スマートウォッチの裏側でチカチカ光る緑の光。
なんだか不気味に感じたことはありませんか?
SNSなどでは「この緑の光でやけどした」「肌がかぶれた」という声も時々見かけます。
本当にそんなことが起きるのか、気になりますよね。
この記事では、スマートウォッチの緑の光の正体から、皮膚トラブルが起きる理由、そして安全に使うためのポイントまでをわかりやすく解説していきます。
緑の光の正体は「心拍数を測るためのセンサー光」
まず、あの緑の光が何なのか。
これはスマートウォッチが心拍数を測るために使っている「光学式センサー」の光です。
緑のLEDライトを皮膚に当てて、血液中のヘモグロビンが光を吸収・反射する性質を利用し、血流の変化を検出しています。
この仕組みは「光電式容積脈波測定法(PPG)」と呼ばれ、医療機器にも応用される技術です。
つまり、単なる装飾ではなく健康管理のための光。
一般的なLED照明と同じ“可視光”なので、紫外線のような強いエネルギーを持つ光ではありません。
それでも肌トラブルが起きるのはなぜ?
「光そのものは安全」と言われながらも、実際には“赤み”“かゆみ”“水ぶくれ”といった症状を訴える人がいます。
では、その原因はどこにあるのでしょうか。
- 長時間の密着
時計を一日中つけっぱなしにしていると、皮膚が蒸れて汗や皮脂がこもります。
この状態が続くと、皮膚のバリア機能が弱まり、かぶれや炎症を起こすことがあります。 - 摩擦や圧迫
バンドをきつく締めすぎていると、わずかな動きでも摩擦が起こり、皮膚が刺激されます。
特に運動時や就寝中など、長時間の圧迫はトラブルの原因になりやすいです。 - 汗・汚れ・菌の繁殖
手首は汗腺が多く、湿気がこもりやすい部位。
汚れたままのスマートウォッチをつけていると、汗や皮脂がセンサー部分に残り、雑菌が繁殖して炎症を起こすことがあります。 - 素材アレルギー
バンドや裏蓋の素材(金属・シリコン・樹脂など)に対するアレルギーが原因のケースもあります。
特に金属製の留め具やメッキ加工部分は、敏感肌の人に刺激を与えることがあります。 - ソフトウェア不具合による発熱
ごくまれに、センサーのLEDが誤作動して点灯し続ける不具合が報告された例も。
このような場合には、局所的に熱がこもり「低温やけど」のような症状を引き起こす可能性があります。
実際の「やけど報告」はどうなのか?
海外では、Garmin Venu 2 PlusやFitbitなど一部モデルで「センサー部が熱を持って皮膚が赤くなった」「水ぶくれのような跡ができた」という報告があります。
ただし、これらは製品不具合や一時的な制御エラーが原因とされ、光の強さ自体が問題ではありません。
日本国内でも「Apple Watchで丸い跡がついた」といった声はありますが、ほとんどは汗や摩擦による刺激性皮膚炎。
皮膚科医の見解でも「LED光で火傷する可能性は極めて低い」とされています。
つまり、“やけど風”に見える症状の多くは、実際にはかぶれ・接触性皮膚炎・軽い炎症です。
スマートウォッチによる皮膚トラブルを防ぐポイント
「緑の光が怖いからもう使わない」と考える前に、まずは正しい使い方を見直してみましょう。
少しの工夫で肌への負担を大きく減らせます。
1. 手首とウォッチを清潔に保つ
運動や入浴後は、汗や汚れをしっかり拭き取りましょう。
本体の裏面とセンサー部分も、やわらかい布で定期的に拭くと◎。
石けんカスやハンドクリームの残りも刺激になることがあります。
2. バンドをきつく締めすぎない
心拍を正確に測るには密着が必要ですが、強く締める必要はありません。
1本の指が入るくらいのゆとりを持たせ、通気を確保します。
運動時はややきつめでも、終わったらすぐに緩めるのが理想です。
3. 素材を見直す
かゆみや赤みが出やすい人は、金属やゴム素材を避け、通気性のよい布バンドやスポーツ用ナイロンバンドを選びましょう。
替えバンドは純正品や信頼できるメーカーのものを選ぶのが安心です。
4. 皮膚を休ませる
就寝時や長時間デスクワーク中は、一度外して肌を休ませましょう。
皮膚が乾燥していると摩擦でダメージを受けやすいため、軽い保湿も効果的です。
5. 異常が出たらすぐ外す
赤み・痛み・かゆみが出たら、すぐに装着をやめて皮膚を観察。
数日経っても改善しない場合は、皮膚科を受診しましょう。
我慢して使い続けると悪化することがあります。
緑の光は“悪者”ではない。問題は使い方にある
スマートウォッチの緑の光は、もともと人体に有害なものではありません。
ただし、皮膚との密着や湿気など、日常の使い方次第でトラブルが起きることがあります。
つまり、「緑の光=危険」ではなく、「正しく使えば安全」。
バンドの清潔さ、装着時間の調整、素材選びを意識するだけで、肌トラブルの多くは防げます。
医療機器との違いを理解することも大切
医療機器と異なり、スマートウォッチはあくまで“健康管理サポート”を目的とした民生機器です。
精度や安全性の基準も異なります。
だからこそ、日常的に使う私たち自身が、肌や体調の変化に気づいてあげることが重要です。
もし毎日使っていて違和感を感じたら、それは「体からのサイン」。
たとえ最新モデルでも、自分の体との相性が合わない場合は無理に使わず、使い方を見直す勇気も必要です。
トラブルが起きたときの正しい対応
万が一、発疹ややけどのような症状が出た場合は以下のステップを。
- すぐに装着を外す
- 患部をやさしく洗い、清潔な状態で乾かす
- 市販の保湿剤を軽く塗る(強い痛みがある場合は避ける)
- 症状が改善しない場合は皮膚科を受診する
特に「水ぶくれ」「滲出液」「強いかゆみ」がある場合は、自己判断せず医師に相談を。
スマートウォッチのメーカーに不具合報告をすることも再発防止につながります。
安全に使うために覚えておきたいこと
- 緑の光自体で皮膚が焼けることはほとんどない
- トラブルの多くは「汗・摩擦・湿気・素材」が原因
- 清潔・通気・休息の3点を意識すれば予防できる
- 症状が出たら早めに対処し、皮膚科で相談する
どんなデバイスでも「安全性」は使い方と環境に左右されます。
毎日身につけるものだからこそ、定期的に状態をチェックする習慣を持ちましょう。
スマートウォッチの緑の光でやけどする?皮膚を守りながら上手に付き合うために
スマートウォッチの緑の光は、私たちの健康を見守るために働いています。
やけどや皮膚トラブルが心配なときは、光そのものを疑うより、まず「肌」「清潔さ」「装着方法」に目を向けてみてください。
緑の光を正しく理解し、上手に付き合えば、スマートウォッチはこれからも頼れる健康パートナーになります。
