ゲーム中に「ラグがひどい」「敵を見つけても反応が遅れる」「通信切断で負ける」──そんな経験、ありませんか?
実は、ゲーミングPCのスペックがどれほど高くても、回線速度や通信の安定性が悪ければ快適なプレイはできません。
この記事では、ゲーミングPCで回線速度を上げるための具体的な方法や、通信品質を改善するコツをわかりやすく解説します。難しい専門用語はなるべく避け、誰でもすぐ試せる実践的な内容をまとめました。
回線速度が遅いと何が起きるのか?
オンラインゲームでは、常にサーバーとデータをやり取りしています。
そのため、単に「速い回線」よりも安定して遅延の少ない通信が重要になります。
「回線速度」と一言でいっても、実際には以下の要素が関係しています。
- ダウンロード速度:ゲームデータを受け取る速度
- アップロード速度:操作情報を送信する速度
- Ping値(遅延):通信の反応速度
- ジッター:通信のブレ(ばらつき)
- パケットロス:データが途中で失われる割合
ゲームに影響するのは、特に「Ping値」と「ジッター」です。
Ping値が高いと「操作が遅れて反映される」状態になり、FPSや格闘ゲームでは致命的。理想は15ms以下、30ms以内なら十分快適です。
まずは現状をチェックしよう
回線を改善する前に、「今どのくらいの速度・品質なのか」を把握することが大切です。
Googleで「速度テスト」と検索すれば、すぐに測定できます。
見るべきポイントは以下の3つ。
- ダウンロード速度:70Mbps以上なら多くのゲームで十分
- アップロード速度:10Mbps以上を目安に
- Ping値:20ms以下が理想、50msを超えると遅延を感じやすい
もしPingが高い・速度が出ない場合は、これから紹介する対策を一つずつ試していきましょう。
有線接続に変えるだけで劇的改善!
最も効果が大きいのが「Wi-Fiから有線LANに切り替える」こと。
無線接続は電波干渉や距離の影響を受けやすく、安定性に欠けます。
有線ならノイズの影響がほとんどなく、速度も安定します。
LANケーブルを選ぶときは、以下の規格をチェックしましょう。
ルーターとPCが離れている場合は、ケーブルを延ばしてもOK。
長さよりも「安定性」を優先するほうが、ゲームには確実に有利です。
Wi-Fiを使うなら設定を最適化!
「部屋が離れていてケーブルを伸ばせない」──そんな人も多いでしょう。
Wi-Fiを使う場合は、設定と環境を整えるだけで大きく改善できます。
ポイントはこの5つです。
- 5GHz帯を使う:2.4GHzより速く、干渉が少ない
- ルーターを高い位置に設置:床置きより電波が通りやすい
- 障害物を避ける:壁や金属、電子レンジは電波の天敵
- メッシュWi-Fi・中継器を活用:距離があるなら設置を検討
- ルーターのチャネル変更:周囲と干渉していると遅くなる
特に5GHz帯の利用は効果的。
対応していない古いルーターを使っているなら、買い替えを検討しても良いでしょう。
ルーター・機器のスペックを見直す
古いルーターやLANケーブルは、それだけで通信のボトルネックになります。
せっかく高速回線を契約していても、機器が対応していなければ性能を発揮できません。
確認したい項目は次のとおりです。
- ルーターが**Wi-Fi 6(11ax)またはWi-Fi 6E**/Wi-Fi 7**に対応しているか
- LANポートがギガビット(1Gbps)対応か
- LANケーブルがCat6以上の規格か
- ファームウェアが最新か
また、ルーターの設定画面に「QoS(Quality of Service)」や「ゲーム優先モード」がある場合は、オンにしておくと特定の通信(ゲームなど)を優先できます。
バックグラウンド通信を制御する
意外と盲点なのが、裏で動いているアプリや他の端末です。
ゲーム中にスマホや別のPCが動画を見たり、大容量のダウンロードをしていたりすると、それだけで速度が落ちます。
対策としては以下の通り。
- Windowsの自動更新をプレイ中は一時停止
- クラウド同期(Google DriveやOneDrive)を止める
- ダウンロードソフト(Steamなど)はゲーム中に動かさない
- 家族が動画やネット会議をしている時間を避ける
さらに、ウイルス感染で裏で通信が発生しているケースもあるので、定期的にセキュリティチェックを行いましょう。
回線契約・プロバイダーを見直す
ここまで試しても改善しない場合、契約している回線そのものに原因があるかもしれません。
特にマンション共有回線では、夜間など混雑時に速度が落ちることがあります。
また、プロバイダーによっては接続方式が古く、通信が混雑しやすいことも。
見直すポイントは3つ。
- IPv6(IPoE)対応か確認:混雑しにくく、速度が安定
- 光回線を利用しているか:ADSLやケーブル回線は遅くなりがち
- プロバイダーを変更:口コミでゲーム用途に強い業者を選ぶ
もし乗り換えるなら、違約金補償やキャッシュバックを活用するとお得です。
ただし、広告の誇大表現に注意し、契約内容をよく確認してから申し込みましょう。
PCの設定・ソフトウェアも見逃さない
ネットワーク機器だけでなく、ゲーミングPC自体の設定も通信に影響します。
- OSやドライバを最新状態に保つ
- ネットワークアダプターの省電力設定をオフにする
- 不要な常駐アプリを終了する
- ウイルス対策ソフトで定期的にスキャンする
また、LANドライバが古いと速度が出ないこともあります。
マザーボードメーカーの公式サイトから最新版をダウンロードしておきましょう。
測定→改善→再測定のサイクルを回す
改善を試したら、再度速度を測定して結果を比較します。
「どの対策が効果的だったか」を把握することで、次に何をすべきかが見えてきます。
理想的なサイクルは以下の通り。
- 現状を測定(速度・Ping・ジッター)
- 対策を1つずつ試す(有線化、ルーター設定、機器更新など)
- 再測定して効果を確認
- 改善しなければ別の要因を疑う
一度に全部変えると、どの施策が効いたのか分からなくなります。
焦らず、一つずつ検証していくのがポイントです。
まとめ:ゲーミングPCの回線速度を上げる方法!通信速度改善のコツとは
最後に、今回紹介した内容を整理します。
- 有線接続が最強。LANケーブルはCat6以上を使用
- Wi-Fiを使うなら環境最適化(5GHz・設置位置・中継器)
- ルーター・ケーブルの規格を見直す
- バックグラウンド通信を制御して帯域を確保
- IPv6/光回線など上位プランを検討
- PCやドライバの更新も忘れずに
これらを順番に実施すれば、回線速度の改善だけでなく、ラグのない安定したプレイ環境を手に入れられます。
回線が安定すると、ゲームの楽しさも倍増します。
スペックだけでなく、通信環境も「もうひとつの武器」として整えていきましょう。
