「最近、ガーミンの“トレーニングレディネス”ってよく聞くけど、結局何を意味しているの?」
そんな疑問を持つランナーやフィットネス愛好家は多いと思います。
ガーミンのトレーニングレディネスは、あなたの「今日どれだけトレーニングに適した状態か」を数値化してくれる便利な機能です。睡眠・ストレス・回復・運動負荷など複数のデータを組み合わせて、身体のコンディションを“見える化”してくれます。ここでは、その仕組みからスコアの読み方、実際の活用法までをわかりやすく解説します。
トレーニングレディネスとは?──体の「今」を数値で見える化
トレーニングレディネス(Training Readiness)は、ガーミンの最新モデルに搭載された指標で、「今日はどれくらい運動する準備ができているか」を1〜100のスコアで表示します。
単なる疲労度ではなく、以下のような6つの要素を総合的に評価して導き出されています。
- 睡眠の質(睡眠スコア)
- リカバリータイム(回復時間)
- HRVステータス(心拍変動)
- 直近のトレーニング負荷
- 過去3日間の睡眠履歴
- 過去3日間のストレスレベル
このスコアを毎朝チェックすることで、「今日は追い込む日か」「軽めで様子を見るか」といった判断が感覚ではなくデータでできるようになります。
トレーニングレディネスの数値の見方
スコアは1〜100で表示され、数値が高いほど“準備が整っている”状態を意味します。
ざっくりとした目安は次の通りです。
- 80〜100:とても良い状態(高強度トレーニングに適している)
- 50〜79:標準的な状態(通常の練習には問題なし)
- 25〜49:疲労が残る状態(軽めの運動を推奨)
- 1〜24:疲労蓄積状態(休息を優先すべき日)
このスコアは睡眠や回復の状況によって変動します。前日しっかり眠れていても、ストレスが高かったり、前日のトレーニング負荷が大きいとスコアは下がることがあります。
スコアを構成する要素を詳しく解説
睡眠スコア
良質な睡眠はトレーニングレディネスに直結します。深い睡眠が少なかったり、寝つきが悪かった日はスコアが低く出やすい傾向があります。
リカバリータイム
直近の運動強度と回復時間をもとに、体がどれだけ疲労から回復しているかを数値化。まだ筋肉が修復中ならスコアは低くなります。
HRVステータス
HRV(心拍変動)は自律神経のバランスを表す指標。ストレスや疲労で交感神経が優位になるとHRVは下がり、レディネススコアにも影響します。
短期負荷(Acute Load)
直近1週間のトレーニング強度を分析。負荷が高すぎると回復が追いつかず、スコアが低下します。
過去3日間の睡眠・ストレス履歴
一晩だけの睡眠ではなく、数日間の傾向を踏まえて判定。継続的な睡眠不足やストレスが続くと、スコアがじわじわ下がっていきます。
トレーニングレディネスのメリット
毎日のトレーニング判断が楽になる
「今日は走っていい日か?」「筋トレしても平気か?」と迷う時間を減らせます。スコアを見れば、一目で“今日は追い込める日”なのか“控えた方がいい日”なのかが分かります。
オーバートレーニングの防止
疲労を感じていなくても、体は回復しきっていない場合があります。スコアが低い日はしっかり休むことで、ケガやパフォーマンス低下を防げます。
自分のリズムが見えてくる
毎日スコアを記録していくと、自分が疲れやすいタイミングや、回復に時間がかかる傾向などが見えてきます。ライフスタイル全体を整えるきっかけにもなります。
トレーニングレディネスの注意点
精度には限界がある
ガーミンのセンサーは高性能ですが、睡眠やストレスはあくまで推定値です。実際の体感とズレることもあります。
無酸素運動には反映されにくい
ランニングやサイクリングのような有酸素運動では精度が高い一方、筋トレなど無酸素運動中心の人には少し物足りない場合があります。筋肉の局所的な疲労までは検知しにくいためです。
数値に縛られすぎないこと
スコアは便利な指標ですが、「低いから運動してはいけない」「高いから絶対にやる」といった使い方はおすすめしません。あくまで参考値として、自分の感覚と照らし合わせて判断することが大切です。
実践的な使い方のコツ
朝のコンディションチェックに使う
起床後、ウォッチを見てスコアを確認。「今日は高いからスピード練習」「低いからストレッチ中心」と、日々のメニューを柔軟に変えることで効率的に練習できます。
週間プランに組み込む
一週間のトレーニング予定を立てる際、トレーニングレディネスを目安にするのもおすすめ。たとえばスコアが高い日は負荷を上げ、低い日は休養日にするなど、自然と波を作れます。
長期的な傾向を振り返る
一日ごとのスコアだけでなく、1ヶ月単位でグラフを振り返ると、自分の生活リズムやストレスの影響が見えてきます。これがモチベーション維持にもつながります。
向いている人・向いていない人
向いている人
- 定期的にランニングやバイクをしている
- 忙しくて疲労を感じにくい社会人
- ケガやオーバーワークを防ぎたい
- データで体調を客観的に見たい
向いていない人
- 主に筋トレや無酸素運動を中心に行う
- 睡眠計測や心拍データの精度に不満がある
- 自分の感覚を重視して動きたいタイプ
ガーミンのトレーニングレディネスは、「科学的に体を知りたい」タイプの人にこそ向いています。逆に、「感覚で動きたい」「データ管理が面倒」と感じる人にはあまり響かないかもしれません。
トレーニングレディネスを賢く使うための心構え
トレーニングレディネスは、あなたの“体の声”を数値化する便利な機能です。しかし、それはあくまで補助的な指標。最も大切なのは、自分の体がどう感じているかを観察することです。
スコアが低くても、軽いジョギングやストレッチで心がスッキリする日もある。逆にスコアが高くても、睡眠不足で集中できない日もあります。数字と感覚の両方を尊重してこそ、この機能は真価を発揮します。
ガーミンのトレーニングレディネスを味方につけよう
トレーニングレディネスは、「休む勇気を与えてくれる」機能とも言われます。
努力家ほど頑張りすぎてしまうものですが、このスコアを上手に使えば、無理のない範囲で最大限の成果を出すことが可能です。
ガーミンのデータが教えてくれるのは、“体の小さなサイン”です。
そのサインを見逃さず、自分に合ったペースで日々のトレーニングを積み重ねていけば、より長く、より楽しく運動を続けることができるはずです。
今日のスコアをチェックして、あなたの身体が発する「準備OK」の合図を受け取ってみてください。
