最近、コンパクトなデスクトップ「ミニPC」が急速に人気を集めています。デスクの上に置いても邪魔にならず、静音で省電力。それでいてパワフルな処理能力を持つ――そんな理想のバランスを求める人が増えているからです。
中でも注目なのが、AMDの「Ryzen7」シリーズを搭載したミニPC。8コア16スレッドという高性能CPUを小さなボディに詰め込んだモデルは、ゲームも動画編集も快適にこなせます。今回は、そんなRyzen7搭載ミニPCの中から、性能・拡張性・コスパの三拍子がそろったおすすめモデルを8つ厳選して紹介します。
ミニPCにRyzen7が注目される理由
Ryzen7はAMDの中でも中上位クラスに位置づけられるプロセッサです。
最大8コア16スレッドで、マルチタスクや高負荷な処理をサクサクこなせるのが魅力。デスクトップ級の性能を持ちながら、ノートPC向け省電力チップも多く、ミニPCにぴったりの存在です。
さらに、内蔵GPU「Radeonグラフィックス」も優秀。軽めの3Dゲームや動画編集なら外部GPUなしでも十分楽しめるレベルに達しています。
たとえば、Ryzen7 7840HSや8845HSといった新世代モデルでは、Radeon 780Mという統合GPUが搭載されており、フルHDゲーミングも快適です。
つまり「小型で省スペース、でもパワフル」という理想的な構成を実現できるのがRyzen7搭載ミニPCなのです。
購入前にチェックしたいポイント
1. CPU世代の違いを理解しよう
Ryzen7といっても世代によって性能は大きく異なります。
たとえば「Ryzen7 5825U」はZen3世代、「Ryzen7 7735HS」は改良版のZen3+世代、「Ryzen7 8845HS」は最新のZen4アーキテクチャを採用。
ゲームや動画編集を重視するなら、なるべく新しい世代を選ぶのがおすすめです。特にRyzen7 7840HS以降は、AI処理用の「Ryzen AI」も搭載しており、今後のソフトウェア対応にも強みがあります。
2. GPU性能と冷却のバランス
ミニPCはサイズが小さい分、冷却能力に限界があります。
そのため、GPU性能が高いモデルほど発熱対策が重要。レビューでも、Ryzen7 7840HS搭載機が80℃を超える温度で安定動作しているなど、冷却設計の巧拙が性能維持に大きく関わることがわかっています。
購入時には、ファン構造やエアフロー設計、静音性などもチェックしておきましょう。
3. 拡張性とインターフェース
ミニPC選びで意外と差が出るのが拡張性です。
メモリやSSDが交換可能か、USB4やHDMI、DisplayPortなどの出力端子が豊富かどうかもポイント。
中には「OCuLinkポート」や「USB4」で外部GPU(eGPU)を接続できるモデルもあり、後から性能を拡張できる柔軟さがあります。
4. 価格と用途のバランス
Ryzen7搭載ミニPCの価格帯はおおむね5万円〜10万円台。
ゲームや動画編集など高負荷作業を想定するなら7万円以上のモデルが安心ですが、オフィス用途や軽めの動画編集なら5万円台でも十分な性能が得られます。
「何に使うか」を明確にした上で、スペックと価格のバランスを見極めるのが大切です。
Ryzen7搭載ミニPCおすすめ8選
ここからは、実際に評価が高く、コスパや使い勝手にも優れた8機種を紹介します。
1. Beelink SER8(Ryzen7 8845HS)
最新世代のRyzen7 8845HSを搭載。8コア16スレッド・最大5.1GHz動作で、ミニPCながら非常に高い処理性能を誇ります。
冷却性能も優れており、長時間のゲームプレイでも安定。USB4ポートや2.5GbE LANなど、拡張性も万全です。
デザインもシンプルで、デスクに置いてもスマート。最新環境で快適に使いたい人におすすめです。
2. MINISFORUM UM870 Slim(Ryzen7 8745H)
