最近、街を歩くと腕にスマートウォッチをつけている人をよく見かけますよね。通知をチェックしたり、健康管理をしたり。スマホと連動して便利なだけでなく、ファッションの一部としても定着しつつあります。では実際、スマートウォッチの普及率はどのくらいなのでしょうか？この記事では、年代別・国別のデータをもとに、今のトレンドをわかりやすく整理してみます。
世界で進むスマートウォッチの普及と市場の拡大
まずは世界の動向から。
2025年時点で、世界のスマートウォッチ利用者はおよそ4億5,000万人を突破したとされています。これは2023年の約3億2,000万人から40％以上の増加です。2030年代には7億人を超えるとの予測もあり、ウェアラブル市場全体で見ても右肩上がりの成長が続いています。
この背景には、健康志向の高まりと技術の進化があります。かつては一部のガジェット好きが使う製品という印象でしたが、いまや日常生活の“インフラ”として浸透しつつあります。
スマートウォッチ市場全体の規模も急拡大中で、2024年には3,000億円を超える規模に。心拍や睡眠、運動量を計測できる高精度なセンサー技術や、スマホ連携のスムーズさが進化し、利用者層が広がりました。
日本でのスマートウォッチ普及率はどのくらい？
日本国内に目を向けると、スマートウォッチの「所有率」はおおむね10〜20％前後といわれています。
調査によって多少の違いはありますが、2025年時点ではおよそ10〜17％程度が実際に使っているというデータが複数報告されています。
つまり、日本ではまだ“5人に1人前後”の割合でしか浸透していないとも言えますが、ここ数年で確実に存在感を高めています。特に都市部では、若い世代を中心に普及が進み、日常的に利用している人も増えています。
一方で、販売台数ベースでは2023〜2024年に一時的な減少が見られました。市場が一巡したとも言われますが、専門家は「買い替えサイクルに入った成熟期」とも分析しており、2025年以降は再び回復が見込まれています。
年代別に見るスマートウォッチの使われ方
スマートウォッチの普及には、明確な年代差があります。
15〜39歳の若年層では所有率が比較的高く、約2割前後。特に20代男性では「通勤やランニングなどのアクティブな生活をサポートするツール」として人気です。
一方、40代以降では健康管理目的での利用が増えます。血中酸素や心拍数の測定、睡眠トラッキングなど、身体の状態を“見える化”できる機能が評価されています。
高齢層では「健康維持のパートナー」としての側面が強く、医療アプリとの連携も進みつつあります。たとえば転倒検知や心電図記録など、命を守る用途としての注目も高まっています。
海外の普及率と日本との比較
国別で見ると、アメリカやヨーロッパ諸国では日本よりも普及が進んでいます。
2025年時点での世界平均普及率は成人の約20％前後と推定され、特に北米や北欧では30％を超える国もあります。
一方で、日本はまだ1割強と控えめ。要因としては価格帯の高さ、充電の手間、デザインの好みなど、ライフスタイルへの馴染みにくさが挙げられます。
ただし、日本でも「健康志向」「時間効率の重視」というトレンドが定着しつつあり、今後はさらに広がる可能性が高いです。特に20〜40代の働く世代が、通勤や運動時の利便性を重視して利用を始めています。
スマートウォッチが選ばれる理由
利用者の多くが口をそろえて挙げるのが「健康管理」と「利便性」。
歩数や消費カロリー、心拍数、睡眠の質などをリアルタイムで把握できることが、健康意識の高い層に響いています。
また、スマホを取り出さずに通知を確認できる便利さも人気の理由です。
会議中や電車内など、スマホ操作が難しい場面でもすぐ確認できる点が好評です。
加えて、最近ではファッション性も進化しています。
丸型やスクエア型などデザインの幅が広がり、カジュアルからビジネスまでシーンに合わせて選べるようになりました。ストラップの交換で気分を変えられる点も好まれています。
普及の壁と今後の課題
一方で、課題もあります。
まず「継続利用率」。購入しても、数か月で使わなくなるケースが少なくありません。
充電の煩わしさや通知の多さなど、日常生活に“少しのストレス”が積み重なり、使わなくなる人もいるのです。
また、個人データの扱いに関する懸念もあります。
心拍や睡眠などのセンシティブな健康データを扱うため、プライバシー保護やセキュリティ面の信頼性が重要になります。企業側は今後、ユーザーが安心して使える仕組みを整える必要があります。
成長が続くスマートウォッチ市場のこれから
国内外の調査では、スマートウォッチ市場は2030年に向けてさらに拡大すると見られています。
年平均10％以上の成長率が予想され、健康管理・フィットネス分野だけでなく、医療や高齢者ケアなど新しい分野でも活用が進むでしょう。
日本市場においても、今後の鍵は「高齢層への浸透」と「生活習慣との一体化」。
すでに20〜40代では定着しつつあるため、今後はより多様な層へアプローチすることで普及が加速する可能性があります。
スマートウォッチの普及率は何％？未来を見据えて
改めて整理すると、スマートウォッチの普及率は国や年代によって差がありますが、
- 世界平均では成人の約20％前後
- 日本では10〜17％ほど
というのが現時点での目安です。
数字だけ見れば「まだこれからの市場」とも言えますが、トレンド全体では確実に“生活の中に溶け込み始めている”段階です。
今後、より軽量で長時間使えるモデルが登場すれば、普及率はさらに上がるでしょう。
スマートウォッチは、単なる時計やガジェットではなく、健康と暮らしを支えるパートナー。
次に腕時計を選ぶとき、「時間を知る」だけでなく「自分を知る」ためのツールとして、スマートウォッチを検討してみるのもいいかもしれません。
