最近話題の「ミニPC」。コンパクトで省スペース、しかも静音性も高く、在宅ワークやサブ機として人気が高まっています。ただ、気になるのが「電気代ってどれくらいかかるの？」という点ですよね。今回は、実際のデータや計算方法をもとに、ミニPCの1か月あたりの電気代の目安と、節電のコツをわかりやすく紹介します。
まずは基本！ミニPCの電気代をどうやって計算する？
パソコンの電気代は、基本的に以下の式で求められます。
電気代（円）＝ 消費電力（kW） × 使用時間（h） × 電力量料金単価（円／kWh）
電力会社や契約プランにもよりますが、一般的な家庭用電力の単価は「1kWhあたり約31円」が目安です。
ここでいう「消費電力」は製品の仕様に記載されています。たとえば、消費電力が30W（＝0.03kW）のミニPCを1日8時間使う場合を計算してみましょう。
0.03kW × 8h × 31円 ＝ 約7.4円／日
これを30日で掛け算すると、月あたりの電気代は 約220円程度。思ったより安く感じませんか？
もちろん、これは一例。実際には機種や使い方によって消費電力が変わるため、次章で具体的なケースを見ていきましょう。
実際のミニPCはどのくらい電気を使うのか？
ミニPCは省エネ性能が高いことで知られています。実測データをいくつか紹介すると、その差がわかりやすいです。
・あるメーカーのGMKtec NucBox M7では、1日の消費電力量が約0.23kWh。
→ 1か月で約7kWhとなり、電気代は 約217円／月。
・別のモデルでは、平均25Wの消費電力で24時間稼働させた場合、
→ 1か月の電気代は 約468円。
・さらに低消費電力なスティックPC（約5W）では、24時間稼働でも
→ 月100円前後に収まる例もあります。
つまり、ミニPCの電気代は使い方次第で 100円〜700円程度／月 が一般的な範囲。
常時稼働させても1000円を超えることはほとんどありません。小さな本体に見合った、かなりの省エネ性能です。
用途別に見る！ミニPCの電気代目安
ここからは、よくある使用パターン別に電気代を試算してみましょう。
1. 軽作業・待機中心（常時稼働・低負荷）
・消費電力：20〜30W
・使用時間：24時間
→ 月の電気代：約450〜670円
2. 一般的な在宅ワーク・ネット閲覧など
・消費電力：40〜50W
・使用時間：1日8時間
→ 月の電気代：約300〜370円
3. 高負荷作業やサーバー運用
・消費電力：30〜40W
・使用時間：24時間
→ 月の電気代：約670〜900円
このように、作業負荷と稼働時間でコストは変わります。
仕事や趣味で使うなら月数百円程度、サーバー用途で常時稼働させても1,000円以下が多いでしょう。
ミニPCの電気代を上げる意外な要因
「ミニPCは省エネだから安心」と思いきや、使い方次第では電気代が増えることもあります。
見落としがちなポイントをいくつか紹介します。
・高性能CPUや外部GPUを搭載したモデルは、TDP（定格消費電力）が高め。
・外付けHDDやUSB機器、モニターなど周辺機器が増えると、合計の消費電力も上がる。
・冷却ファンの回転が常に高いと、意外と電力を食う。
・スリープや休止モードを使わず、常時オンのままだと待機電力も積み重なる。
つまり、「本体は省電力でも、使い方で差が出る」のがポイント。
電源の使い方を意識するだけで、年間数千円単位で節約できる可能性があります。
今日からできる！ミニPCの節電テクニック
せっかく省エネなミニPCを使うなら、さらに電気代を抑える工夫をしてみましょう。
難しいことは何もありません。日常的にできる方法ばかりです。
- 省電力モードを活用する
WindowsやmacOSには「省電力プラン」が用意されています。CPUのクロックや画面の明るさを自動調整して、無駄な消費を減らしてくれます。 - 使わないときはスリープやシャットダウン
休憩や就寝時に電源を切るだけでも、1か月の電気代が数十円〜百円単位で下がることがあります。 - 不要な周辺機器は外す
USBハブや外付けストレージは、接続しているだけで電力を消費します。必要なときだけ使うのがコツです。 - 通気性のよい場所に設置する
熱がこもるとファンが高回転になり、消費電力が増えます。設置場所を変えるだけで静音＆節電になります。 - 電源タップでまとめてオフ
長期間使わないときは、スイッチ付き電源タップで待機電力をカット。小さな積み重ねが大きな差になります。
こうした工夫を組み合わせることで、月500円の電気代が300円台になることも珍しくありません。
電気代の節約は「機種選び」から始まる
節電の第一歩は「最初にどんなミニPCを選ぶか」にあります。
最近のモデルは、性能を維持しつつ省電力化が進んでおり、CPUの消費電力が6W前後のものもあります。
もし常時稼働を考えているなら、TDP値の低いCPU（Intel NシリーズやAMD Ryzen 3シリーズなど）を搭載したモデルを選ぶと安心です。
また、SSDストレージの方がHDDよりも消費電力が低いため、静音・省エネの両面でおすすめです。
電力効率を重視するなら、ファンレス設計のミニPCを検討するのもいいでしょう。
電気代の差が積み重なる「長期コスト」にも注目
「月数百円なら気にしなくていい」と思うかもしれませんが、年間で見ると意外に違いが出ます。
たとえば、
・月500円なら1年で6,000円
・月900円なら1年で1万円超
5年間使えば、電気代だけで数万円の差になることもあります。
同じ用途でも、より省エネなモデルを選ぶことで結果的にお得になります。
さらに、電気代の安い時間帯に使う、夜間割引プランを選ぶなど、契約プランの見直しも節約に効果的です。
最近では家庭向けに電力単価を柔軟に設定できるプランも増えているので、一度確認してみる価値はあります。
ミニPCの電気代はいくら？1か月あたりのコストと節電のコツのまとめ
ここまで紹介した内容をまとめると、ミニPCの電気代はおおよそ次のようになります。
・1か月あたり100〜700円前後（平均300〜500円程度）
・常時稼働でも1,000円以下に収まるケースが多い
・電力単価や使用時間、CPU性能によって上下する
そして、節電のカギは「設定・使い方・選び方」。
電源管理を見直し、省電力モデルを選べば、毎月の電気代はさらに下げられます。
ミニPCは小型ながら実力派。静かで省エネ、しかも1か月の電気代がワンコイン程度なら、コスパ抜群のデバイスといえます。
これから導入を検討している人も、すでに使っている人も、今日から節電の工夫を少し取り入れてみましょう。
あなたのミニPCが、もっと快適でエコな相棒になります。
