ワイヤレスイヤホンを使っていて、気づいたら誰かに電話をかけていた——そんな経験、ありませんか?
「勝手に電話をかけた!?」と驚く人は意外と多く、実はこの現象には明確な原因があります。今回は、なぜワイヤレスイヤホンが勝手に電話をかけてしまうのか、そして誤発信を防ぐためにできる設定と注意点をわかりやすく解説します。
ワイヤレスイヤホンが勝手に電話をかける原因
まずは、なぜそんなことが起きるのか。その原因は大きく分けて「イヤホンの操作誤り」と「スマホ側の設定・仕様」にあります。
1. 誤操作によるリダイヤルや音声発信
多くのBluetoothイヤホンには、再生・停止・曲送りだけでなく、通話操作の機能も割り当てられています。
たとえば「ボタンを2回押す」「長押しする」などの操作で、直前にかけた番号に自動でリダイヤルしてしまう機種もあります。
この仕様を知らないまま触れてしまうと、意図せず電話を発信してしまうのです。
さらに、タッチセンサー型イヤホンでは髪や衣服が触れるだけで誤作動することも。特にポケットやバッグの中に入れたままの状態では、軽い圧力でボタンが押されてしまうケースも少なくありません。
2. 音声アシスタントの誤起動
「Hey Siri」や「OK Google」といった音声アシスタント機能を呼び出す設定がオンのままだと、イヤホン操作や雑音をきっかけに誤認識し、勝手に電話をかけてしまうことがあります。
音声コマンドを「電話かけて」などと誤認識してしまえば、当然ながら発信が始まってしまいます。
3. Bluetoothの通話プロファイル
Bluetoothイヤホンは、音楽再生用のA2DPプロファイルと、通話用のHFP/HSPプロファイルを同時に使っています。
この通話プロファイルが有効になっていると、イヤホン側から通話操作が可能になります。
音楽専用として使っている場合でも、スマホは「通話ができるデバイス」と認識してしまうため、誤発信が起こりやすいのです。
iPhoneで誤発信を防ぐ設定
iPhoneではいくつかの設定を変更することで、ワイヤレスイヤホン経由の誤発信を防ぐことができます。
音声ダイヤルをオフにする
- 「設定」を開く
- 「Face IDとパスコード(またはTouch IDとパスコード)」を選択
- 「音声ダイヤル」をオフにする
これでロック中にイヤホン経由で音声発信されるのを防げます。
ロック中のSiriを無効にする
- 「設定」→「Siriと検索」
- 「ロック中にSiriを許可」をオフ
誤操作でSiriが起動し、勝手に電話をかけるといった事態を防ぎます。
Bluetoothイヤホンの通話設定をオフにする
- 「設定」→「Bluetooth」
- 接続中のイヤホンの「i」マークをタップ
- 「通話音声」をオフ
これで通話プロファイルを無効化し、イヤホンから発信すること自体を防げます。
音楽再生はそのまま利用できるため、音楽専用として使う人におすすめです。
Androidで誤発信を防ぐ設定
Androidでも同様に、Bluetooth接続時の通話機能を制御することで誤発信を防ぐことが可能です。
Bluetooth機器の通話権限を外す
- 「設定」→「接続済みのデバイス」または「Bluetooth」
- 接続しているイヤホンの歯車アイコンをタップ
- 「通話」または「通話音声」のチェックを外す
これでイヤホンから通話が行われなくなります。音楽再生は引き続き利用できます。
音声アシスタントのトリガーを無効にする
Googleアシスタントの誤認識が原因の場合も多いため、
「設定」→「Googleアシスタント」→「音声マッチ」→「このデバイスでHey Googleを有効にする」をオフにしておきましょう。
自動通話応答を停止する
一部スマホには「自動応答」「自動発信」などの設定項目があります。これが有効になっていると、イヤホンの接続時に勝手に通話が始まることも。
設定アプリ内の「通話設定」や「アクセシビリティ」で確認してみてください。
イヤホン側でできる対策と注意点
スマホだけでなく、イヤホン本体や使い方を見直すことで誤発信リスクをさらに減らせます。
操作割り当てを確認する
メーカー専用アプリ(SONY WF-1000XM3、JBL、Anker、Appleなど)で、ボタン操作の割り当てを確認しましょう。
「2回押し=リダイヤル」などの設定がある場合は、機能を解除または変更するのがおすすめです。
タッチセンサーの誤作動対策
- 髪の毛や帽子がセンサーに触れないようにする
- バッグやポケットの中に入れる際は、イヤホンの電源を切る
- 装着中に汗や水滴がつかないよう注意する
タッチ感度が高いモデルでは、これだけでも誤作動のリスクをかなり減らせます。
ファームウェアを最新に保つ
メーカーが不具合修正や安定化のアップデートを行っていることがあります。
アプリ経由で最新ファームウェアに更新しておくことで、誤発信バグの改善が期待できます。
イヤホンを通話専用にしない
音楽再生が主目的であれば、通話操作を無効にしておく方が安全です。
「通話も音楽も両方使いたい」場合は、使用シーンごとに設定を切り替えるのが現実的です。
誤発信を完全に防ぐのは難しい理由
さまざまな設定でリスクを減らすことはできますが、完全に誤発信をゼロにするのは難しいのが実情です。
その理由は次の通りです。
- スマホやイヤホンごとに仕様が異なり、設定できる範囲が違う
- ボタン操作やタッチ感度が物理的に敏感すぎる機種がある
- OSアップデートやアプリ更新によって挙動が変わる場合がある
- 「誤操作」か「仕様通り」か判断がつきにくいケースがある
つまり、設定を工夫しても、使い方や環境によっては再発することがあるということです。
最終的には「使用前にボタンを確認する」「音声アシスタントを必要な時だけオンにする」といった、日常的な意識づけが大切になります。
それでも誤発信してしまったときの対処法
誤発信が起きたら、まず落ち着いて対応しましょう。
- すぐに通話画面で「終了」をタップ
- 通話履歴を確認して、誤発信先を削除
- 相手にメッセージで「誤操作でした」と伝える(ビジネス相手なら丁寧に)
- 同じ操作が再現されないかテストし、原因を確認
この時点で「どんな操作をしたときに発信されたのか」を把握しておくと、次に同じことを繰り返さない対策につながります。
ワイヤレスイヤホンが勝手に電話をかける?誤発信を防ぐための設定と注意点(まとめ)
ワイヤレスイヤホンが勝手に電話をかける原因は、主に操作ミスや設定の組み合わせにあります。
音声アシスタントやBluetoothの通話プロファイル、タッチセンサーの誤作動などが代表的です。
防止するには次のような手順を意識しましょう。
- iPhone/Androidともに「通話機能」をオフにする設定を確認する
- 音声アシスタントの起動を制限する
- ボタン操作の割り当てを見直す
- イヤホンを使用しないときは電源を切る
- 定期的にファームウェアを更新する
便利なワイヤレスイヤホンも、設定を少し見直すだけで安全性がぐっと高まります。
「音楽を聴いていたら勝手に電話がかかった」なんて焦らないよう、今日からぜひチェックしてみてください。
