「ゲーミングPCを自分で組みたいけど、どんなパーツが必要なの?」
そう思って調べてみても、専門用語ばかりで混乱する人は多いはず。
でも安心してください。実はゲーミングPCの構成は、基本を押さえればそこまで難しくありません。
この記事では、初心者が迷わず理解できるように「ゲーミングPCを構成する主要パーツ」と「それぞれの役割・選び方のポイント」を丁寧に紹介していきます。
ゲーミングPCを支える8つの主要パーツ
ゲーミングPCを組むには、次の8つのパーツをそろえるのが基本です。
- CPU(中央処理装置)
- GPU(グラフィックボード)
- メモリ(RAM)
- ストレージ(SSD/HDD)
- マザーボード
- 電源ユニット(PSU)
- PCケース
- 冷却ファン・クーラー
ここでは、それぞれの役割と選び方を分かりやすく見ていきましょう。
CPU ― ゲーミングPCの「頭脳」
CPU(シーピーユー)は、パソコン全体の指揮をとる“頭脳”のような存在。
ゲームの挙動やアプリの動作を制御する中心的なパーツです。
ゲームを快適に動かすためには「コア数」「クロック(動作周波数)」が重要です。
シンプルに言えば、コア数が多いほど同時にたくさんの処理をこなせて、クロックが高いほど1つの処理が速く終わります。
初心者向けにおすすめなのは、最新世代のミドルクラスCPU。
例えば「Intel Core i5」や「AMD Ryzen 5」クラスなら、多くのゲームを十分快適に動かせます。
配信や動画編集もしたい場合は、上位モデル(Core i7/Ryzen 7)を検討すると余裕があります。
注意したいのは、マザーボードとの互換性。
CPUにはそれぞれ「対応ソケット」があり、対応していないマザーボードには取り付けられません。購入前に必ず確認しましょう。
GPU ― ゲーム映像を描く「心臓部」
GPU(グラフィックボード)は、ゲームにおいて最も重要なパーツの一つ。
映像の描画や3D処理を担当し、画質・フレームレートに直結します。
フルHD(1920×1080)のモニターで遊ぶなら、**ミドルクラスGPU(例:GeForce RTX 4060/Radeon RX 7600)**が目安。
高解像度(4K)や高リフレッシュレート(144Hz以上)のモニターを使うなら、**上位モデル(RTX 4070 Ti以上)**が快適です。
また、VRAM容量(GPU専用メモリ)も重要です。
8GBが現状の基準で、最新タイトルを高設定で遊ぶなら12GB以上が安心。
グラフィック性能が上がるほど発熱・消費電力も増えるので、電源ユニットと冷却環境の強化もセットで考えましょう。
メモリ ― ゲームとアプリの「作業スペース」
メモリ(RAM)は、ゲームやアプリが動作中に使う一時的な作業領域。
容量が足りないと、動作がカクついたり、ロード時間が長くなったりします。
2025年現在、16GB(8GB×2枚)が一般的な基準。
配信や複数のアプリを同時に使うなら32GBあると安心です。
メモリには速度(クロック数)もあり、DDR5などの新しい規格は処理効率が高い傾向にあります。
ただし体感差はGPUほど大きくないため、まずは容量を優先しましょう。
ストレージ ― ゲームの「倉庫」
ストレージは、ゲームやOS、動画・画像などのデータを保存する場所です。
現在の主流はSSD(ソリッドステートドライブ)。
従来のHDDに比べて読み込み速度が数倍速く、ゲームの起動やロード時間を大幅に短縮できます。
おすすめは、500GB~1TBのNVMe SSD。
「OS+よく遊ぶゲーム」をSSDに入れて、「大容量データ保存用にHDDを追加する」構成も定番です。
SSDは発熱しやすいため、マザーボードにヒートシンクがあるか、冷却が十分かも確認しておきましょう。
マザーボード ― 全パーツをつなぐ「司令塔」
マザーボードは、すべてのパーツをつなぐ基盤。
パーツ同士の通信や電力供給、拡張性を支えます。
選ぶときの基本は「CPUに対応しているか」。
次に「チップセット」「サイズ(ATX/microATXなど)」「拡張スロットの数」をチェックしましょう。
ゲーミング用途なら、**M.2スロット(高速SSD用)やPCIeスロット(GPU用)**がしっかり確保されたモデルを選ぶのがポイント。
