ゲームをプレイしていると、「なんか最近フレームレートが安定しない」「ファンの音がうるさくなった」と感じること、ありませんか？
それ、もしかしたら“ゲーミングPCの置き方”が原因かもしれません。実は、PCをどこに、どんなふうに設置しているかで冷却効率が大きく変わり、ひいては性能や寿命にも影響してくるんです。
今回は、パフォーマンスを引き出すための最適な配置や、意外と見落とされがちな注意点をわかりやすく紹介します。
なぜ置き方で性能が変わるのか？
ゲーミングPCは、一般的なデスクトップよりも内部の発熱が多くなります。
CPUやGPUが高温になると、部品を守るために性能を自動で抑える「サーマルスロットリング」が働きます。これが、プレイ中のカクつきや処理落ちの一因です。
では、なぜ設置場所がそれに関係するのか。
それは、エアフロー（空気の流れ）と排熱に密接に関わるからです。
PCケースの内部では、前面や底面から冷たい空気を吸い込み、背面や上面から熱を排出する仕組みになっています。
ところが、壁に密着させたり、机の下の狭いスペースに詰め込んだりすると、熱がこもって排気がうまくいかず、内部温度が上昇します。結果的にファンの回転数が上がり、騒音が増え、冷却も追いつかなくなるという悪循環に。
つまり、「冷やしやすい環境を作る＝性能を守る」ことにつながるんです。
置き方で差が出るエアフローの基本
最適な置き方を考えるには、まず空気の通り道をイメージするのがポイントです。
- 吸気口（前面・底面）を塞がない
→ 吸気が足りないと、内部に熱気がこもります。特に床置きはホコリを吸いやすく、フィルターがすぐ詰まります。 - 排気口（背面・上面）に十分な隙間を作る
→ 壁から10cm以上は離すのが理想。排気がスムーズになることで冷却効果が高まります。 - ケース内の風の流れを意識する
→ 前から入って後ろへ抜ける流れができているかを確認。ファンの方向が逆になっていないかチェックするのも大切です。
こうした基本を押さえるだけでも、内部温度が数度下がることがあります。
その差は小さいようでいて、長時間のゲームや動画編集では確実に効いてきます。
デスクの上に置くメリットと注意点
もっとも無難で安定しているのが、デスク上設置です。
デスクの上に置くことで、床のホコリや湿気の影響を受けにくくなり、掃除もしやすくなります。USBポートや電源ボタンにもアクセスしやすく、メンテナンスも簡単です。
ただし、いくつか注意点があります。
- デスクの耐荷重を確認する
ゲーミングPCは10kg〜20kgを超えることも珍しくありません。特にフルタワー型を机の端に置くと、たわみや転倒の危険があります。 - 背面・側面のクリアランスを確保する
モニターや壁に近づけすぎると排熱が滞るので、最低でも手のひら1枚分（10〜15cm）は空けておきましょう。 - 直射日光を避ける
窓際で太陽光が当たる位置は、ケースが温まりすぎる場合があります。カーテンやブラインドを使って日差しを遮るのが無難です。
机上設置は快適ですが、スペースの関係で難しい場合は次の選択肢も検討してみましょう。
デスク横・床近くに置く場合のコツ
机の下や横に置くと、見た目がすっきりし、デスク上のスペースも広がります。
ただし、床に直置きは避けるのが鉄則です。
床はホコリが溜まりやすく、吸気口が塞がれやすいため、内部が汚れやすくなります。ファンやヒートシンクにホコリが付着すると冷却効率が落ち、結果的にパフォーマンス低下につながります。
おすすめは、「PCスタンド」や「すのこ」「キャスター付き台」などを使って、床から5cm以上浮かせる方法。
これだけで吸気が改善され、メンテナンスもしやすくなります。
また、机下に設置する場合は以下も意識しましょう。
- 机の脚や壁で排気口を塞がない
熱気が抜けにくくなり、内部温度が上がります。 - 掃除しやすい位置に置く
定期的にホコリを除去しないと、冷却効率が目に見えて落ちます。
床置きはスペース効率は良いですが、清掃や通気性への配慮が欠かせません。
壁際・モニター裏など特殊な設置はアリ？
最近では、見た目を重視してモニター裏にPCを隠したり、壁掛けにする人も増えています。
ただし、これはケースの排熱構造と設置環境次第です。
壁との距離が近すぎると熱がこもりやすく、排気ファンの寿命を縮めるリスクもあります。
どうしてもスッキリ見せたい場合は、USB扇風機などで風を流す補助をしてあげるとよいでしょう。
また、コンパクトケースやミニPCは設置の自由度が高い反面、内部のエアフローが制限されがちです。
見た目優先のレイアウトにするなら、こまめな温度チェックを忘れないように。
地震・転倒対策も見逃せない
日本のように地震の多い国では、設置の安定性も大切です。
特に重量のあるタワー型は、倒れると中のパーツに衝撃が加わる危険があります。
・壁に寄せて設置する
・滑り止めシートや耐震マットを使う
・ケーブルを引っ張って動かないようにする
こうした簡単な工夫だけでも、転倒や落下のリスクを大幅に減らせます。
快適に使い続けるためのメンテナンス習慣
置き方を工夫しても、時間とともにホコリはたまります。
冷却性能を維持するために、定期的にチェックしたいポイントがあります。
- 吸気フィルターの清掃（1〜2か月に1回）
- ファンやヒートシンクの埃取り（エアダスターなどで軽く吹く）
- 室温が高すぎないか確認（夏は28℃以下を目安）
また、ケース内の配線を整理しておくと、空気の流れが良くなり温度が下がりやすくなります。
ほんの少しの工夫で静音性も上がり、ファンの劣化を防ぐことにもつながります。
ゲーミングPCの置き方を見直して、性能を最大限に引き出そう
ゲーミングPCは「置き方ひとつ」で、快適さも寿命も大きく変わります。
冷却しやすく、ホコリがたまりにくく、メンテナンスがしやすい配置を選ぶことで、本来の性能を引き出せます。
机の上に置くか、横に置くか、床から浮かせるか──どんな選択でも、通気性と安定性を最優先に。
見た目のスッキリ感も大切ですが、まずはPCが呼吸できる環境を整えてあげることが一番の“チューニング”です。
ゲーム中のパフォーマンスが安定し、ファンの音も静かになる。
それは、あなたのゲーミングPCが快適に動いている証拠です。
今日からぜひ、置き方を見直してみてください。
小さな工夫で、あなたのPCライフはぐっと快適になります。
