自宅で録画サーバーを常時稼働させたい。でも「電気代が心配」「場所を取りたくない」「静かな環境で使いたい」…そんな人にぴったりなのが、ミニPCを使った録画サーバー構築です。
最近のミニPCは小型ながら性能が高く、低消費電力で24時間動かしても電気代が安く済みます。この記事では、初心者でもわかるように、ミニPCで録画サーバーを作る流れと、おすすめの構成を紹介します。
ミニPCで録画サーバーを作るメリットとは?
録画サーバーというと、昔はデスクトップPCを使うのが一般的でした。ですが今は、ミニPCのほうが実用的です。
その理由は次の通りです。
- 省電力で静音:最新のミニPCはアイドル時の消費電力が7〜10W前後。デスクトップPCの1/5ほどで、ファンレス構成なら音もほとんどしません。
- 常時稼働に向く設計:コンパクトでも冷却性能が高く、長時間の連続稼働に耐えるモデルが増えています。
- コスパが高い:3〜5万円台でも録画サーバーに必要な性能を十分に満たせます。
- 設置場所を選ばない:テレビ裏や棚の隙間にも置けるサイズ感。リビングにも自然に馴染みます。
つまり、「24時間動かしっぱなしにできるパソコン」を目指すなら、ミニPCが理想的な選択肢です。
録画サーバー構築に必要なスペック
録画サーバーは常時稼働が前提です。処理能力よりも「安定性」と「省電力」を重視しましょう。
CPU
録画データの保存や簡単なエンコード処理なら、Intel N100、N95、あるいはCore i3世代でも十分。
トランスコード(動画形式変換)を多用する場合は、IntelのQuick Sync対応CPUを選ぶとスムーズです。
メモリ
最低でも8GB。複数の録画ソフトを同時に動かしたり、NAS共有なども考えるなら16GBあると安心です。
ストレージ
OSや録画ソフト用にSSDを搭載。録画データの保存は別途HDDを使うのが一般的です。
SSDは静音で高速、HDDは大容量。録画サーバーではこの2つをうまく使い分けるのがコツです。
ネットワーク
有線LAN(1Gbps以上)は必須です。無線LANでも動作しますが、録画中の転送や再生で途切れる可能性があります。
消費電力
録画専用サーバーなら、アイドル時10W前後・録画時15W程度に収まる構成を目指しましょう。
1日24時間稼働でも電気代は月150〜200円ほど。家庭用として現実的な範囲です。
録画用ストレージの選び方と容量目安
録画データの容量は想像以上に大きくなります。
目安として、地デジ番組を1時間録画すると約8GB。1日2時間録画すると1ヶ月で約480GBです。
長期保存を考えるなら、3TB以上のHDDを用意しておくと安心。
外付けHDDをUSB3.0やType-Cでつなぐ方法も手軽でおすすめです。
また、HDDは常時稼働するため、NAS向けや24時間動作対応モデルを選びましょう。
たとえば「WD Red」や「Seagate IronWolf」などが定番です。
録画ソフトとOSの選び方
ミニPCで録画サーバーを動かす場合、録画ソフトの選定がカギになります。
- 地デジやBS放送を録画する場合
PT3やPX-Q3PEなどのチューナーと「TVTest」「EDCB」などのソフトを組み合わせる構成が王道。
Windowsが扱いやすいですが、Linuxで「TVHeadend」を使う方法も人気です。 - IPTV・インターネット放送の録画
ブラウザ経由や専用ソフトで予約録画が可能です。Linux+Dockerで運用すると安定します。 - 監視カメラ・ライブ配信録画
「Shinobi」「Blue Iris」「ZoneMinder」などを使えば、映像ストリームを自動保存できます。
OSはWindowsでもLinuxでも構いませんが、省メモリで安定動作するLinux系(Ubuntu Serverなど)が人気。
初心者でも、最近はWeb管理画面付きの録画ソフトが多く、GUIがなくても運用できます。
ネットワークとアクセス設計
