スマホやパソコンほど頻繁には買い替えないけれど、気づけば家の棚や引き出しに眠っている「古いタブレット」。
使わなくなったとはいえ、中には個人情報がたっぷり詰まっていますし、「どうやって処分すればいいの?」と悩む方も多いはずです。
実はタブレットは、ただゴミとして捨てるのではなく、安全かつお得に手放す方法がいくつもあります。
この記事では、法律や安全面を踏まえながら、あなたの古いタブレットを正しく処分するための具体的な手順と選択肢を分かりやすく解説します。
タブレットは「燃えないゴミ」では捨てられない?
まず最初に知っておきたいのは、タブレットは一般ゴミでは処分できないという点です。
タブレットには金属やリチウムイオン電池が内蔵されており、通常のゴミ処理では火災や環境汚染の原因になる恐れがあります。
日本では「小型家電リサイクル法」により、スマートフォンやタブレットなどの小型電子機器は、資源として回収・リサイクルされるべき家電と位置づけられています。
つまり、自治体やメーカーが定めた方法で正しく回収に出すことが求められているのです。
そのため、まずは「自分の自治体がどういう方法を採っているか」を確認しましょう。
市区町村のホームページには、回収ボックスの設置場所や回収可能な製品の一覧が必ず記載されています。
地域によっては「持ち込み制」「専用ボックス投入口に入るサイズのみ可」といった条件があるため、確認は必須です。
処分前にやっておくべき大切な準備
タブレットを処分する前に、絶対に忘れてはいけないのがデータの整理と削除です。
ここを怠ると、個人情報が第三者の手に渡る危険があります。
- バックアップを取る
写真や動画、メモなどをクラウドやパソコンに保存しておきましょう。GoogleアカウントやiCloudを使えば簡単に移行できます。 - アカウントのログアウト・解除
Apple IDやGoogleアカウントをサインアウトし、端末の紐付けを解除します。
特にiPadの場合、「アクティベーションロック」を解除しておかないと、後でリサイクルや下取りができないことがあります。 - 初期化(リセット)を行う
設定画面から「すべてのコンテンツと設定を消去」を選びましょう。
これにより個人データやアプリ情報が完全に削除されます。 - SIMカードとSDカードを抜く
もしタブレットにSIMスロットやSDカードがある場合は、必ず取り出してください。
これらには個人情報や通話履歴が残っていることがあります。
ここまで済ませておけば、安心して手放す準備が整います。
自治体の小型家電回収ボックスを使う方法
全国の多くの自治体では、市役所や公共施設、スーパーなどに「小型家電リサイクル回収ボックス」が設置されています。
ここにタブレットを投入するだけで、無料で処分が可能です。
ボックスの投入口は比較的小さいため、10インチ前後のサイズが目安です。
入りきらない場合や壊れて形が変わっている場合は、自治体窓口に相談すれば別ルートで回収してくれるケースもあります。
この方法は、
- 無料で処分できる
- 持ち込み場所が多く手軽
- リサイクルされて資源として再利用される
という点で最も環境に優しい選択肢です。
ただし、ボックスに入れた後は返却できないため、必ずデータを消してから持ち込むようにしましょう。
家電量販店やキャリアショップで下取りする
もし買い替えを検討しているなら、家電量販店や携帯キャリアの下取りサービスを活用するのがおすすめです。
例えば、
- Apple Storeの「Apple Trade In」
- ドコモの「下取りプログラム」
- ソフトバンク・auの「乗り換え下取り」
などが代表的です。
端末の状態やモデルによって査定額は異なりますが、下取り額が購入代金から差し引かれたり、ポイントとして還元されることもあります。
動作するタブレットなら、捨てずにお得に手放すチャンスになるでしょう。
なお、画面が割れていたり電源が入らない場合でも、一定の条件で回収してもらえるケースがあります。
「壊れているから捨てるしかない」と思い込まず、まずは店舗で相談してみると良いです。
メーカーのリサイクルプログラムを利用する
各メーカーは、自社製品のリサイクルに積極的です。
特にAppleやSony、Microsoftなどの大手メーカーは、公式サイトから申し込みができる「無料リサイクル回収サービス」を提供しています。
Appleの例では、不要になったiPadやMacなどを無料で郵送でき、環境基準に沿って適切に分解・再資源化してくれます。
また、一部の製品は査定のうえでギフトカードとして還元される場合もあります。
メーカーに依頼する利点は、確実に適正処理が行われること。
データやパーツの扱いも丁寧なので、安心して任せられます。
郵送・宅配での回収サービス
持ち込みが難しい場合や自治体に回収ボックスがない場合は、郵送回収サービスを利用する方法もあります。
段ボールに不要なタブレットを入れて送るだけで、リサイクルしてもらえます。
たとえば、
- 楽天リサイクル
- パソコン工房の宅配回収
- リネットジャパンの国認定サービス
などがあります。
中には送料無料で利用できるものもあり、忙しい人にも便利です。
ただし、宅配業者が電池を含む電子機器を扱う際には制限があるため、事前にサイトの案内を確認してから申し込みましょう。
不用品回収業者に依頼する方法
「とにかくまとめて片付けたい」「家電を一気に処分したい」という人には、不用品回収業者の利用も選択肢のひとつです。
電話一本で自宅まで引き取りに来てくれるため、手間がかかりません。
ただし、業者選びには注意が必要です。
無許可で回収を行う業者も存在し、不法投棄や高額請求のトラブルに発展することがあります。
必ず「産業廃棄物収集運搬業許可」などの認可を受けた業者を選びましょう。
費用は数千円ほどかかる場合がありますが、大型家電とまとめて処分できる利便性は大きなメリットです。
まだ使えるなら「売る」という選択肢も
動作するタブレットなら、処分ではなく売却という選択肢も検討してみましょう。
- フリマアプリ(メルカリ・ラクマなど)
- 中古買取店(ゲオモバイル、イオシスなど)
- オンライン買取サービス
これらを活用すれば、機種や状態によっては数千円から数万円で買い取ってもらえることもあります。
人気のiPadやSurfaceは中古市場での需要が高く、想像以上の値がつく場合も。
売却前には必ずデータを消去し、付属品や箱があれば一緒に出すと査定額が上がりやすいです。
タブレット処分で守りたい安全とエコの意識
タブレットは便利な電子機器である反面、処分を誤ると火災・環境汚染・情報漏洩といったリスクを伴います。
安全かつ責任ある手放し方を選ぶことは、地球にも自分にも優しい行動です。
さらに、正しいリサイクルを行うことで、レアメタルなどの貴重な資源が再利用され、環境負荷を減らすことにもつながります。
あなたの一台が、資源循環の一部として再び社会に活かされるのです。
古いタブレットの正しい捨て方を知って、賢く処分しよう
古いタブレットの捨て方には、自治体回収、メーカーリサイクル、下取り、買取、宅配回収などさまざまな方法があります。
どの方法を選ぶにしても大切なのは、データを消して安全に手放すこと。
そして、自分の住む地域や機種に合ったルートを選ぶことです。
タブレットはただの「不要品」ではなく、再利用できる資源のかたまりです。
どうせ処分するなら、環境にも財布にも優しい方法を選びましょう。
あなたの小さなひと手間が、次の誰かの便利な未来をつくるかもしれません。
