ランナーの間で話題になっている「ガーミン」と「カロス」。どちらも人気のGPSランニングウォッチですが、実際に何が違うのか気になっている人は多いはずです。この記事では、両ブランドの特徴から実際の使い勝手、向いているランナー像まで、実体験や最新情報を交えてわかりやすく解説します。
そもそもガーミンとカロスはどんなブランド?
まずはそれぞれの立ち位置を整理しましょう。
ガーミン(GARMIN) はアメリカ発のGPS機器メーカー。航空・海洋機器の開発で培った高精度GPS技術をベースに、ランニング、登山、サイクリングなど幅広い分野で信頼を集めています。特徴は「オールラウンド」。トレーニング計測から健康管理、音楽再生や電子決済まで、多機能を一台にまとめた総合型のスマートウォッチです。
一方、カロス(COROS) は2016年に誕生した新興ブランド。プロアスリートの使用率が高く、トレイルランやウルトラマラソンなどハードな環境での使用を想定した“軽量・長持ち・高精度”な設計が特徴です。シンプルで操作が直感的、しかも価格が抑えめという点で、近年急速に支持を伸ばしています。
つまり、
- 多機能でライフスタイル全体をカバーするのがガーミン
- 必要な機能に絞り込んで走りに集中できるのがカロス
という違いがあるのです。
主な人気モデルと価格帯の比較
2025年現在、両ブランドでよく比較されるのは以下のようなラインナップです。
ガーミン
- Forerunner 165:エントリーモデル(約4万円)
- Forerunner 265/Forerunner 965:ミドル〜ハイエンド(6〜9万円台)
- Fenix/Epix:アウトドア・高機能モデル(10万円超)
カロス
カロスは同じクラスのガーミンより価格が1〜2万円ほど安く設定されていることが多く、コストパフォーマンスを重視するランナーから注目を集めています。
バッテリーとGPS精度の違い
ランナーにとって重要なポイントが、バッテリー持ちとGPS精度。
カロスはこの分野で圧倒的な強さを見せます。たとえば「PACE 3」はGPSモードで約38時間、「VERTIX 2」ではなんと140時間以上の計測が可能。ウルトラマラソンや長時間の登山でも安心して使えるレベルです。
ガーミンも決して短いわけではなく、Forerunnerシリーズで約20時間前後。必要十分な持続力ですが、ハードなロングラン中心の人には少し物足りないかもしれません。
GPSの精度については両者とも優秀で、マルチGNSSやマルチバンド受信に対応。ビル街や森林でも安定した軌跡を描けます。ただ、レビューでは「カロスのトラック精度がわずかに上」という声も見られます。
着け心地とデザインの印象
長時間走るランナーにとって、時計の重さは想像以上に重要です。
カロスは軽さが際立ちます。たとえばPACE 3のナイロンベルトモデルは約30g。ほとんど着けていないような感覚で、レース後半でもストレスが少ないという意見が多いです。
ガーミンは堅牢性と高級感を両立した作り。金属ベゼルやAMOLEDディスプレイを採用したモデルも多く、日常使いでも映えるデザインが魅力です。ただし重量はやや増え、シリーズによっては50gを超えるモデルもあります。
つまり、
- 軽さと装着感を求めるならカロス
- 見た目や質感も大切にしたいならガーミン
といえます。
ランニング・トレーニング機能の違い
両ブランドとも、距離・ペース・心拍数・VO₂max・トレーニング効果・リカバリー時間など、ランナーに必要なデータは一通り揃っています。
ただし、得意分野が少し異なります。
ガーミンは長年蓄積されたトレーニング分析が強み。トレーニングレディネス、HRVステータス、ボディバッテリーなど、体の状態を多角的に評価できます。Garmin Connectアプリと連携すれば、日常の睡眠やストレスも含めた総合的な健康管理が可能です。
