突然の動悸や胸の違和感、息切れ——。そんな症状があっても、病院に行くタイミングって難しいですよね。
でも近年、スマートウォッチで「不整脈（特に心房細動）」のサインを検知できるようになってきました。
この記事では、最新の技術を搭載したスマートウォッチの中から、不整脈を検知できるおすすめ7モデルを紹介します。医療級の精度や認証の有無、日常での使いやすさにも注目して解説します。
不整脈を早期に見つけることが大切な理由
不整脈、とりわけ「心房細動（しんぼうさいどう）」は、自覚症状がないまま進行するケースが多い病気です。
心臓の拍動が乱れることで血液がよどみ、血栓（血のかたまり）ができやすくなります。これが脳に飛ぶと「脳梗塞」などの深刻な疾患を引き起こすことも。
実際、脳梗塞の約3〜4人に1人は心房細動が関係しているとも言われています。
ただし、発作的に起きるタイプは病院で検査しても“その瞬間”を捉えにくいのが課題。
そこで役立つのが、日常的に心拍リズムを測り続けられるスマートウォッチなんです。
スマートウォッチが不整脈を検知できる仕組み
スマートウォッチが心拍の乱れを検出する主な方法は2つ。
1. PPGセンサー（光学式）
LEDライトを使って血流の変化を読み取り、脈のリズムを分析します。
脈拍が不規則になったとき、「不整脈の疑い」として通知してくれる機能を持つモデルもあります。
常に装着しているだけで24時間モニタリングできるのが魅力です。
2. ECG（心電図）センサー
本体やリューズ部分に電極を搭載し、指先を当てることで心臓の電気信号を直接測定します。
病院で使う12誘導心電図ほどの情報量はありませんが、1誘導心電図として「洞調律」「心房細動」の判定を行うことが可能です。
この2種類を組み合わせたモデルなら、より正確に心臓の状態を把握できます。
ただし「診断」ではなく「気づき」のために使う
ここで注意したいのは、スマートウォッチは“医師の診断を代替するものではない”という点です。
測定精度は高まっていますが、あくまで「不整脈の可能性を知らせるツール」。
通知があった場合は、必ず医療機関で心電図検査を受けてください。
誤検知（誤って不整脈と判断）や、見逃し（本当は不整脈があるのに通知されない）も起こり得ます。
大切なのは、過信せず“異常のきっかけ”としてうまく活用することです。
医療級精度で安心！不整脈検知におすすめのスマートウォッチ7選
ここからは、不整脈検知や心電図機能を備えた注目のモデルを紹介します。
使いやすさ・精度・コスパのバランスを考慮してピックアップしました。
1. HUAWEI WATCH D2
特徴：医療機器認証取得済み／血圧＋心電図測定
厚生労働省の医療機器認証を受けた本格派。
血圧測定機能も備え、ECG（心電図）記録も可能です。
1台で「血圧」「脈拍」「心電図」「睡眠」などを総合管理できるため、日々の健康チェックに最適。
睡眠中の血圧変化も自動測定できるのが強みです。
2. Apple Watch Series 10（またはApple Watch Ultra 2）
特徴：心房細動の兆候を自動検知／信頼のエコシステム
Apple独自の心電図アプリが搭載されており、手軽にECGを記録できます。
さらに、バックグラウンドで脈のリズムを常時チェックし、不整脈の可能性を通知してくれる機能も。
世界中の臨床研究（Apple Heart Studyなど）で実証データが蓄積されている点も安心材料です。
3. Garmin Venu 3
特徴：医療級ECGアプリ搭載（国内承認済）
GarminもECG機能に対応し始めています。
光学式センサーによる心拍モニタリングに加え、手動ECG測定にも対応。
運動中でも安定して心拍をトラッキングできるので、健康管理とフィットネスの両立が可能です。
4. Fitbit Sense 2
特徴：ストレス管理＋心電図＋皮膚電気活動
Fitbitの上位モデルで、心電図とPPGによる不整脈検出が可能。
Google Fitと連携し、データを一元管理できます。
ストレス指標や睡眠スコアも加味して総合的に“体の調子”を可視化できる点が魅力です。
5. Withings ScanWatch 2
特徴：アナログ×デジタルの融合／欧州医療認証取得
見た目はクラシカルなアナログ時計ながら、心電図・SpO₂・不整脈検知を搭載。
欧州CEマークを取得しており、医療精度の高さが特徴です。
スーツにも合うデザインで、ビジネスシーンにも自然に馴染みます。
6. 医療レベルECG＋PPG搭載スマートウォッチ（日本製センサー）
特徴：低価格ながら多機能／セルフチェック用途に最適
ECG＋PPGの両方を搭載した高コスパモデル。
血圧・血中酸素・睡眠も記録可能で、スマートフォン連携アプリからグラフで確認できます。
医療機器認証はありませんが、セルフモニタリングを始めたい人におすすめ。
7. Xiaomi Redmi Watch 5 Active
特徴：エントリー向け／不整脈の“入り口”として
手軽な価格で基本的な健康管理機能を網羅。
PPGベースで脈の不規則性を検知し、リズムの乱れを知らせてくれます。
本格的なECGは非対応ですが、「まず試してみたい」という方にぴったりです。
スマートウォッチで不整脈をチェックする際のポイント
- 手首にしっかり密着させること
センサーが浮くと精度が落ちます。緩すぎず、きつすぎず装着を。 - 測定は静止状態で行う
運動中や手を動かしていると、誤検知しやすくなります。 - 異常通知があっても慌てない
1回の通知で結論を出さず、何度か計測して確認を。 - 医療機関にデータを見せる
心電図データを保存しておけば、医師の診察時に役立ちます。
これらを意識することで、スマートウォッチをより正確に活用できます。
医師や専門家の見解：スマートウォッチは“健康の入り口”
多くの循環器専門医は、スマートウォッチを「健康への入口」として評価しています。
無症状の心房細動を早期に発見できる可能性があり、実際にスマートウォッチの通知をきっかけに診断・治療につながるケースもあります。
ただし、医師たちは口をそろえてこう言います。
「スマートウォッチの通知は“疑い”であって、診断ではない」
だからこそ、異常を感じたら医療機関で検査を受けることが大切なのです。
不整脈を検知できるスマートウォッチで、安心を日常に
スマートウォッチは、健康を“見える化”する心強いパートナーです。
特に不整脈のように症状が出にくい疾患では、日々の記録が早期発見につながることもあります。
ただし、万能ではありません。
機器を過信せず、「異常を知らせてくれるきっかけ」として活用する姿勢が大切です。
そのうえで医療機関と連携すれば、心臓の健康を守る大きな味方になるでしょう。
あなたの手首に、小さな“安心”を。
不整脈を検知できるスマートウォッチで、今日から健康管理を一歩進めてみませんか。
