スマートフォンの進化が落ち着きつつある中、ここ数年で再び注目を集めているのが「タブレット市場」です。その中でも特に話題なのが、MediaTekの最新フラッグシップSoC「Dimensity 9400」を搭載したタブレット。
スマホ顔負けの性能を持ちながら、価格を抑えたハイコスパ機が続々登場しています。
この記事では、Dimensity 9400の実力と、搭載タブレットの特徴・価格帯・おすすめモデルまでをわかりやすくまとめます。
Dimensity 9400とは？進化したMediaTekのフラッグシップSoC
まずは「Dimensity 9400」というチップがどんな存在なのかを整理しましょう。
MediaTekは台湾の半導体メーカーで、スマホ・タブレット向けのSoC（システム・オン・チップ）を開発しています。その中でもDimensity 9400は、2024年に登場した最上位モデル。最新の3nmプロセスで製造されており、性能と省電力性を両立しています。
CPU構成は8コア。
・最上位コア「Arm Cortex-X925」×1（最大3.6GHz）
・高性能コア「Cortex-X4」×3
・高効率コア「Cortex-A720」×4
GPUは「Arm Immortalis-G925」を採用し、3Dグラフィック処理や高負荷ゲームにも余裕のスペック。
さらにAI処理専用の「8th Gen NPU」も搭載し、画像認識や生成AIアプリの処理もスムーズです。
ベンチマークから見るDimensity 9400の性能
実際のベンチマークでも、このチップの実力は証明されています。
AnTuTuベンチマークでは約240万〜270万点、Geekbench 6ではシングルコア2,100点前後・マルチコア7,000点近くという数値を記録。
これはSnapdragon 8 Gen 3やApple A17 Proクラスの性能に肩を並べるレベルです。
CPU性能はアプリ起動やマルチタスク操作で違いが出やすく、ブラウジングや動画編集など日常利用でも圧倒的に快適。
GPU性能も高く、重めの3Dゲームを高画質設定で動かしてもフレームレートが安定します。
タブレットで動画編集・ゲーム・電子書籍・ノートアプリなどを快適にこなしたい人にとって、現時点で最もバランスの良いチップの一つといえます。
Dimensity 9400搭載タブレットの代表モデル
iQOO Pad5 Pro
中国ブランド「iQOO」が展開するハイエンドタブレットで、Dimensity 9400+（クロック向上版）を採用。
AnTuTuスコアは約300万点前後と驚異的。144Hzの大画面ディスプレイ、8スピーカー構成など、エンタメ用途にも最適です。
価格は日本円換算で約11〜12万円前後。性能面を考えれば、非常にコストパフォーマンスが高いモデルです。
Xiaomi Pad Mini（Dimensity 9400+版）
8.8インチのコンパクトモデルながら、ハイエンドSoCを搭載。165Hzリフレッシュレートの3Kディスプレイを採用し、描写が非常に滑らか。
バッテリーも大容量で、動画視聴や外出時の作業にぴったりです。価格は7〜9万円台で、携帯性重視のユーザーから人気を集めています。
Redmi K Padシリーズ
Xiaomiのサブブランド「Redmi」から登場した高コスパモデル。Dimensity 9400+を搭載しながら価格を抑えており、学生層やライトユーザーにも手が届きやすい設計。
高解像度ディスプレイと十分な放熱構造で、長時間の動画視聴も快適です。
このほか、OnePlusやHONORなどもDimensity 9400/9400+搭載モデルを準備中と報じられており、2025年は“MediaTek搭載タブレット元年”ともいえる流れになっています。
価格帯とコスパをどう見るか
Dimensity 9400搭載タブレットの価格はおおよそ7万円〜12万円台に集中しています。
同価格帯のSnapdragon 8 Gen 3搭載タブレットと比べても、性能差はほぼなく、むしろ発熱や電力効率ではDimensityのほうが優秀という声もあります。
・7〜9万円：小型モデル、携帯性重視（Xiaomi Pad Miniなど）
・10〜12万円：大型・高機能モデル（iQOO Pad5 Proなど）
「ゲームも仕事も1台でこなしたい」「PC代わりに使えるタブレットが欲しい」という層には、上位機種が最適。
「手軽に持ち歩けて快適に使いたい」なら、ミドルレンジ価格のモデルを選ぶのがバランス的におすすめです。
Dimensity 9400の強みと弱点
強み
・CPU・GPUともにフラッグシップ級の性能
・3nmプロセスで省電力かつ発熱が少ない
・AI処理性能が高く、生成AIや画像編集がスムーズ
・高リフレッシュレートや高解像度ディスプレイ対応
・競合よりもコスパが良い
弱点
・高負荷時の熱制御によって性能がやや落ちることがある
・Snapdragon搭載機に比べ、国内正規販売モデルがまだ少ない
・一部アプリの最適化が遅れるケースもある
ただし、これらの弱点はソフトウェア更新で改善されつつあり、2025年中には多くの機種がグローバル対応する見込みです。
競合との比較：Snapdragon 8 Gen 5との違い
2025年のモバイルSoC市場では、QualcommのSnapdragon 8 Gen 5とDimensity 9400が双璧をなしています。
両者を比べると、GPU性能ではDimensityが優位、5GモデムやAI処理の一部ではSnapdragonがリード。
しかし体感の差は小さく、アプリや動画編集などの実使用ではほぼ同等の快適さを得られます。
特にDimensity 9400は電力効率に優れ、長時間の動画再生やゲームプレイでもバッテリー消費が少ない点が魅力。
「熱に強く、静かに速いタブレット」を求めるユーザーには、非常に理想的な選択肢といえるでしょう。
今後の展望と市場の動き
2025年以降、MediaTekはDimensity 9400をベースにした派生チップ（9400+・9400 Ultraなど）の展開を進めています。
これにより、ハイエンドだけでなく中価格帯タブレットにも高性能チップが広がると予想されます。
さらに、生成AI機能を活かしたタブレットアプリの増加も後押しし、「AIを使うためのタブレット」という新しい価値軸が形成されつつあります。
動画編集や学習支援、デザインアプリなど、タブレットの活躍シーンは今後ますます拡大していくでしょう。
Dimensity 9400搭載タブレットは買いか？
結論として、Dimensity 9400搭載タブレットは現時点で最もコスパの高いハイエンド選択肢です。
性能・発熱・電力効率のバランスが優れており、価格面でもSnapdragon勢より有利な傾向があります。
動画視聴・ビジネス・ゲーム・クリエイティブ作業まで幅広く対応できる万能タブレットを求めるなら、間違いなく検討すべきシリーズです。
特に、Xiaomi Pad MiniやiQOO Pad5 Proのようなモデルは、日常使いとエンタメ利用を両立した完成度の高い1台。
今後もDimensity 9400系チップを採用した新製品が続々登場する見込みなので、最新情報をチェックしながら、自分に合ったモデルを選ぶのがポイントです。
まとめ：Dimensity 9400搭載タブレットの実力を体感しよう
Dimensity 9400搭載タブレットは、スマホ並みの性能と高い電力効率を備えた“新世代の万能デバイス”です。
価格帯も幅広く、ライトユーザーからヘビーユーザーまで満足できる選択肢が揃っています。
今後はさらに多くのメーカーが採用を進める見通しで、2025年のタブレット市場の主役になる可能性も十分。
最新チップの実力を、あなたの手でぜひ体感してみてください。
