミングPCの電気代はいくら？」という疑問が解消され、あなたのゲームライフがさらに快適になりますように。
