外出先でもタブレットでサクッと動画を見たり、仕事の資料を開いたりしたい――そんなときに便利なのが「テザリング」です。
スマホの通信回線を利用して、Wi-Fiのない場所でもタブレットをインターネットにつなげられるこの機能。実は使い方を知っておくだけで、外出時のネット環境が一気に快適になります。
この記事では、テザリングの基本から設定方法、通信量の目安や注意点まで、初心者でも迷わず使えるように丁寧に解説します。
テザリングとは?スマホが“モバイルルーター”になる仕組み
テザリングとは、スマホのモバイルデータ通信をほかの端末に共有する機能のこと。
たとえば自宅のWi-Fiが使えない外出先でも、スマホを介してタブレットやノートPCをネット接続できます。言い換えれば、スマホをポケットWi-Fiのように使うイメージです。
スマホの電波(4G・5G)を使ってデータを送受信するので、別途Wi-Fiスポットを探したり、有料のモバイルルーターを契約したりする必要がありません。
使い方もシンプルで、スマホの設定メニューから「テザリング」または「インターネット共有」をオンにするだけでOKです。
3つの接続方法とそれぞれの特徴
テザリングには大きく分けて「Wi-Fi」「Bluetooth」「USB」の3種類があります。
それぞれに長所と短所があるため、用途に合わせて使い分けましょう。
Wi-Fiテザリング
最も一般的で、複数端末を同時に接続できるタイプ。
スマホをWi-Fiルーターのように動作させ、タブレットを無線接続します。
通信速度が速く、動画視聴やオンライン会議にも向いています。
ただし、バッテリー消費が大きく、長時間利用するとスマホが熱を持つ場合があります。
Bluetoothテザリング
低速ですが、消費電力が少なくバッテリーにやさしい方式。
SNSやメッセージの確認など、軽い通信には最適です。
通信範囲が短く、距離が離れると切断されやすい点には注意が必要です。
USBテザリング
ケーブルでスマホとタブレットを直接つなぐ方式。
最も安定した通信ができ、速度も安定しています。
ただし物理的にケーブル接続が必要なので、手軽さではWi-Fi方式に劣ります。
充電しながら使えるというメリットもあります。
Androidスマホでテザリングする方法
Android端末では、設定から簡単にテザリングをオンにできます。
以下は一般的な手順です(メーカーやOSによって名称が異なる場合あり)。
- 設定アプリを開く
- 「ネットワークとインターネット」または「接続」を選ぶ
- 「テザリング」または「モバイルホットスポット」をタップ
- 「Wi-Fiアクセスポイント」をオンにする
- 表示されたSSIDとパスワードを確認し、タブレットでそのWi-Fiを選択
Bluetoothでつなぐ場合は、まずスマホとタブレットをペアリングし、
その後「Bluetoothテザリング」をオンにします。
USB接続の場合はケーブルで2台をつなぎ、「USBテザリング」を有効化すればOKです。
iPhoneでテザリング(インターネット共有)する方法
iPhoneでは「インターネット共有」という名前でテザリング機能が提供されています。
こちらも設定はシンプルです。
- 設定アプリを開く
- 「インターネット共有」を選択
- 「ほかの人の接続を許可」をオンにする
- 表示されたWi-Fi名とパスワードを確認
- タブレットで該当SSIDを選び、パスワードを入力して接続
同じApple IDでサインインしているiPadなら、パスワードなしで自動接続できる「Instant Hotspot」も便利です。
ただし通信プランや契約によって利用できない場合があるため、事前に確認しておくと安心です。
タブレット側での接続手順
テザリングの設定はスマホ側で行い、タブレット側は通常のWi-Fi接続操作をするだけ。
タブレットの設定画面でWi-Fiをオンにし、スマホに表示されたSSIDを選んでパスワードを入力します。
Wi-Fiモデルのタブレットでもこの方法で外出先からネットにアクセスできるようになります。
BluetoothやUSBの場合も基本的には「ペアリング」または「ケーブル接続」して、ネットワーク設定を有効にすれば問題なく接続可能です。
テザリング利用時の通信量に注意
テザリングでタブレットを使うと、スマホの通信量がそのまま消費されます。
つまり、スマホが契約しているデータ容量の範囲内でしか利用できません。
動画を長時間視聴したり、オンライン会議をしたりすると、数GB単位でデータを消費します。
SNSやメールのやり取り程度なら少量ですが、つい使いすぎて通信制限になるケースも多いです。
おおまかな目安としては以下の通りです。
- YouTubeのHD動画(1時間)…約1GB前後
- Zoom会議(1時間)…約700MB
- SNS・ニュース閲覧(1時間)…100〜200MB程度
必要に応じてスマホの設定でデータ使用量を確認したり、通信量カウントアプリを利用したりして、上限を意識しながら使いましょう。
バッテリーの減りが早いときの対策
テザリング中はスマホが通信の中継を行うため、通常より電力を消費します。
Wi-Fi接続時は特にバッテリーの減りが早い傾向があります。
出先で長時間使う場合は、モバイルバッテリーを用意しておくと安心です。
また、Bluetoothテザリングに切り替えると通信速度は落ちますが、
消費電力を抑えることができます。
短時間の作業やテキスト中心の作業であれば、Bluetooth方式もおすすめです。
セキュリティ対策も忘れずに
テザリングを利用する際は、セキュリティ設定をしっかり行うことが大切です。
特に公共の場では、誰でも接続できる状態にしておくと情報漏洩のリスクがあります。
- Wi-Fiテザリングは必ずパスワードを設定する
- 推測されにくいSSIDに変更する
- 不要なときはテザリング機能をオフにしておく
これらを徹底することで、第三者の不正接続を防げます。
特にビジネス利用や個人情報を扱う場合は注意が必要です。
よくあるトラブルとその解決方法
接続できない場合
まずは以下をチェックしてみましょう。
- スマホ側でテザリングがオンになっているか
- SSIDとパスワードの入力ミスがないか
- タブレット側のWi-Fi設定を一度オフ→オンにして再接続
- 機内モードが有効になっていないか
それでも改善しない場合は、スマホを再起動したり、最新OSにアップデートしたりすることで解消されることもあります。
通信が遅い場合
Wi-Fiの干渉や同時接続台数が多いと速度が落ちます。
5GHz帯が選べるスマホなら、2.4GHzより高速で安定します。
また、端末同士の距離を近づけるだけでも改善する場合があります。
テザリングを賢く使いこなすコツ
- 通信量の少ない作業に絞って使う
- 長時間利用するときはUSB接続で充電しながら使う
- 必要がないときは機能をオフにしてバッテリーを節約する
- 通信制限を避けたいなら格安SIMの大容量プランや無制限プランを検討する
テザリングを上手に活用すれば、外出先でも快適に作業や動画視聴ができます。
「いざというときのネット手段」として覚えておくと非常に便利です。
まとめ:タブレットとスマホのテザリング方法を解説!通信量や注意点も紹介
テザリングは、スマホの通信を使ってタブレットをネットにつなぐ便利な機能です。
Wi-Fi・Bluetooth・USB、それぞれの特徴を知り、シーンに合わせて使い分けることで、どこでもストレスなくインターネットを楽しめます。
注意すべきは通信量とバッテリー。
使い方次第ではすぐにデータ上限に達したり、バッテリー切れを起こしたりします。
安全性や安定性にも気を配りながら、必要なときだけオンにして効率よく活用しましょう。
テザリングを理解しておくことで、Wi-Fiがない環境でも「困らない自分」をつくれます。
タブレットとスマホを賢く組み合わせて、どこでも快適なネットライフを楽しんでください。