録画サーバーを家庭内だけで使うのか、外出先からもアクセスするのかによって設計が変わります。
- 家庭内専用
シンプルにローカルネットワーク共有(SMB/NFS)で十分。PCやスマホから録画ファイルを視聴できます。 - 外出先から視聴
VPN(Tailscaleなど)を使えば、安全に自宅サーバーへ接続できます。
直接ポートを開けるよりセキュアで、設定も簡単です。
また、録画サーバーをNASとしても使う場合は、ストレージ共有の安定性が重要。
有線LAN+静音冷却ファン構成にしておくと、夜間でも安心して使えます。
おすすめのミニPC構成
ここでは、実際に録画サーバーとしておすすめできる構成例を紹介します。
省電力・静音重視構成
- CPU:Intel N100 または N95
- メモリ:8GB
- ストレージ:SSD 256GB+外付けHDD 4TB
- OS:Ubuntu Server または Windows 11 Home
- 消費電力:アイドル時 約7W
この構成なら、コストを抑えながら24時間稼働も余裕。静音性が高く、リビング設置にも最適です。
拡張性・安定性重視構成
- CPU:Core i3 12th Gen 以上
- メモリ:16GB
- ストレージ:NVMe SSD 512GB+NAS連携HDD
- OS:Windows 11 Pro or Linux
- LAN:2.5GbE対応
将来的にPlexやJellyfinなどのメディア配信を併用したい人はこちら。
同時録画や4K再生にも耐えられ、複数デバイスからアクセスしても安定します。
運用とメンテナンスのコツ
録画サーバーを長く安定稼働させるために、次のポイントを意識しましょう。
- 温度管理:通気性の悪い場所に置かない。ファンレスなら風通しを確保。
- 録画データの整理:古い録画を自動削除する設定を入れると容量管理が楽です。
- バックアップ:重要な録画は別HDDやクラウドへ定期的にコピー。
- 電源対策:UPS(無停電電源装置)を導入すれば、停電時も安全にシャットダウン可能。
- セキュリティ更新:OSや録画ソフトのアップデートを怠らない。
また、稼働状況や温度をモニタリングできるツール(例:Glances、HWMonitor)を入れておくと便利です。
トラブルを防ぐための注意点
ミニPCを録画サーバーとして運用するときに、よくあるトラブルも紹介しておきます。
- HDDが認識されなくなる
→ケーブルや電源の接触不良が多い。SATAよりUSB外付けのほうが交換しやすいです。 - 録画が途中で止まる
→録画ソフトの権限設定やストレージのスリープ機能を見直す。 - 温度上昇によるフリーズ
→ミニPCは小型ゆえ熱がこもりやすい。冷却ファン付きモデルを選ぶと安定します。 - ネットワークが不安定
→無線LANではなく有線接続に変更するだけで劇的に改善します。
トラブルを防ぐには、「安定した電源」「適切な温度」「定期的なメンテナンス」が基本です。
ミニPC録画サーバー構築で得られる快適な生活
一度ミニPC録画サーバーを構築すると、その便利さに驚くはずです。
テレビ番組を自動で録画し、スマホやタブレットから好きなときに再生。
しかも、消費電力はわずかで、電気代をほとんど気にせず使えます。
省スペースで静音、コストパフォーマンスも抜群。
録画サーバーとしてだけでなく、NASやメディアサーバーとしても活躍します。
自宅の「小さなデータセンター」として、生活を少し便利にしてくれる存在です。
ミニPCで録画サーバーを構築する方法のまとめ
ミニPCを使った録画サーバー構築は、難しそうに見えて実はシンプルです。
省電力・静音・低コストで、24時間安定して録画ができる環境を作れます。
あなたも、ミニPCで録画サーバーを構築してみませんか?
一度セットアップしてしまえば、毎日の録画も自動化され、快適な視聴環境が手に入ります。
コンパクトな1台で、あなたの映像ライフをもっと自由に。
