スマホの充電切れ、めちゃくちゃ焦りますよね。カフェを探すでもなく、電車の中でもなく、まさかの場所で残量1%。そんな経験があるからこそ、モバイルバッテリーは今や生活必需品です。
でも、いざ買おうとすると「mAh」だの「Wh」だの、なんだか小難しい単位が並んでいて手が止まってしまう。今回は、このモバイルバッテリーの単位の意味をスッキリさせて、自分にぴったりの一台を見つけるための考え方を、会話するようにお伝えしていきますね。
そもそも「mAh(ミリアンペアアワー)」って何の単位?
まず最初に知っておきたいのは「mAh(ミリアンペアアワー)」です。パッケージにでかでかと書いてある「10000mAh」みたいな数字ですね。
簡単に言うと、バッテリー内部に溜め込める電気の「量」を表す単位です。数字が大きければ大きいほど、たくさんの電気を蓄えておけるので、充電できる回数も多くなります。
ただ、ここでひとつ大きな落とし穴があるんです。
「10000mAhのモバイルバッテリーなら、4000mAhのiphoneが2.5回充電できる!」と思ったら、ちょっと違うんですね。
なぜかというと、モバイルバッテリーの中の電池(セル)は3.7Vくらいで動いています。でも、iphoneを充電するときは5Vや9Vに電圧を「昇圧」して送り出します。この変換のときに熱になったりして、どうしてもロスが出てしまうんです。
体感的には、表記容量の約60~70%が実際にスマホに届く電気だと思っておいてください。つまり、10000mAhのバッテリーで実際に使えるのは6000~7000mAhくらい。最近のスマホならだいたい1回半から2回、しっかり充電できるイメージです。
「Wh(ワットアワー)」ってあまり聞かないけど、なぜ必要なの?
もう一つの単位が「Wh(ワットアワー)」です。これは「電力量」、つまりどれだけの「仕事」ができるかを示す単位です。
「そんなの、mAhだけでいいじゃん」と思うかもしれませんが、Whがめちゃくちゃ大事になるシーンがあります。それは、飛行機に乗るときです。
航空会社の保安基準では、機内に持ち込めるリチウムイオンバッテリーの上限は 160Whまで (航空会社の許可があれば)と決められています。そして特に重要なのが、2026年4月24日以降のルール改定です。今はもう、容量に関係なく一人あたりの持ち込みは原則2個まで、しかも機内でバッテリー本体を充電したり、そのバッテリーからスマホに給電したりする行為が禁止されています。
「自分の持っているバッテリーって何Whなんだろう?」と思ったら、簡単な計算で出せます。もし製品にWhの記載がなくmAhだけなら、以下の式で確認してみてください。
mAh ÷ 1000 × 電圧(V) = Wh
例えば、20000mAh(3.7V)のバッテリーなら「20000 ÷ 1000 × 3.7 = 74Wh」となります。これは160Wh以下なのでもちろん機内持ち込みOKですが、個数制限には引っかかる可能性があるので注意してくださいね。旅行前には、必ず利用する航空会社の最新ルールを公式サイトでチェックしましょう。
結局、自分に合うのは何mAh? 容量選びの現実的な目安
理論はわかった。じゃあ、自分はどれを買えばいいの? という話ですよね。
日常生活で使うのか、旅行や防災用なのか。大きく分けると、おすすめの容量はこの2パターンに集約されます。
日常使い(通勤・通学・ちょっとした外出)なら「5000~10000mAh」
「帰宅するまでにiphoneがもってくれればいい」「バッグが重くなるのは嫌だ」という方には、このクラスが最適解です。
- メリット: 軽い(だいたい200g前後)、小さい、値段も手頃。
- 体感: 10000mAhあれば、スマホをゼロから1~2回は満充電に近い状態まで回復できます。
- こんな人に: ポケットや小さなバッグで持ち歩きたい人。
旅行・出張・もしもの防災には「20000mAh以上」
「宿に着くまで充電できない」「タブレットもWi-Fiルーターも全部これで面倒を見たい」というシーンでは、大容量モデルの頼もしさが光ります。
- メリット: スマホを3~4回以上充電できる余裕がある。複数台同時充電も余裕。
- デメリット: とにかく重い(400gを超えるものもザラ)。かさばる。
- こんな人に: 旅行好き、アウトドア派、防災リュックに入れておきたい人。
ちょっと待ってください。ノートパソコンを使っている方は、ここでmAhだけを見て選んではダメです。
MacBook AirやWindowsノートを充電したいなら、バッテリーの「出力(W=ワット)」を必ず確認してください。ノートPCを充電するには、最低でも45W以上の高出力に対応したUSB PD(Power Delivery)対応モデルが必要です。ただの大容量バッテリーを買っても、ノートPCには給電できないことが多いので気をつけて。
モバイルバッテリーの単位に振り回されないためのチェックリスト
さあ、いよいよ買いに行く準備は整いました。最後に、店頭やネットで迷ったときのためのチェックリストをまとめておきますね。
- スマホ何回分?: 自分のスマホのバッテリー容量を調べて、購入予定のモバイルバッテリーのmAhに0.6~0.7を掛けて割り算してみる。
- 飛行機乗る?: 乗るならWhを計算する習慣を。そして「1人2個まで」を忘れずに。
- ノートPCも充電する?: するなら「USB PD対応」かつ「出力45W以上」の表記を探す。
- 重さは大丈夫?: 20000mAhは結構な重さです。普段持ち歩くかどうかを冷静に判断する。
モバイルバッテリーの単位を正しく理解すると、パッケージの数字に惑わされず、「自分の生活に本当に必要なモノ」が見えてきます。この記事が、あなたの「充電切れストレス」を少しでも減らすお手伝いになれば嬉しいです。