コンパクトながら、Ryzen7 8745HとRadeon 780Mを搭載。デュアルM.2スロットでストレージの増設も容易です。
USB4ポートも備えており、外部GPUをつなげばより強力なゲーミングマシンに変身します。
冷却構造も優秀で、長時間稼働でも熱がこもりにくいのがポイントです。
3. ACEMAGIC W1(Ryzen7 8745HS)
デザイン性と静音性を両立したモデル。普段使いからゲーム、配信まで幅広くこなせます。
金属製ボディによる放熱効果も高く、負荷をかけても安定したパフォーマンスを維持。
HDMI×2+USB-C出力でマルチモニターも簡単に構築可能です。
4. BOSGAME M1(Ryzen7 7840HS)
Radeon 780Mを搭載し、1080pゲーミングに強い人気機種。
ベンチマークではフルHD中設定で多くのゲームが60fps前後で動作する実力派。
メモリがデュアルチャンネル構成のため、グラフィック性能をしっかり引き出せます。
「ゲームも仕事もこれ1台で」という人に最適です。
5. GEEKOM A5(Ryzen7 5825U)
手頃な価格でRyzen7ミニPCを試したい人にぴったり。
日常作業や軽い編集作業ならストレスを感じない性能で、コスパの良さが魅力です。
32GBメモリ・1TB SSDモデルも選べるなど、拡張性も十分。
6. GMKtec M5 Plus(Ryzen7 5825U)
価格重視のユーザー向けモデル。
コンパクトで静音性も高く、サブマシンやリビング用PCにもおすすめ。
HDMI×2出力に対応しており、デュアルディスプレイ環境も簡単に構築できます。
7. Chuwi AuBox 8745(Ryzen7 8745HS)
USB4・HDMI2.1・DP1.4・2.5GbE LANと豊富な端子を備えた高機能モデル。
クリエイティブ用途やマルチモニター環境に強く、映像編集やビジネスにも向いています。
価格と装備のバランスが良く、オールラウンダー的な一台です。
8. HP Elite Mini 805 G8(Ryzen7 5700GE)
大手メーカー製ならではの安心感。
法人利用を想定した堅牢設計で、安定性・サポート体制がしっかりしています。
ゲーミング用途よりもビジネス利用を重視したい人に最適です。
ミニPCのメリットと実際の使い心地
Ryzen7搭載ミニPCを使う最大のメリットは「小さいのに速い」こと。
一般的なタワー型デスクトップの半分以下のスペースで設置でき、しかも起動も静か。
リビングや寝室でも気軽に使えます。
また、VESAマウント対応モデルなら、モニターの裏に取り付けて“見えないPC”として使うことも可能です。
消費電力も少なく、長時間つけっぱなしでも電気代が抑えられるのも嬉しいポイント。
一方で、内部のカスタマイズ性はやや制限されるため、購入前に「どこまで拡張したいか」を確認しておきましょう。
どんな人におすすめ?
- 省スペースでも性能を妥協したくない人
ワンルームやデスク周りが狭い人でも快適に使えます。 - 仕事もゲームも1台で済ませたい人
Ryzen7の8コアパワーで、ビデオ会議しながら動画エンコードも余裕。 - コスパ重視でデスクトップ性能を求める人
10万円以下で、かつデスクトップ級の処理能力を得たい場合に最適です。
まとめ:Ryzen7搭載ミニPCで快適なPCライフを
Ryzen7搭載ミニPCは、まさに「小型化と高性能の理想的な融合」。
最新世代のRyzen7 7840HSや8845HSでは、内蔵GPU性能も飛躍的に向上し、ライトゲーミングから動画編集まで快適にこなせます。
静音・省スペースで設置も簡単。デザインも洗練されているため、リビングやオフィスにも自然になじみます。
これからPCを買い替えるなら、“デスクトップでもノートでもない第三の選択肢”として、Ryzen7搭載ミニPCを検討してみてはいかがでしょうか。
省スペースでも妥協しない、高性能な1台がきっと見つかるはずです。
