デスクの上がごちゃついてきたとき、ふと気づくのが「PC本体が意外と場所を取っている」という事実。最近は高性能でコンパクトな「ミニPC」が人気ですが、せっかくの小型サイズを活かせていない人も多いのではないでしょうか。
今回は、ミニPCをすっきり収納しながらデスク周りを省スペース化するための最新アイデアをまとめました。デスク下、壁掛け、モニター裏など、限られた空間を快適に使うための実践的な工夫を紹介します。
ミニPC収納が注目される理由
在宅ワークやテレワークが定着し、作業環境を整えたいと考える人が増えています。特にワンルームや書斎のような小スペースでは、机の上や床の「空間効率」が重要です。
ミニPCはその点で理想的な選択肢。小型フォームファクター(SFF)と呼ばれる設計で、手のひらサイズにも関わらず十分な性能を発揮します。
ただし、サイズが小さい分「どこに置くか」で印象も使い勝手も大きく変わります。床に置くとホコリを吸いやすく、机の上では圧迫感が出る。
だからこそ、ミニPCを“うまく収納する”ことが省スペース化のカギになるのです。
デスク下に固定して床を広く使う
一番人気なのが「デスク下マウント」方式。机の裏や脚部分に金具を取り付けて、ミニPCを吊るように設置します。
Amazonなどでも「Under Desk PC Mount」として専用ホルダーが数多く販売されています。
デスク下設置のメリットは、なんといっても床スペースが広くなること。足元がすっきりするだけで、部屋全体が広く見える効果もあります。
また、掃除機をかけやすくなり、ホコリの蓄積を防げるのも嬉しいポイントです。
設置のコツは以下の通りです。
- 天板の厚みと強度を確認する(特に安価な机では補強が必要)
- 排熱を確保できるよう、壁や天板に密着させすぎない
- 前面USBポートのアクセスを考えて、位置を調整する
- ケーブルはトレーやダクトでまとめて机裏に固定する
取り付け自体はクランプ式やネジ式などさまざま。賃貸の場合は、傷をつけない「両面ストラップ式」がおすすめです。
壁掛け&モニター裏で完全に見えない収納を
デスク下よりさらに“見せない収納”を目指すなら、壁掛けやモニター裏設置が有効です。
最近ではVESAマウント対応のミニPCも多く、モニター背面のネジ穴を利用して本体を固定できます。まるで一体型パソコンのような見た目になるのが魅力。
壁掛けも人気の方法。PC本体を壁に直接取り付ければ、デスク上も足元も完全にフリー。
部屋をスッキリ見せたい人、ケーブルを隠したい人に向いています。
ただし注意点もあります。
- 壁材の強度(石膏ボードや合板など)を確認し、適切なアンカーを使用する
- 排熱を妨げないよう、壁から数センチは空ける
- モニター裏設置の場合は、モニターの重量や可動範囲も考慮する
VESAマウントや壁掛けブラケットは、滑り止めやゴムバンド付きのものを選ぶと安心です。
ケーブルを壁沿いに通す場合は、白い配線カバーを使うと見た目も整います。
“見せる収納”でデスクを演出する
収納といっても、すべてを隠す必要はありません。
最近は「見せる収納」という考え方も広がっています。ミニPCは小型でデザイン性の高いものが多いため、インテリアの一部として見せてもおしゃれです。
たとえば、木製シェルフの上にPCを置き、周囲に観葉植物やスピーカーを配置すれば、ナチュラルで落ち着いた印象に。
ゲーミング環境ならRGBライトを活かして、照明と組み合わせた「魅せるデスク」にするのもアリです。
見せる収納を成功させるポイントは3つ。
- PC周囲に余白をつくり、圧迫感を避ける
- ケーブルは必ずまとめる(黒・白・グレーなど色を統一)
- ホコリ対策を兼ねて定期的に掃除する
「隠す」「見せる」どちらを選ぶかは、作業スタイルや部屋の雰囲気次第。
自分のデスクを“整える”意識を持つと、作業効率も集中力も変わってきます。
便利な収納アクセサリ・製品例
収納をスムーズに実現するための便利グッズも数多く登場しています。
ここでは代表的なものをいくつか紹介します。
- デスク下マウントホルダー:4,000円前後。クランプ式やネジ固定式があり、PCを天板裏に吊るせる。
- FlexiSpot CH1 PCスタンド:壁掛け・卓下両対応モデル。金属製で耐荷重も十分。
- SilverStone SST-PT13B:超薄型Mini-ITX対応ケース。狭い空間に最適。
- Cooler Master MasterFrame 600:フレーム構成で壁掛けにも応用できる高汎用モデル。
どの製品も“省スペース設計”を意識しており、配線の整理・冷却効率の確保なども考慮されています。
選ぶ際は、PCの重量・サイズ・取り付け場所を必ず確認しましょう。
収納レイアウトのチェックポイント
ミニPC収納は“置き方”より“バランス”が大事です。特に以下の3点は要チェック。
1. 重量と固定強度
PC本体が軽量でも、金具やケーブルを含めると1〜3kgになる場合も。
机の材質(合板・集成材・メラミンなど)によってはネジが効きにくいこともあるため、補強プレートを使うのが安心です。
2. 排熱と通気性
小型PCは高性能ゆえに熱がこもりやすい構造。壁掛け・机下設置では特に風の通り道を意識しましょう。
吸気・排気口をふさがない、ファンの近くに障害物を置かない、という基本が大切です。
3. ケーブルの整理と可動性
見た目だけでなく、使いやすさも収納の一部。
よく使うUSBポートが奥に隠れてしまうと、かえって不便になります。
ケーブルバスケットや面ファスナーを併用して、配線の取り回しを整えましょう。
よくある失敗とその回避策
実際に設置してから「こうしておけばよかった」と後悔するケースも少なくありません。
ありがちな失敗とその対策を紹介します。
- 机の強度不足:天板が薄く、クランプが沈む。→金属プレートや補強板を挟む。
- 熱こもり:壁と本体が密着。→5cmほど隙間を空けて通気を確保。
- ケーブルが床に垂れる:見た目が悪くホコリも溜まる。→ケーブルダクトで机裏に沿わせる。
- アクセスしづらい位置に設置:USBを抜き差ししづらい。→頻度の高い端子は延長ケーブルを活用。
収納は見た目だけでなく、使い勝手やメンテナンス性も含めた“トータル設計”が大切です。
これからのミニPC収納トレンド
今後は、ミニPCとモニターアーム、ケーブル管理グッズを組み合わせた「一体型デスク構成」が主流になりそうです。
省スペースかつ配線を極力見せない設計が好まれ、ワークスペースの“見た目”への意識が高まっています。
また、DIYで自分だけの収納を作る人も増えています。100円ショップのアイテムを使ってPCを吊るしたり、木製プレートを加工して壁掛けしたりと、創意工夫の幅は無限です。
「限られた空間でも快適に作業する」というテーマが、今後のデスク環境づくりのトレンドになるでしょう。
ミニPCをすっきり収納して、自分らしい空間へ
ミニPCの魅力は、小ささと柔軟さにあります。
机の上、下、壁際、モニター裏――どこにでも設置できる自由度があるからこそ、収納の工夫次第で作業環境が大きく変わります。
デスク下で足元を広くするのもよし。壁掛けで完全に隠すのもよし。
大切なのは、「見た目」「使いやすさ」「メンテナンス性」のバランスを取ることです。
小さなPCだからこそ、空間を最大限に活かす発想が活きてきます。
今日からあなたのデスクにも、“すっきりとした省スペースな収納”を取り入れてみませんか?