一方、カロスは「トレーニングに集中するためのシンプルさ」を重視。トレーニングロードやリカバリー時間などの分析機能を持ちながらも、操作は直感的。専用アプリ「COROS Training Hub」でグラフ管理やトレーニング計画も立てられます。
機能の深さではガーミンが一歩リード、操作性や分かりやすさではカロスが優勢です。
スマートウォッチとしての使い勝手
ここは両者の方向性がはっきり分かれる部分。
ガーミンはスマートウォッチ機能が非常に充実しています。音楽保存・再生、通知表示、決済(Garmin Pay)、交通系IC対応など、日常生活の便利機能が満載。普段使いの時計としても十分通用します。
カロスはあくまで「スポーツウォッチ」。スマート通知や音楽操作など最低限の機能はありますが、電子決済や音楽保存は非対応。スマホとの連携もシンプルです。
ランニング専用として割り切るならカロスで十分。生活全体を管理したいならガーミンを選ぶのが無難です。
実際に使ってみた人の声
実際のユーザー体験を見ると、以下のような傾向が見られます。
- ガーミン派:「日常もランもこれ一台で完結するのが便利」「アプリの見やすさや連携機能が安心」
- カロス派:「軽くてバッテリーが長いから旅行や遠征でも充電を気にしなくていい」「操作がシンプルで走りに集中できる」
また、10年以上ガーミンを使っていたランナーが「必要十分な性能で軽いカロスに乗り換えた」というケースもあります。反対に、スマートウォッチ機能を求めてカロスからガーミンに戻る人も。結局のところ、ライフスタイルと優先順位で選ぶのが正解です。
どんな人にどちらが向いている?
ざっくり分けると以下の通りです。
- ガーミンが向いている人
・ランニング以外にも日常使いしたい
・スマート機能(通知、音楽、決済)を重視する
・健康管理をトータルで行いたい - カロスが向いている人
・軽さとバッテリー持ちを最優先したい
・トレーニング中心で余計な機能はいらない
・価格を抑えて性能を重視したい
自分がどんな走り方をしているか、どんなシーンで時計を使いたいかを一度整理してみると、選択がスムーズになります。
それぞれの弱点と注意点
完璧な時計はありません。デメリットも正直に押さえておきましょう。
カロスは機能を絞っている分、スマートウォッチとしての拡張性が低く、音楽保存や電子決済などは非対応。また、対応アプリが少ない点も人によっては不便です。
ガーミンは多機能な反面、価格が高めで、設定やメニューが複雑に感じる人もいます。特に初心者には機能が多すぎて持て余すケースもあります。
どちらも一長一短ですが、「自分にとって必要なもの」が何かを考えれば、後悔のない選び方ができます。
ガーミンとカロス、結局どちらを選ぶべき?
ここまで比較してきたように、どちらが“優れている”かは一概に言えません。
・日常生活を含めて一台で完結させたい → ガーミン
・走ることに集中したい、軽くてタフなモデルが欲しい → カロス
この軸さえ明確にすれば、選択は自然と決まります。
もし初めてランニングウォッチを買うなら、コスパと軽さのバランスが良いPACE 3 は非常におすすめです。一方、スマートウォッチとしても活用したい人や、長く使いたい人にはガーミンのForerunner 265 などが間違いない選択でしょう。
ガーミンとカロスを徹底比較してわかった、後悔しない選び方
最後にもう一度、この記事のテーマである「ガーミンとカロスを徹底比較!ランナー必見の違いと選び方ガイド」を振り返ります。
ランニングウォッチは、ただの記録ツールではなく「走る時間を快適にする相棒」です。
ガーミンは多機能で安心感があり、カロスは軽くて実用的。どちらを選んでも、あなたのランを確実に進化させてくれるはずです。
大切なのは、時計に何を求めるか。
あなたが「どんなランナーになりたいか」を考えながら、ぴったりの一本を選んでください。
そして新しい相棒とともに、次のランに出かけましょう。
