スマートウォッチってもうずいぶん生活に溶け込んでいて、「通知が見られるだけで十分」という人も多いかもしれません。でも、手首の上のAIがここまで頭が良くなると、ちょっと話が変わってきますよね。
今回は、Googleの生成AI「Gemini」を搭載したスマートウォッチで何ができるのか、どんな機種を選べばいいのか、実際に使う人の目線でじっくり見ていきましょう。
スマートウォッチにGeminiがやってきた意味
そもそも「スマートウォッチにGeminiが入ると何が嬉しいの?」というところから話を始めたいと思います。
従来のGoogleアシスタントは、ひとつひとつ命令を区切って話しかける必要がありました。「タイマー5分」「明日の天気は?」というふうに、単発のやりとりが基本だったんです。
Geminiはそこがまったく違います。人間同士の会話のように、前の質問をちゃんと覚えていて、話がつながるんですよね。たとえば「今週末に友達と代官山でランチするんだけど、おすすめのお店は?」と聞いて、返ってきた答えに対して「その中でペット可のところは?」と続けられる。いちいち言い直さなくていいのは、画面の小さなスマートウォッチではとくに助かるポイントです。
GmailやGoogleカレンダーとの連携も賢くなっていて、フライトの予約メールから「空港に何時に出発すればいいか」を逆算して教えてくれるような、パーソナルな提案もできるようになっています。
手首を上げるだけで話せる。Pixel Watch 4の新しい操作性
音声操作で地味に面倒だったのが、「OK Google」と呼びかけるひと手間。Pixel Watch 4ではこれが不要になりました。
口元に手首を近づけるだけでGeminiが起動して、そのまま話しかけられます。混雑した電車の中で「OK Google」って言うのはちょっと恥ずかしいですし、料理中に手が汚れていても口に近づけるだけで操作できるのは、想像以上に便利だと感じるはずです。
この機能、実はPixel Watch 4限定のもの。後継機種を検討しているなら、ここは大きな差になるかもしれません。
健康管理が「意味のあるアドバイス」に変わる
スマートウォッチの健康管理って、これまで数字を並べて「はい、こんなデータでしたよ」で終わることが多かったですよね。歩数、心拍数、睡眠スコア。数字だけ見せられても、「で、どうすればいいの?」と思った人は少なくないはず。
Geminiを活用したFitbit Personal Health Coachは、そこを変えようとしています。たとえばランニングの後に「前回より短い時間で高い負荷のトレーニングができていますね。持久力が上がっている証拠です」といった具合に、データを解釈してパーソナライズされたフィードバックをくれるんです。
心拍数や睡眠の傾向を長期的に見て、「最近ちょっと深い睡眠が減っているから、寝る前のスマホを控えてみませんか」みたいな提案までしてくれる。数字の羅列が「なるほど」と思える洞察に変わるのは、モチベーションの維持にもつながりますよね。
Gemini対応スマートウォッチの選び方
「じゃあ実際どれを買えばいいの?」という話に進みましょう。Gemini対応のスマートウォッチは、今のところ選択肢が絞られています。大きく分けて2つの本命があります。
すべてを詰め込んだPixel Watch 4
Google Pixel Watch 4は、Geminiをフル活用したい人にとって現時点でのベストな選択肢です。
Wear OS 6を搭載し、手首を上げる操作にも対応。ディスプレイは最大3,000ニトと屋外でもくっきり見える明るさで、チップにはSnapdragon W5 Gen 2を採用しています。動作のもたつきはほとんど感じないはずです。
バッテリーは2日間持続し、15分の充電で15時間使える急速充電にも対応。価格は約399ドルですが、セール時期には299ドル程度になることもあるので、タイミングを見計らうのも手です。
コスパで選ぶならGalaxy Watch 8
Samsung Galaxy Watch 8は、サムスンとして初めてGeminiを搭載したモデルです。価格は約289ドルと、Pixel Watch 4より手が届きやすいのが魅力。
睡眠分析を「sleep animal」というかわいいキャラクターで表現してくれる機能も独自性があります。パンダとかライオンとか、自分の睡眠タイプが動物で表示されるとちょっと愛着が湧きますよね。
Galaxyスマホとの連携はもちろんスムーズですが、他のAndroidスマホでも十分使えます。機能を厳選してコストを抑えたい人には、かなり有力な選択肢です。
Gemini搭載スマートウォッチを使う前に知っておきたいこと
購入前にひとつだけ、はっきりさせておきたいことがあります。Geminiをスマートウォッチでフル活用できるのは、現状ではAndroidユーザーに限られるという点です。
iPhoneと接続した場合、機能にかなり制限がかかります。通知の確認や基本的なフィットネス機能は使えても、Geminiの音声アシスタントやGmail連携などの高度な機能は動作しないと考えてください。「Apple Watchじゃなくてこっちを試してみようかな」と考えているiPhoneユーザーは、その点だけよく理解した上で選ぶのが大事です。
また、初代Pixel WatchでもOSをアップデートすればGemini自体は使えるようになります。ただ、手首を上げて話す操作は非対応ですし、処理速度の面でも最新モデルとは差が出ます。「とにかくGeminiの音声機能を試したい」という入門にはなりますが、体験の質を求めるなら素直に最新モデルを選んだほうが満足度は高いでしょう。
これからのスマートウォッチとGemini
スマートウォッチって、ここ数年はハードウェアの進化が落ち着いて、どれも似たようなものになってきた印象がありました。でも、GeminiのようなAIの搭載は、また違った次元の進化を感じさせます。
ただデータを表示するだけでなく、その人に合わせて意味を解釈してくれる。声を張り上げなくても自然な会話で操作できる。そういう「賢さ」の部分で、スマートウォッチの価値はもう一段上がりそうです。
もし今使っているスマートウォッチにちょっと物足りなさを感じているなら、Gemini搭載機種への買い替えは、十分に検討する価値のある変化だと思いますよ。

