スマートフォンの充電が切れそうなときに、空港や機内で慌てた経験はありませんか?「充電器を忘れた!」「コードが壊れた!」そんな緊急事態に備えて、航空会社によっては充電器の貸し出しを行っているケースがあります。
この記事では、特にANA(全日本空輸)を利用する際に気になる「充電器の貸し出しサービス」について、その実態と賢い充電対策を詳しくご紹介します。旅行の準備を万全にするためのポイントをわかりやすく解説していきますので、ぜひ最後までお読みください。
ANAで充電器は借りられる?サービスの真実
まず、気になるANAの充電器貸し出しサービスについて、結論からお伝えします。
結論を一言でいうと、ANAでは一般のお客様向けに充電器(アダプター)や充電ケーブルを貸し出す公式サービスは提供されていません。客室内での電源トラブルなど、ごく限られた特別な状況で乗務員が個別に対応するケースはあるかもしれませんが、サービスとして常設されているものではないことを理解しておく必要があります。
では、なぜそのようなサービスが一般的でないのでしょうか?主な理由は以下の通りです。
- 衛生面と安全面の配慮:不特定多数の方に同じ充電器を貸し出す場合、清掃や消毒を徹底する必要があります。また、故障した充電器による発熱や発火のリスクを管理する負担も考慮されています。
- 需要とコストのバランス:すべてのお客様に充電器を準備することは物理的にもコスト的にも現実的ではありません。特に国際線では世界中で使用される様々な規格の充電器に対応する必要があります。
- 自己責任の原則:航空会社では、お客様自身が必要なものをご準備いただくことが基本となっています。これは、お薬やアレルギー対応食など、個人に合わせた特別なニーズについても同様の考え方が適用されています。
つまり、ANAを利用する際は、「充電器は自分で準備する」という前提で旅行計画を立てることが大切です。次に、ANAの機内で実際にどのように充電できるのかを見ていきましょう。
ANA機内での充電方法完全ガイド
充電器の貸し出しサービスがなくても、安心してください。ANAの多くの機材では、お客様自身が持参した充電器やケーブルを使って充電できる設備が用意されています。主に2つの方法がありますので、順番に確認していきましょう。
シート電源コンセントの利用
これは、ノートパソコンなど比較的大きな機器の充電にも使える本格的な電源コンセントです。機種や座席クラスによって利用可否が異なりますので注意が必要です。
国際線のほぼすべての機材では、プレミアムクラス(ファーストクラス、ビジネスクラス)の全席に、通常はAC100Vに対応したコンセントが設置されています。エコノミークラスでも、比較的新しい機材では前のめの席など一部の座席に設置されていることがあります。
国内線の場合は、新しい機材を中心に、プレミアムクラスの座席に設置されているケースが増えています。利用する際は、持参した充電アダプターをコンセントに差し込み、そのアダプターにご自身のデバイスを接続します。コンセントの形状(Aタイプなど)は事前に確認しておくと安心です。
USBポートの利用
スマートフォンやタブレットなど、比較的消費電力が少ない機器の充電には、こちらのUSBポートが便利です。
多くの最新機材では、エンターテインメント画面の裏側や肘掛けの下などにUSB-Aポートが設置されています。ここにご自身の充電ケーブルを接続するだけで、手軽に充電を開始できます。
ただし、USBポートからの出力はACコンセントに比べると小さいため、充電速度はやや遅めです。また、全ての座席に設置されているわけではありませんので、事前の確認が肝心です。
このように、機内で充電すること自体は可能ですが、肝心の充電器やケーブルはご自身で準備する必要があります。次に、持ち込みの際に特に注意が必要な「モバイルバッテリー」について、最新のルールを確認しておきましょう。
必須知識!モバイルバッテリーの機内持ち込み最新ルール(2025年・2026年)
充電切れ対策の強い味方となるモバイルバッテリーですが、航空機内への持ち込みには厳格な安全規制が適用されます。2025年7月以降、国土交通省の指導によりルールがさらに厳格化されましたので、最新情報をしっかり押さえておきましょう。
このルールはANAに限らず、日本発着のすべてのフライトで適用される共通ルールです。
容量による個数制限の確認
モバイルバッテリーの容量は「Wh(ワット時)」で表示されています。もし「mAh(ミリアンペア時)」しか表示されていない場合は、次の簡単な計算式でWhを求めることができます。
Wh = mAh × V(電圧) ÷ 1000
多くのモバイルバッテリーの電圧は3.7Vですので、例えば20,000mAhの場合は、20,000 × 3.7 ÷ 1000 = 74Wh となります。
この容量に応じて、持ち込み可能な個数が次のように制限されています。
- 100Wh以下の場合:個数制限はありません(常識的な範囲内で)。一般的な容量である5,000mAh〜20,000mAh(約18Wh〜74Wh)の製品のほとんどがこの範囲に収まります。
- 100Whを超え160Wh以下の場合:お一人様2個まで持ち込みが可能です。Anker PowerCore 30000のような大容量のモバイルバッテリーが該当します。
- 160Whを超える場合:航空機内への持ち込み、および預け入れ荷物への収納は全面禁止です。
最も重要な新ルール:機内での保管場所
2025年7月8日以降、特に重要な変更点は「機内でのモバイルバッテリーの保管場所」です。
従来は手荷物の中に入れておけば良かったのですが、新しいルールでは、座席上の収納棚(オーバーヘッドビン)にモバイルバッテリーを置くことが禁止されました。
