夜空に浮かぶ美しい月。
肉眼では「わぁ、キレイ!」と思わず声が出るような満月なのに、いざiphoneで撮ろうとしたら……あれ?なんか豆粒みたい。しかも白くボヤッとしてる。クレーターどこいった?
そんな経験、きっと誰にでもあるはず。
でも実は、ちょっとした設定といくつかのコツを知るだけで、iphoneでも「え、これスマホで撮ったの?」って思われるような月の写真が撮れちゃいます。
今回は、手持ちのiphoneだけで今すぐ試せる基本テクニックから、ちょっと本気出して三脚やアプリを使いこなす方法まで、たっぷり7つの方法に絞って徹底解説していきます。
なぜiPhoneで月を撮ると白くボヤけるのか?
そもそも、なぜiphoneで月を撮ると、あんなに残念な感じになっちゃうんでしょうか?
理由はすごくシンプル。
「月が明るすぎるから」 です。
iphoneのカメラは、「全体的に明るく、バランスの良い写真を撮る」ように設計されています。だから、真っ暗な夜空にポツンと浮かぶ極端に明るい月を見ると、「周りが暗いなら、月に合わせて全体を明るくしよう!」とカメラが頑張りすぎちゃうんです。
その結果、月の明るさが飛び抜けてしまい、白くボヤッとした「白飛び」状態に。さらに、暗い場所だとどうしても手ブレもしやすくなるから、写真全体がボケてしまう、というダブルパンチが発生するわけです。
でも大丈夫。このメカニズムがわかれば、あとは対処するだけ。月の美しさをそのまま切り取る方法を、ステップバイステップで見ていきましょう。
【基本編】標準カメラアプリだけでOK!今すぐ試せる4つの方法
まずは、特別なアプリや機材がなくても、iphoneに最初から入っている「カメラ」アプリだけで完結する方法から。
1. 露出をグッと下げる
月撮影でいちばん最初に覚えるべき、そして最も効果的なテクニックがこれ。
- カメラを開き、画面の月をタップしてピントを合わせます。
- 黄色い枠の横に表示される「太陽マーク」を、指で下にスワイプしてみてください。
見えますか?画面がどんどん暗くなっていくのが。
この「露出補正」という作業で、月の明るさを肉眼で見た感じに近づけるんです。目安としては、-1.0から-2.0くらいまでグッと下げてみましょう。月の表面に、うっすらとクレーターの影が見え始めたら成功です。
2. AFロックで設定をキープする
露出をいい感じに調整できたら、その設定を「固定」しちゃいましょう。
月を長押しすると、画面の上部に「AE/AFロック」と表示されます。これでピントと露出がロックされるので、シャッターボタンを押すときに設定が変わってしまう心配がなくなります。
3. 手ブレを徹底的になくす
月は思っているより速く動いています。しかもiphoneで大きく撮ろうとすればするほど、ほんの少しの手ブレが大惨事を引き起こします。
- 壁や柵に寄りかかる: 両肘を体に固定し、さらに何かに寄りかかると安定感が増します。
- タイマーを使う: シャッターボタンを押す瞬間の「プルッ」とした振動をなくすには、タイマー撮影(3秒か10秒)が効果的。
- 音量ボタンを活用する: 有線のイヤホンを挿しているなら、イヤホンの音量ボタンをシャッターとして使えます。本体に触れずに撮影できるので、これも手ブレ防止に◎。
4. 夜景モードはオフが基本(ただし例外あり)
iphoneの強力な「夜景モード」。暗い場所を明るく撮影するには欠かせない機能ですが、月撮影においては諸刃の剣です。
夜景モードは数秒かけて複数の写真を合成するため、動いている月はブレて写ってしまいます。基本は、画面左上の夜景モードアイコン(月マーク)をタップして「オフ」にするのがおすすめ。
どうしても明るさが足りないと感じる場合は、撮影時間が1〜3秒以内に収まるように調整しましょう。
【ちょっと本気編】ワンランク上の月写真を撮る3つの方法
「もっと大きく!」「もっとクレーターまでクッキリ!」という欲が出てきたら、次のステップへ進んでみましょう。
5. スマホ用望遠レンズをつけてみる
iphoneのデジタルズームは、大きくすればするほど画質が荒れてしまいます。そこで活躍するのが、クリップで留めるタイプの「スマホ用望遠レンズ」です。
