最近は「友だちや家族と同じ音楽や動画を一緒に楽しみたい」というシーンが増えましたよね。そんなときに便利なのが、ワイヤレスイヤホンを2台同時に接続する方法。
でも実際やってみると、「音が出ない」「片方しか繋がらない」といったトラブルも多く、仕組みを理解していないと意外と難しいものです。
この記事では、iPhoneとAndroidそれぞれでの2台同時接続のやり方を、できるだけわかりやすく紹介します。
対応機種や注意点、音ズレ対策などもまとめたので、これを読めばスムーズに共有再生ができるようになるはずです。
そもそもワイヤレスイヤホンは2台同時接続できるの?
まず前提として、Bluetoothの仕組みを少しだけ知っておくとスムーズです。
Bluetoothは、1つのデバイス(スマホなど)から1つのオーディオ機器(イヤホンなど)に音を送る仕組みが基本になっています。
この「1対1」が標準仕様のため、2台同時に接続するには、スマホやイヤホン側が特別な機能を持っていることが必要になります。
この機能は、メーカーやOSによって呼び方が違います。
- iPhoneやiPadなどApple製品では「オーディオ共有(Audio Sharing)」
- Androidでは主に「デュアルオーディオ(Dual Audio)」
つまり、どんなイヤホンでも2台同時に接続できるわけではなく、
「スマホが対応しているか」「イヤホンがその機能を受けられるか」がポイントです。
iPhoneでワイヤレスイヤホンを2台同時に接続する方法
iPhoneの場合、**Audio Sharing(オーディオ共有)**という機能を使います。
これはiOS 13以降の一部機種で利用可能で、AirPodsやBeats Studio BudsなどApple製イヤホンに最適化されています。
対応している機種・イヤホン
まず確認しておきたいのが対応機種。
以下の条件を満たしていることが前提です。
- iPhone 8以降、またはiPad Pro(第2世代以降)など
- iOS 13以上にアップデート済み
- AirPods、AirPods Pro、AirPods Max、Beats Studio Buds、Beats Fit Proなどの対応モデル
これらを満たしていれば、2台同時に音を共有できます。
接続手順
- 1台目のイヤホン(例:AirPods)を通常どおりiPhoneに接続。
- コントロールセンターを開き、再生中の音楽や動画の音源を確認。
- AirPlayのアイコン(波の出ているマーク)をタップ。
- 「オーディオを共有」または「Audio Sharing」を選択。
- 2台目のイヤホンをケースから出す、またはペアリングモードにする。
- 画面に「もう一方のイヤホンを接続」と表示されたら選び、共有を開始。
これで2人同時に同じ音を聴くことができます。
音量も個別に調整可能なので、片方がうるさく感じる心配もありません。
注意点
- 異なるブランド(例:AirPods+ソニー)では利用できません。
- 非対応イヤホンだと、Bluetoothは接続できても音が片方しか出ないことがあります。
- iOSのバージョンが古いと「オーディオ共有」の項目自体が表示されません。
Androidでワイヤレスイヤホンを2台同時に接続する方法
Androidスマホは、メーカーや機種によって操作方法が違いますが、
多くの端末で「Dual Audio(デュアルオーディオ)」という機能を使うことで2台同時接続が可能です。
特にSamsung(Galaxy)シリーズはこの機能が標準で搭載されています。
対応条件の確認
Dual Audioを使うには、以下の条件をチェックしましょう。
- スマホのBluetoothバージョンが5.0以上
- 「Dual Audio」や「メディア出力」機能が設定メニューにあること
- イヤホン2台が通常のBluetoothイヤホンとして動作すること
もしメニューに項目が見当たらない場合は、Androidのバージョンアップで追加されることもあるので、最新の状態に更新しておくのが安心です。
接続手順(Galaxyを例に)
- スマホの設定から「Bluetooth」を開き、1台目のイヤホンを接続。
- 2台目のイヤホンもペアリングして接続。
- 「Bluetooth詳細設定」または「Advanced settings」へ進む。
- 「Dual Audio」をオンにする。
- 通知バーを下ろして「メディア出力」画面を開き、接続中の2台を選択。
これでスマホから2つのイヤホンへ同時に音が送られます。
注意点とコツ
- 2台のイヤホンが異なるブランドだと音量や音質に差が出ることがあります。
- 動画視聴時には音ズレが起きる場合があるため、映画鑑賞よりも音楽再生に向いています。
- 機種によっては「Dual Audio」という名前ではなく、「オーディオ共有」や「メディア同時出力」と表示される場合もあります。
もし設定メニューにこの機能がない場合は、Bluetoothトランスミッターを使うのも一つの手。
イヤホンジャックやUSB-C端子に差して、2台同時送信できるモデルが市販されています。
マルチポイント機能との違いを理解しておこう
「2台同時接続」と聞くと、**マルチポイント(Multipoint)**と混同しがちですが、仕組みは別物です。
- マルチポイント:イヤホンが「2台のデバイス(例:スマホとPC)」に同時接続し、どちらの音も受け取れる機能。
- デュアルオーディオ/オーディオ共有:1台のスマホが「2つのイヤホン」に同じ音を送る機能。
つまり、今回は“音をシェアする”機能の話。
マルチポイントはあくまで「接続元を複数持つ」機能で、方向が逆です。
もし2台同時に接続できないときの対処法
「やってみたけど片方しか繋がらない…」という人も多いでしょう。
そんなときは、次の点を確認してみてください。
- Bluetoothを一度オフ→オン
接続情報がリセットされ、再認識されることがあります。 - イヤホンを再ペアリング
登録情報が古い場合、再設定するだけで改善することがあります。 - 片方ずつ順番に接続
2台同時にペアリングモードにすると、うまく認識されない場合もあります。 - ファームウェア更新
特にワイヤレスイヤホンは、メーカーアプリでアップデートが提供されていることがあります。 - 非対応の可能性を確認
iPhoneで他社製イヤホンを使っている、AndroidでBluetooth 4.2以下などは、そもそも仕様上難しいです。
それでもうまくいかない場合は、前述の外付けBluetooth送信機を利用するか、同ブランド・同機種のイヤホンを揃えるのがおすすめです。
今後の最新技術「LE Audio」や「Auracast」にも注目
Bluetoothの新規格「LE Audio(Low Energy Audio)」では、より効率的で高音質な通信が可能になります。
その中でも「Auracast」という機能は、1台のデバイスから複数のイヤホンへ同時に音を送る仕組みを標準化しています。
たとえば、スマホで再生している音楽を家族全員のイヤホンに同時配信する、という未来も近いかもしれません。
対応機器が増えれば、今よりずっと簡単に“音の共有”が楽しめるようになるでしょう。
ワイヤレスイヤホンを2台同時に接続する方法!iPhone・Android別に徹底解説
ここまで紹介してきたように、ワイヤレスイヤホンを2台同時に接続する方法は、
iPhoneとAndroidでやり方も条件も違うというのがポイントです。
- iPhone:Audio Sharingを利用。AirPodsやBeats Fit ProなどApple対応モデルが必須。
- Android:Dual Audio機能を利用。Bluetooth 5.0以上の対応端末が必要。
- 非対応端末でも、外付けBluetooth送信機を使えば2台同時出力が可能。
音のズレや接続の安定性はまだ機種によって差がありますが、対応製品が増えればより手軽に楽しめる時代が来ます。
2人で音楽や映画を共有したいとき、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
あなたのスマホとイヤホンでも、ワイヤレスイヤホンを2台同時に接続する楽しさを味わえるかもしれません。