その代わり、モバイルバッテリーは座席ポケットに入れるか、足元の床に置くなど、常に自分の目が届き、状態を確認できる場所に保管しなければなりません。これは、万一発熱や異常が発生した場合に、すぐに対応できるようにするための安全対策です。
守らないと搭乗拒否も!基本的なルール
その他にも、絶対に守るべき基本ルールがあります。
まず、モバイルバッテリーを預け入れ荷物に入れることは、国際的に全面禁止されています。必ず手荷物として機内に持ち込んでください。
また、モバイルバッテリーの出力端子が金属などに触れてショートするのを防ぐため、テープで保護するか、専用のケースや袋に入れて持ち運びましょう。製品に貼られている容量表示のラベルが剥がれていると、保安検査で没収される可能性がありますので注意が必要です。
プロが教える!充電切れを防ぐ旅行前の最終チェックリスト
ここまでで、ANAでの充電環境とモバイルバッテリーのルールについて理解できたかと思います。最後に、実際の旅行前に行うべき具体的な準備ステップを、チェックリスト形式でまとめました。出発前に、ぜひこのリストを確認してみてください。
ステップ1:搭乗便の機内設備を事前確認
まずは、ANAの公式ウェブサイトで、お乗りになる便の「機材情報」をチェックしましょう。機種によって、また座席クラスによって、利用できる電源設備が異なります。
「AC電源コンセントあり」「USBポートあり」などの表示を確認し、自分の座席でどのような充電が可能か事前に把握しておきます。最新の機材情報はフライトの数日前に確定することが多いので、出発直前にもう一度確認するのがおすすめです。
ステップ2:必要な充電機器をリストアップして準備
確認した機内設備に合わせて、必要な充電機器をリストアップします。
スマートフォン、タブレット、ノートパソコンなど、持って行くすべてのデバイスに対応した充電ケーブルを準備します。ACコンセントを使用する場合は、対応するアダプターも忘れずに。海外旅行の際は、渡航先のコンセント形状に対応した変換プラグが必要になることもあります。
ステップ3:モバイルバッテリーの容量と表示を確認
持参するモバイルバッテリーの容量(Wh)を計算し、前述の航空ルールに適合していることを確認します。
容量表示のラベルが剥がれていないか、端子は保護されているかもチェックポイントです。念のため、保安検査場でスムーズに通過できるように、モバイルバッテリーは手荷物の中でもすぐに取り出せる場所に入れておきましょう。
おすすめのモバイルバッテリー
旅行に持って行くモバイルバッテリーを選ぶ際は、容量とサイズのバランスが大切です。以下に、人気で信頼性の高い製品例をご紹介します。
- 小型・軽量タイプ(短時間の充電向け):Anker PowerCore 10000は、スマートフォン約2回分の充電が可能で、非常にコンパクト。ポケットに入れておける軽さです。
- スタンダードタイプ(1日分のバックアップ向け):Anker PowerCore 20000は、スマートフォン約4〜5回分の充電が可能な万能サイズ。多くの旅行者に支持されています。
- 大容量タイプ(長時間の外出や複数デバイス向け):先ほども触れたAnker PowerCore 30000は、ノートパソコンやタブレットの充電もサポートするパワフルなモデルです。
ステップ4:空港での充電スポットを下調べ
機内での充電に加えて、空港内での充電スポットも確認しておくと安心です。
搭乗手続き前のロビー、保安検査後のゲートエリア、ラウンジなど、空港内には多くの充電スタンドやコンセントが設置されています。特に乗継時間が長い場合は、これらのスポットを活用すれば、十分に充電を確保することができます。空港のウェブサイトやフロアマップで、主要な充電スポットの位置を事前にチェックしておきましょう。
充電ケーブルの選択と予備の重要性
最後に、意外と見落としがちなのが「ケーブル」です。機内や空港のUSBポートを使うには、当然ながらケーブルが必要です。また、ケーブルは破損しやすい消耗品でもあります。
必ず1本は携帯し、可能であれば予備のケーブルも別のバッグに入れておくことを強くお勧めします。例えば、iPhoneユーザーはAmazon Lightningケーブルを、USB-C対応のAndroidユーザーや最新のタブレットユーザーはAmazonベーシック USB-Cケーブルを準備しておくと良いでしょう。
まとめ:ANAの充電器貸し出しサービスと充電対策のポイント
いかがでしたか?この記事では、ANAの充電器貸し出しサービスの実態から、機内での充電方法、モバイルバッテリーの最新持ち込みルール、そして旅行前の準備チェックリストまで、充電切れに慌てないための対策を詳しくご紹介してきました。
繰り返しになりますが、ANAでは充電器の貸し出しサービスは提供されていません。そのため、ご自身で充電機器を準備することが旅行計画の基本となります。
特に2025年7月以降の新しいルールでは、モバイルバッテリーをオーバーヘッドビンに置くことが禁止されるなど、安全規制が強化されています。ルールを守らずに持込みを試みると、保安検査で没収されたり、最悪の場合搭乗を拒否されたりする可能性もありますので、最新情報の確認は欠かせません。
大切なのは、「もしも」に備えた準備です。機内設備の事前確認、必要な機器の準備、モバイルバッテリーのルール順守、空港での充電スポットの把握——これらのステップを一つ一つ踏むことで、充電切れのストレスから解放され、快適な空の旅を楽しむことができるはずです。
次回ANAをご利用の際は、ぜひこの記事でご紹介したポイントを参考に、万全の充電対策で出発の日を迎えてください。安全で快適な旅をお楽しみいただけますように!
