Garminのランニングウォッチやサイクルコンピュータを使っていると、「LiveTrack(ライブトラック)」という機能を見かけたことがあるかもしれません。
これは、走行中やライド中の「現在地やルート」をリアルタイムで家族や友人に共有できる便利な機能。安全面のサポートだけでなく、応援や見守りにも使えるツールです。
この記事では、LiveTrackの仕組みから設定手順、注意点までをわかりやすく解説します。
Garmin LiveTrackとは?
LiveTrackとは、Garminデバイスとスマートフォンを連携させて、リアルタイムで位置情報を共有できるサービスです。
ランニング、サイクリング、登山など、屋外アクティビティでの移動経路や現在地を、あらかじめ指定した相手に伝えることができます。
たとえば、家族に「今どこを走っているか」を見てもらう、マラソン大会で応援してもらう、登山時に安全確認をしてもらうといった使い方が可能です。
Garminが提供するクラウドサービス「Garmin Connect」を経由して動作するため、特別なアプリを相手に入れてもらう必要もありません。共有リンクを開くだけで、リアルタイムの位置が地図上に表示されます。
Garmin Edge LiveTrackを使うための準備と条件
LiveTrackを利用するには、いくつかの条件を満たす必要があります。使い始める前に確認しておきましょう。
- Garmin Edge対応デバイス(ランニングウォッチ、サイクルコンピュータ、GPSハンドヘルドなど)
- スマートフォンにGarmin Connectアプリをインストール済み
- スマートフォンのモバイル通信またはWi-Fi接続が有効
- Garmin EdgeとスマホがBluetoothでペアリングされている
- 共有する相手のメールアドレスやメッセージ送信先を設定済み
通信環境が不安定な場所では、リアルタイム更新が遅れることがあります。特に山間部やトンネル内では通信が切れることもあるため、過信せずに安全対策を併用しましょう。
LiveTrackの設定方法
ここからは、実際にGarmin ConnectアプリでLiveTrackを設定する手順を紹介します。操作はiPhone・Androidで多少異なりますが、基本の流れは共通です。
- Garmin Connectアプリを起動
アプリのホーム画面から「詳細(More)」またはメニューボタンを開きます。 - 「セーフティ&トラッキング」を選択
ここに「LiveTrack」の項目があります。 - 初回利用時に受信者を設定
位置情報を共有する相手を選び、メールアドレスなどを登録します。 - 詳細設定を確認
- 自動スタート(Auto Start):アクティビティ開始時に自動でLiveTrackを起動
- コース共有:Garminで作成したルートをリンクに含める
- 名前の設定:セッション名を自由に変更可能
- LiveTrackを開始
「Start LiveTrack」をタップするとリンクが生成され、登録した相手に自動で送信されます。相手がリンクを開くと、あなたの現在地・スピード・経過時間などが地図上に表示されます。
LiveTrackセッションは通常24時間で終了します。アクティビティを中断・終了したいときは、アプリ上から「停止」を選びましょう。
LiveTrackが活躍するシーン
LiveTrackは、単に位置を共有するだけでなく、さまざまなシーンで役立ちます。
1. 安全確保
夜間のランニングや単独登山など、トラブル発生時にすぐ居場所を確認できる安心感があります。もし連絡が途絶えても、最後の位置がわかることで捜索の手がかりにもなります。
2. 応援や見守り
マラソン大会やロングライドイベントで、家族や仲間がどこを走っているかを把握しやすくなります。応援ポイントを決める際にも便利です。
3. 仲間との共有
グループでのライドやトレーニング時に、ルートを共有しておけば、遅れた人が合流しやすくなります。特にコース共有をオンにしておくと、同じルートをたどるのに役立ちます。
4. 旅行やアドベンチャーの記録
登山やロングツーリングのように長距離移動する場合、リアルタイムで行程を家族に見せながら旅を楽しむこともできます。
LiveTrackを使う際の注意点
便利な一方で、LiveTrackを安全かつ快適に使うためにはいくつかの注意点があります。
通信が命
Garminデバイス自体には通信機能がなく、スマートフォンを介してインターネットに接続します。スマホの電波が弱いと位置が更新されないため、通信環境の良い場所で使うことが大切です。
バッテリーの消耗
GPS測位と通信を継続するため、デバイス・スマホの両方のバッテリーを消費します。長距離アクティビティの際は、モバイルバッテリーの携行をおすすめします。
プライバシーへの配慮
共有リンクをSNSなど不特定多数に公開すると、誰でもあなたの位置を閲覧できる状態になります。LiveTrackは信頼できる相手のみに共有しましょう。Garminも安全利用のためのガイドラインを設けています。
非対応モデルに注意
すべてのGarmin Edge 1050デバイスがLiveTrackに対応しているわけではありません。購入時や使用前に、公式サイトまたはマニュアルで対応状況を確認してください。
GroupTrackとの違い
GarminにはLiveTrackに似た「GroupTrack」という機能もあります。違いを理解しておくと、用途に応じて使い分けやすくなります。
- LiveTrack:自分の位置を特定の相手に共有する(片方向)
- GroupTrack:仲間同士でお互いの位置を共有する(双方向)
つまり、LiveTrackは「見守り」や「応援」向け、GroupTrackは「グループ走行」や「チーム練習」向けと覚えておくと良いでしょう。
LiveTrackをもっと活用するコツ
LiveTrackをより便利に使うための小技をいくつか紹介します。
- 自動スタート機能を活用する
アクティビティを開始するたびに自動で共有が始まるため、操作を忘れる心配がありません。 - 定期的に受信者を見直す
メールアドレス変更や見守り相手の追加・削除をこまめに更新すると安心です。 - 共有メッセージを添える
「今から30kmのライド行ってきます!」など一言添えると、相手に状況が伝わりやすくなります。 - 通信の事前チェック
スタート地点で通信が切れていると共有が始まらないため、Garmin Connect上でLiveTrackが開始されているか確認してから出発しましょう。
Garminのライブトラックを安全に活用しよう
GarminのLiveTrackは、ランナーやサイクリスト、登山愛好家など、多くのアウトドアユーザーにとって頼れる安全サポート機能です。
位置情報を共有することで、家族の安心感を高め、自分自身もより自由にアクティビティを楽しめます。
ただし、通信環境やバッテリー、プライバシーなどの基本的な注意点を押さえておくことが重要です。
正しく設定し、安全に使えば、LiveTrackはあなたのアウトドアライフをより充実させる心強いパートナーになるでしょう。
