「最近、オーディオテクニカのワイヤレスイヤホンがリコールになったらしい」──そんな噂を耳にして不安になった人も多いかもしれません。
実際、オーディオテクニカ(Audio-Technica)は2024年11月、人気モデルの一部でリコール(無償交換)を正式に発表しました。発煙や焼損の恐れがあるとして、安全のために交換対応を進めています。
ここでは、リコールの対象となっているモデル、発生している事象、そしてユーザーが取るべき対応方法をわかりやすく解説します。
使っているイヤホンが該当するかどうか、この記事を読めばチェックできます。
なぜリコール?発煙や焼損の恐れが判明
オーディオテクニカは、2024年11月15日に完全ワイヤレスイヤホン「ATH-SQ1TW2」の一部ロットについて、充電ケースの内蔵電池に不具合があると発表しました。
具体的には、充電時にケースが過熱し、まれに発煙・焼損する可能性があるとのこと。幸いにも現時点で人的被害や火災の報告はありませんが、製品の安全性に関わる問題のため、早急に交換を実施しています。
このような事象はリチウムイオン電池を使う製品ではまれに起こることがあり、特にイヤホンの充電ケースのように小型化が進む製品では、製造段階の微小な不具合でも熱暴走につながることがあります。
オーディオテクニカは「安全のため、対象ロットの充電ケースは直ちに使用を中止し、無償交換を受けてほしい」と呼びかけています。
対象となるモデルとロット番号を確認しよう
リコールの対象となっているのは、完全ワイヤレスイヤホン「ATH-SQ1TW2」シリーズの一部です。
このモデルは2023年に発売された四角いデザインが特徴の人気機種で、かわいいカラー展開でも注目されていました。
対象カラーは以下のとおりです。
- ATH-SQ1TW2 BK(ブラック)
- ATH-SQ1TW2 GR(グリーン)
- ATH-SQ1TW2 CA(カフェラテ)
- ATH-SQ1TW2 NRD(ネイビーレッド)
- ATH-SQ1TW2 PBW(ピンクブラウン)
- ATH-SQ1TW2 WH(ホワイト)
問題が発生したのは、「2322〜2426」の範囲に該当する製造ロットです。
充電ケースのふたを開けると内側に4桁の番号が記載されており、それがこの範囲に入っている場合は無償交換の対象となります。
なお、ロット番号の末尾に「B」が付いているものは改良版で、交換の必要はありません。
以前にも同様のケースがあり、2021年には「ATH-CK3TW」という別モデルでも発煙の恐れがあるとしてリコールが行われました。
こうした経緯からも、オーディオテクニカが安全対策を重視していることがうかがえます。
発煙リスクの具体的な内容
リコール対象製品の問題は、充電ケースのバッテリーセルまたは充電制御回路の一部に起因するものとされています。
使用中にケースが異常に熱を持ったり、焦げ臭い匂いがしたりするケースが確認されました。
メーカーは「発火・焼損の恐れがある」として警告を出していますが、あくまで“ごくまれ”な事例です。
ただし、リチウムイオン電池の不具合は事前に兆候が出ないこともあるため、該当製品を使用中の人はすぐに使用を中止したほうが安心です。
特に充電中に放置するのは危険です。机の上や布団の上など、可燃物の近くで充電するのは避けてください。
無償交換の申し込み方法と手順
リコール対象の「ATH-SQ1TW2」を持っている場合は、次の手順で無償交換の申し込みができます。
- 公式サイトで対象確認
オーディオテクニカ公式サイトのリコール専用ページにアクセスし、型番とロット番号を入力して対象かどうかを確認します。 - 申し込みフォームまたは電話窓口で申請
公式ページにある専用フォームから申し込みできます。電話での受付もあり、専用ダイヤル(0120-768-774)が設けられています。 - 交換用ケースの受け取りと返送
申請後、メーカーから新しい充電ケースが届きます。同梱されている返送用箱に古いケースを入れ、着払いで送り返します。
注意点として、イヤホン本体やケーブルは送らず、充電ケースのみを返送するようにとの案内があります。
この対応は無償で行われ、送料もすべてメーカー負担です。
ユーザー側の負担はほぼありません。
「自分は対象外だけど不安…」そんな時のチェックポイント
対象外のロットや別モデルを使っていても、充電ケースを扱うときに気をつけておくべきポイントがあります。
- 充電中にケースが熱くなりすぎていないか確認する
- 異臭、焦げ跡、変色があれば使用をやめる
- 高温になる場所(直射日光、車内など)では充電しない
- 就寝中や外出時の充電は避ける
- 純正ケーブル・純正電源アダプタを使う
このような基本的な注意を守るだけでも、発火や過熱のリスクはぐっと下げられます。
また、イヤホンを購入した際の保証書やレシートを保管しておけば、万が一の際の対応もスムーズです。
なぜこんなことが起きたのか?背景を読み解く
完全ワイヤレスイヤホンの普及が進む中で、各メーカーはより小型で軽量なデザインを追求しています。
その一方で、内部に高エネルギー密度のリチウムイオン電池を搭載するため、わずかな製造誤差や部品の不具合が安全性に影響を及ぼす可能性もあります。
オーディオテクニカの場合、問題が確認されたロットを特定して迅速にリコールを行ったことからも、品質管理の姿勢は真摯です。
製品そのものの品質よりも、こうしたリコール対応の早さや透明性がメーカーとしての信頼を支える要素になっています。
今後の対策とユーザーができること
オーディオテクニカは、リコールの発表と同時に再発防止策の強化を表明しています。
製造ラインの検査体制を見直し、バッテリー部品の選定や安全基準の再評価を進めているとのことです。
ユーザー側としては、次のような心がけが大切です。
- 製品購入後もメーカーの公式サイトやニュースリリースを定期的にチェックする
- ファームウェア更新や製品登録を済ませておく
- リコールや交換の情報が出たら早めに対応する
安全に使うための“情報のアップデート”が、これからの時代の必須スキルと言えるでしょう。
安心して音楽を楽しむために
オーディオテクニカのイヤホンは、音質の良さとデザイン性の高さで多くのファンに支持されています。
今回のリコールは残念なニュースではありますが、メーカーが責任をもって対応している点は評価すべきでしょう。
対象モデルを持っている人は、まず落ち着いて公式サイトを確認し、必要であれば無償交換の手続きを。
対象外だった人も、日常的に安全チェックを心がけてください。
トラブルを防ぎ、安心して音楽を楽しむために──。
リコール対応をきっかけに、イヤホンとの付き合い方を見直してみるのもいいかもしれません。
オーディオテクニカのワイヤレスイヤホンがリコール?対象製品と対応方法まとめ【まとめ】
今回のリコールは「ATH-SQ1TW2」シリーズの一部ロットに限定されたものですが、充電ケースの発煙リスクという重要な安全問題でした。
対象ロットを確認して該当する場合は、すぐに使用を中止し、メーカーの無償交換を受けましょう。
オーディオテクニカのように信頼あるブランドでも、不具合はゼロではありません。
大切なのは、情報を正しく把握し、安全に対応すること。
あなたのイヤホンライフを守る第一歩は、正確な情報から始まります。