また、後々メモリを増設したい人は、メモリスロットの空きも確認を。
電源ユニット ― 安定動作を支える「縁の下の力持ち」
電源ユニット(PSU)は、各パーツに電気を供給する装置。
意外と軽視されがちですが、品質が悪いとPCの不安定化や故障の原因になります。
目安として、GPUとCPUの消費電力を合計して、1.3倍程度の容量を確保すると安心です。
たとえばRTX 4070クラスなら650〜750W、上位GPUなら850W以上が目安。
また、「80PLUS認証(電源効率の基準)」が付いたモデルを選ぶと、無駄な発熱が少なく安定性が高いです。
信頼できるメーカー(Seasonic Power Supply SS-500ET、CORSAIR RM750x 2018モデル、CORSAIR RM850e 2025モデルなど)から選びましょう。
PCケース ― 見た目と冷却のバランスが大切
PCケースは、内部パーツを保護し、空気の流れ(エアフロー)を確保する役割があります。
冷却性能と静音性、そして見た目のデザインも選定ポイント。
初心者には、中型のミドルタワーケースが扱いやすくおすすめ。
パーツの取り付けスペースに余裕があり、配線もしやすいです。
選ぶときは次の点を確認しておきましょう。
- GPUやCPUクーラーのサイズが入るか
- ファンを追加できるスペースがあるか
- メンテナンス(掃除・ケーブル整理)がしやすいか
RGBライティングなどの見た目にこだわるのも、ゲーミングPCならではの楽しみですね。
冷却ファン・CPUクーラー ― 性能を安定させる「空気の流れ」
高性能パーツは発熱が大きいため、冷却対策は欠かせません。
冷却が不十分だと、性能が自動的に落とされ(サーマルスロットリング)、ゲームがカクつくことも。
CPUクーラーは、空冷タイプと水冷タイプの2種類があります。
- 空冷クーラー:手軽でコスパが良い。メンテナンスも簡単。
- 簡易水冷クーラー:冷却性能が高く、見た目もスタイリッシュ。静音性も高い。
ケースのエアフロー(空気の流れ)も重要です。
前面から吸気し、背面と上部から排気する“前吸気・後排気”の構成が基本。
ファンの数や位置を工夫して、効率的に熱を逃がしましょう。
周辺機器 ― ゲーム体験を高めるアイテムたち
本体が完成したら、周辺機器にもこだわりたいところ。
特に以下の3つは、ゲーム体験を大きく左右します。
- モニター
リフレッシュレート(60Hz/144Hz/240Hz)や応答速度が重要。
GPU性能に合わせて選ぶと、描画の滑らかさが全然違います。 - ゲーミングキーボード/マウス
打鍵感・クリック感・応答速度など、好みやプレイスタイルに合わせて選ぶと快適。
ワイヤレスでも遅延の少ないモデルが増えています。 - ヘッドセット
立体音響やノイズキャンセリング機能付きなら、臨場感のあるプレイが可能。
長時間プレイするなら装着感の軽さも大事です。
ゲーミングPCを組むときの考え方
最後に、初心者が覚えておきたい「構成の考え方」をまとめます。
- 目的を決めることが第一歩
「フルHDで遊びたいのか」「4Kで最高設定を目指すのか」。目的が違えば必要なパーツ性能も変わります。 - バランスが最重要
GPUだけ高性能でも、CPUや電源が弱いと性能を活かせません。全体のバランスを意識しましょう。 - 将来の拡張性を意識
あとからパーツを増やせるように、余裕のあるマザーボードやケースを選ぶと長く使えます。 - 冷却と電源はケチらない
見えない部分こそ、安定性や寿命を左右します。信頼できるメーカー品を選ぶのが正解です。
ゲーミングPCパーツ一覧のまとめ
ここまで紹介してきたように、ゲーミングPCは「CPU・GPU・メモリ・ストレージ・マザーボード・電源・ケース・冷却」など、複数のパーツがバランス良く組み合わさってこそ本領を発揮します。
初心者にとって最初の構築は確かにハードルが高く見えますが、仕組みを理解すれば自分だけの“理想のマシン”を作る楽しさが待っています。
まずは予算と目的を決めて、今回紹介したパーツ一覧を参考に、自分にぴったりのゲーミングPCを構成してみてください。