数千円で買える手軽さながら、光学ズームのような感覚で月をグッと引き寄せることができます。
注意点としては、レンズを付けると光量が落ちるため、三脚の使用がほぼ必須になること。そしてピント合わせがシビアになるので、AFロックを駆使してじっくり撮影しましょう。
6. 天体撮影アプリの力を使う
もっと本格的に設定をコントロールしたいなら、撮影アプリの導入がおすすめです。
NightCap Camera(有料)
月撮影に特化した「Moon Mode」を搭載。モードを選ぶだけで、露出やISO(感度)を自動で最適化してくれます。シャッター速度やISOをマニュアルで細かく設定することも可能です。
(設定の目安:ISO 30〜50、シャッター速度 1/125秒〜1/250秒くらいから試してみてください。)
Adobe Lightroom(無料)
こちらはRAW形式で撮影できるのが大きな魅力。RAWで撮っておけば、撮影後にパソコンやアプリで「現像」する際に、白飛びを抑えたり、細部を復元したりと、圧倒的に編集の幅が広がります。
7. 連写&比較明合成にチャレンジ
大気の揺らぎは、月撮影の大敵です。空気の影響で月がユラユラと揺れて見えるため、どうしてもピントが甘くなりがち。
そんな時に試したいのが、この上級者テクニック。
- 三脚に固定して、月を連写(バースト撮影)モードで数十枚、いや百枚単位で撮影します。
- パソコンや専用アプリを使って、撮影した写真の中からピントの合っている部分だけを合成する「比較明合成」という処理を行います。
手間はかかりますが、この方法で仕上げた月の写真は、クレーターの一つ一つが針でついたようにシャープ。まさに「プロの仕事」と呼べる一枚になります。
写真がもっと上手くなる!撮影前に知っておきたい3つの知識
テクニックだけじゃない。ちょっとした「知識」があるだけで、成功率はグッと上がります。
知識1:月の満ち欠けと撮影タイミング
満月は確かにロマンチックですが、実は写真映えという観点で言うと、ちょっと注意が必要です。満月は太陽の光を真正面から受けるため、影ができず、クレーターの凹凸が非常に写りにくいんです。
陰影をくっきり楽しみたいなら、上弦の月(右半分が明るい半月)や下弦の月(左半分が明るい半月) のほうがおすすめ。太陽の光が斜めから当たるため、クレーターの影がくっきりと浮かび上がります。
知識2:「月の出」直後を狙え
月が昇ってきた直後は、月が地平線近くにあります。この時間帯のメリットは2つ。
- 月が大きく見える(目の錯覚効果)。
- 街のシルエットや建物と一緒に撮影できる。
遠くのビルや山の上に浮かぶ大きな月は、それだけで物語性のある一枚になります。スマホアプリで「月の出」の時間を調べて、計画的に撮影に出かけてみるのも楽しいですよ。
知識3:大切なのは「引き算」の構図
月はそれ自体が主役なので、構図はシンプルであればあるほど引き立ちます。
- 月を真ん中に置く「ど真ん中構図」も良いですが、少し端に寄せる「日の丸構図」にして、広い夜空を入れるのもオシャレ。
- 余計な電線や看板が写り込まないように、場所を少し移動するだけでも写真のクオリティは変わります。
まとめ:今夜、ベランダで試してみよう
さて、ここまでiphoneで月をキレイに撮る方法を、基本のテクニックからちょっとマニアックな方法までたっぷり7つ、お届けしました。
もう一度、今日の最重要ポイントをおさらいしておきましょう。
- 露出を下げる! 太陽マークを下にスワイプ。
- ピントと露出をロックする! AF/AEロックを忘れずに。
- 手ブレをなんとかする! 三脚か、壁に寄りかかれ。
- タイミングと構図も大事! 半月や月の出を狙ってみよう。
最初から完璧を目指す必要はありません。まずは今夜、ベランダや窓辺から、肉眼で見える月に向かってiphoneを構えてみてください。
最初の一枚は豆粒だったとしても、露出をグッと下げた二枚目には、うっすらとクレーターの影が見えるかもしれません。その小さな成功体験が、次のチャレンジへの意欲に繋がります。
あなただけの、最高の一枚が撮れることを願っています。
素敵な月撮影ライフを!
