ゲーミングPCを使っていると、「最近動作が重い」「ゲームがカクつく」「設定をリセットしたい」など、さまざまな理由で“初期化”を検討することがあります。
でも、「初期化ってデータが全部消えるの?」「どうやってやるの?」「ゲーミングPC特有の注意点は?」と不安になる人も多いはず。
この記事では、ゲーミングPCの初期化方法と注意点、そして初期化後の再設定のコツを、初心者でも分かるようにやさしく解説していきます。
初期化をする理由とメリット
まずは「なぜ初期化が必要なのか」を知っておきましょう。ゲーミングPCは高性能ですが、長く使っているうちに動作が遅くなったり、トラブルが増えることがあります。
主な理由は以下のとおりです。
- 不要なアプリやデータがたまって処理が重くなる
- ドライバやソフトの不具合が蓄積して安定性が低下する
- 新しい環境にリフレッシュして快適に使いたい
- 売却や譲渡前に個人データを完全に消したい
初期化することで、PCを新品に近い状態に戻せます。
つまり、動作が軽くなり、ゲーム中のフレームレート低下やエラーの改善が期待できるというわけです。
初期化前にやっておくべき準備
「初期化=データをすべて削除する」可能性があるため、準備を怠ると後で後悔します。特にゲーミングPCの場合は、ゲーム関連のデータや設定を守ることが重要です。
バックアップを取る
最低限、以下のデータは外付けHDDやクラウドにバックアップしておきましょう。
- ゲームのセーブデータ(Steam、Epic、Originなど)
- スクリーンショットや動画
- ドライバのインストーラや設定ファイル
- アカウント情報やライセンスキー
ゲームによってはクラウドセーブに対応していますが、念のためローカルデータもコピーしておくと安心です。
ドライバの準備
初期化後はグラフィックボード(GPU)やマザーボードのドライバを再インストールする必要があります。
NVIDIAやAMD、Intelの公式サイトから、最新のドライバを事前にダウンロードしてUSBに保存しておくとスムーズです。
電源とネット環境を確認
初期化中に電源が落ちると、最悪OSが破損することもあります。
ノートPCならACアダプターを接続、デスクトップなら電源が安定していることを確認しましょう。
また、クラウド経由でリセットする場合はインターネット環境も必要です。
Windows 11/10での初期化手順
ゲーミングPCの多くはWindowsを搭載しています。ここでは、Microsoft Windows 10 Pro Anniversary Update USBフラッシュドライブの標準機能を使った初期化手順を紹介します。
スタートメニューからリセットする方法
- スタートメニュー → 設定 → システム → 回復 を開く
- 「このPCをリセットする」をクリック
- 「個人用ファイルを保持する」または「すべて削除する」を選択
- 「クラウドからダウンロード」か「ローカル再インストール」を選ぶ
- 内容を確認し、「リセット」をクリック
このあと自動的に再起動と初期化が行われ、数十分〜1時間ほどで完了します。
「個人用ファイルを保持する」を選べばドキュメントなどは残りますが、アプリや設定は消える点に注意しましょう。完全にリフレッシュしたい場合は「すべて削除する」を選ぶのがおすすめです。
サインインできない場合の初期化方法
OSが起動しない場合は「回復オプション」から初期化できます。
- サインイン画面で Shiftキーを押しながら「再起動」
- 「トラブルシューティング」→「このPCを初期状態に戻す」
- 上と同じく「ファイルを保持する/すべて削除する」を選択
この手順なら、Windowsが正常に動作していなくても初期化が可能です。
メーカー独自のリカバリ機能もチェック
BTOメーカー(ドスパラ、マウス、パソコン工房など)や大手PCブランドでは、独自のリカバリ機能が用意されています。
電源を入れた直後に「F9」「F11」「F12」キーなどを押すと、出荷時状態に戻すメニューが起動することがあります。
この方法だと、購入時に入っていたドライバやソフトも自動で再インストールされます。
ただし、不要なアプリも復活するので、初期化後に整理するのを忘れずに。
初期化後に行うべき設定とチェック
初期化した直後のPCは、最低限の状態。
ここから、ゲーミングPCとして快適に使うための再設定を行いましょう。
Windows Updateとドライバ更新
まずはWindows Updateを実行して、最新のセキュリティパッチを適用します。
その後、GPUドライバ、チップセット、ネットワーク、サウンドなどのドライバを順にインストール。
最新の状態にすることで、ゲーム中のクラッシュや描画不具合を防げます。
ゲーム環境の再構築
- SteamやEpicなどのランチャーをインストール
- クラウド保存していたゲームを再ダウンロード
- マウスやキーボードの設定ソフトを入れる
- モニターのリフレッシュレートを確認(144Hz/240Hzなど)
- Windowsの「ゲームモード」を有効化
これらを済ませれば、初期化前よりも軽快で安定したゲーム環境を取り戻せます。
初期化で起こりがちなトラブルと対処法
初期化は便利ですが、いくつか注意すべき落とし穴もあります。
初期化中に電源が落ちた
再起動ループに陥る可能性があります。
電源を入れ直しても改善しない場合は、インストールメディア(USBなど)からクリーンインストールを試しましょう。
ドライバを入れ忘れてゲームが重い
意外と多いのがこのパターン。GPUドライバが正しく入っていないと、グラフィック性能が大幅に低下します。
デバイスマネージャーでドライバが最新か確認し、必要なら手動で更新しましょう。
データを完全に消したい
譲渡・売却前に完全消去したい場合は、「すべて削除する」に加えて「ドライブをクリーンアップする」を選択します。
これでデータ復元ソフトでも読み取れない状態にできます。
初期化後の快適さを長持ちさせるコツ
せっかく初期化しても、すぐにまた動作が重くなったらもったいないですよね。
以下のポイントを意識すれば、クリーンな状態を長く維持できます。
- 不要なアプリは極力インストールしない
- スタートアップアプリを整理して起動を早くする
- 定期的にWindows Updateとドライバ更新を行う
- 大型ゲームをSSDにインストールして読み込みを高速化
- 温度管理を意識して、ホコリを掃除する
このあたりを意識しておくと、初期化直後の軽快な状態が長く続きます。
ゲーミングPCの初期化方法とは?簡単にできる手順を再確認
最後にもう一度まとめましょう。
- バックアップを取る
- ドライバとアカウント情報を保存
- 設定 → システム → 回復 から初期化
- 終了後、Windows Updateとドライバを更新
- ゲーム環境を再構築して快適化
ゲーミングPCの初期化は、難しそうに見えて意外とシンプルです。
正しく手順を踏めば、重くなったPCを新品同様に蘇らせることができます。
動作がもたついたり、設定がごちゃついてきたと感じたら、ぜひ一度試してみてください。
そして、初期化をきっかけに、自分だけの最適なゲーミング環境を再構築してみましょう。
