タブレットを買おうとすると、必ず目に入る「ギガ(GB)」という言葉。
でもこのギガ数って、いったいどれくらいあればいいの?──そんな疑問を持つ人は多いはずです。
結論から言うと、タブレットの「ギガ数」は使い方次第。動画を観るのが中心か、仕事に使うのか、あるいは絵を描いたり動画を編集したりするのか。それぞれで必要な容量はまったく違います。
この記事では、タブレットを選ぶときに迷いやすい「メモリ」と「ストレージ」の違いから、用途別のおすすめ容量まで、わかりやすく解説していきます。
「ギガ数」には2種類ある:メモリとストレージ
まず最初に知っておきたいのは、「ギガ数」には大きく2種類あるということ。
1つはメモリ(RAM)、もう1つは**ストレージ(保存容量)**です。どちらも「ギガ」で表記されますが、役割はまったく違います。
メモリはタブレットが作業中に使う「作業机」のようなもの。アプリを開いたり、動画を再生したりするとき、データは一時的にこのメモリに置かれます。
ストレージは、写真やアプリを保存しておく「倉庫」のような場所。ここにデータが溜まっていきます。
よくある誤解は「ギガ数が多い=保存できる量が多い」というもの。実際には、動作の快適さを左右するのがメモリで、保存容量を決めるのがストレージです。
つまり、メモリが足りないと動作が遅くなり、ストレージが少ないと保存できるデータが限られるということですね。
メモリ(RAM)は動作のスムーズさを決める
メモリの容量は、タブレットの「快適さ」を左右します。
アプリを複数立ち上げたり、ブラウザでたくさんのタブを開いたりする人は、メモリが多いほうが断然スムーズです。
以下がメモリ容量の目安です。
- 2〜3GB:最低限レベル。SNSやWeb閲覧、YouTube視聴など軽い作業ならOK。ただし複数アプリを使うと動作がもたつくことも。
- 4〜6GB:標準的な容量。多くの人が快適に使えるバランス型。動画視聴やオンライン会議もスムーズ。
- 8GB以上:ヘビーユーザー向け。高画質動画編集やゲーム、ビジネス用途での同時作業も問題なし。
メモリは「多ければ多いほど快適」というのが基本です。とはいえ、価格にも影響するので、自分の使い方に合った容量を選ぶのがポイント。
「ライトユーザーなら4GB前後」「がっつり使うなら8GB以上」と覚えておくと良いでしょう。
ストレージ(保存容量)は使い方で決まる
ストレージは、アプリや写真、動画などを保存する容量です。
「32GB」「64GB」「128GB」「256GB」など、幅広いラインナップがあります。
目安は次の通りです。
- 32GB:メール・SNS・ブラウザ中心。写真や動画をあまり保存しない人向け。
- 64GB:アプリをいくつか入れても余裕あり。一般的な使い方なら十分。
- 128GB〜256GB:動画を撮る・映画を保存しておく・ゲームを複数インストールしたい人におすすめ。
- 512GB〜1TB以上:プロ用途。動画編集やクリエイティブ作業に最適。
注意したいのは、ストレージのうち数GB〜十数GBはOSやシステムが使うということ。
たとえば「32GBモデル」でも実際に使えるのは20GB前後しかない場合もあります。
そのため、「自分の使い方+少し余裕」を見込んで選ぶのが大切です。
用途別おすすめ容量の目安
タブレットをどう使うかによって、最適なギガ数は変わります。以下は代表的な使い方ごとの目安です。
1. 動画視聴・ネット閲覧が中心のライトユーザー
YouTubeやNetflix、ニュースサイト、SNSがメインなら、メモリ4GB/ストレージ64GB で十分。
クラウドストレージやストリーミングサービスを活用すれば、端末内に多くのデータを保存する必要もありません。
2. 学生・オンライン授業・電子書籍用途
オンライン授業の録画データやPDF資料、ノートアプリなどを利用する人は、メモリ4〜6GB/ストレージ128GB程度を目安に。
学期ごとに資料が増えることを考えると、64GBではやや心もとないでしょう。
3. 仕事・ビジネス用途
資料作成、メール、Web会議、PDF管理など複数アプリを同時に開くことが多いビジネス用途では、メモリ6GB以上/ストレージ128〜256GBが快適。
ファイルのやり取りも多く、容量が小さいと圧迫されやすいので余裕をもって選ぶのが正解です。
4. ゲーム・エンタメ重視
スマホゲームの中には10GB以上を使うタイトルもあります。複数インストールするなら、メモリ6〜8GB/ストレージ256GB以上が理想。
とくに3Dゲームはメモリの消費が激しいため、性能面でも妥協しないようにしましょう。
5. クリエイター・動画編集・写真管理
イラスト制作、写真現像、動画編集などを行う人は、メモリ8GB以上/ストレージ512GB〜1TBが安心。
高解像度データを扱うとあっという間に容量を使い切ってしまうため、最初から大きめを選ぶのがコツです。
外部ストレージとクラウドの活用もあり
Androidタブレットの多くはmicroSDカード対応で、あとから容量を増やすことができます。
たとえば本体64GB+microSD256GBで、実質300GB超の保存が可能です。
一方、iPadなどは外部ストレージ非対応のモデルが多いので、購入時のストレージ選びがとても重要になります。
「とりあえず安いモデルを買って、あとで増やす」はできないと覚えておきましょう。
また、Google DriveやiCloudなどのクラウドストレージを併用するのもおすすめです。
ただし、通信環境が悪いとアクセスに時間がかかることもあるため、オフラインでも使いたいデータは本体に保存しておくと安心です。
ギガ数選びで失敗しない3つのポイント
- 用途を明確にする
動画中心なのか、仕事メインなのか。目的をはっきりさせるだけで、必要なギガ数が見えてきます。 - 将来を見越して少し余裕を持つ
アプリやデータは年々重くなります。今ちょうど良い容量だと、数年後には足りなくなることも。 - microSDやクラウドも検討する
保存領域を拡張できる機種なら、最初から最大容量を買わなくても対応できます。
ただし非対応モデルは最初が勝負です。
ギガ数をケチると後悔する?容量不足のサイン
「動作が重い」「アプリがすぐ落ちる」「写真を保存できない」──これらは容量不足の典型的な症状です。
メモリが足りないとアプリの切り替え時に遅延が起き、ストレージがいっぱいになると新しいアプリのインストールすらできなくなります。
特に、OSのアップデートには数GB単位の空きが必要です。
容量ギリギリで使っているとアップデートができず、セキュリティリスクが高まることも。
そんなトラブルを防ぐためにも、余裕をもったギガ数選びが大切です。
iPadのギガ数はどれくらい必要?最後にもう一度まとめると
- メモリ(RAM)は動作のスムーズさ、ストレージは保存量を左右する
- 一般的な使い方なら「メモリ4GB/ストレージ64〜128GB」でOK
- 動画編集やゲームなど重い用途なら「メモリ8GB以上/ストレージ256GB以上」
- AndroidはmicroSDで拡張できる、iPadはできない
- 「今よりちょっと余裕がある」容量を選ぶのが失敗しないコツ
タブレットは一度買うと長く使うもの。
だからこそ、価格だけでなく「快適に使い続けられるか」を基準に選ぶことが大切です。
あなたの使い方にぴったりのギガ数を選んで、ストレスのないタブレットライフを楽しみましょう。
