「撮影した動画の風切り音が気になる」
「インタビュー収録で背景の声だけを消したい」
「好きな曲からボーカルだけを取り出して練習したい」
こんな風に、iphoneを使っていて「声だけを分離できたらな」と思ったこと、ありませんか?
実は今、iPhoneなら無料アプリや標準機能の組み合わせだけで、驚くほど簡単に「声の分離」ができるんです。しかもAI技術の進化で、ここ数年で精度が格段にアップしているんですよ。
この記事では、目的別に最適なアプリやテクニックを徹底的に解説します。動画編集者、Podcast制作者、学生やビジネスパーソン、そして音楽好きなあなたまで、きっと役立つ方法が見つかります。
iPhoneの「声を分離」には種類がある?まずは目的をハッキリさせよう
「声を分離」と一言で言っても、実はいくつかのパターンがあります。あなたが本当にやりたいことはどれですか?
ノイズ除去:雑音だけを消して声をクリアにする
街中のざわつきやエアコンの音、風切り音など、録音したくない環境音だけを取り除くのがノイズ除去です。声はそのまま残して、聞き取りやすくします。
ボーカル抽出:音楽から歌っている声だけを取り出す
好きな曲からボーカルパートだけを分離したい場合に使います。カラオケ練習や、アカペラ音源を作りたい時に便利です。逆に、ボーカルだけを消してカラオケ音源を作ることもできます。
特定話者の声だけを抽出:会話の中から特定の人の声を選ぶ
複数人での会話収録から、特定の話者の声だけを強調したい場合に使います。インタビュー動画や会議の議事録作成などで重宝します。
あなたの目的がハッキリすれば、使うべきアプリも自ずと見えてきます。順番に見ていきましょう。
動画編集者必見!iPhoneで使える音声分離アプリ5選
まずは、動画編集や音声制作をしているクリエイター向け。実際に使ってみて「これは使える」と思ったアプリを厳選しました。
CapCut:無料なのにプロ級!AIノイズ除去がすごい
バイトダンスが提供する動画編集アプリ「CapCut」。TikTokユーザーならもう使ってるかもしれませんが、このアプリの音声編集機能がとんでもなく優秀なんです。
おすすめポイント
- 音声クリップをタップするだけで「ノイズ除去」ボタンが出現
- AIが自動で環境音を認識して除去してくれる
- 除去の強さをスライダーで調整可能
特に野外で撮影した動画の風切り音除去は感動レベル。無料でここまでできるのかと驚きます。しかも日本語UIで操作性も抜群です。
注意点
書き出し時に透かしが入ることはありませんが、一部の高度な機能(特定のエフェクトなど)は有料プランが必要です。でもノイズ除去は無料のまま使えますよ。
iMovie:iPhone標準アプリでできる簡単ノイズ調整
実はiPhoneに標準で入っているiMovieにも、音声調整機能はあります。「え、入ってないよ?」という人はApp Storeから無料でダウンロードできます。
できること
- クリップごとに音量調整
- ノイズリダクション(低減)機能はないけれど…
- 音声を「強調」する設定で多少聞き取りやすくなる
高度な分離は難しいですが、ちょっとしたBGMの音量を下げて声を目立たせたい時には十分使えます。何より追加アプリ不要なのが魅力。
Ferrite Recording Studio:Podcast制作者の定番
Podcast収録アプリとして有名なFerrite。実はこれ、音声編集機能がめちゃくちゃ充実しているんです。
すごいところ
- ノイズゲート機能で一定以下の音量のノイズをカット
- タップひとつで無音部分を自動削除
- マルチトラック編集でBGMと声を別々に調整
有料アプリ(買い切り1,200円)ですが、それだけの価値はあります。プロのPodcast制御で使われている理由が使えばわかりますよ。
Moises:音楽制作にも使える多機能アプリ
ミュージシャンの間で話題のMoises。このアプリ、なんとAIが曲を聴き分けて、ボーカル、ドラム、ベース、ギターなどパートごとに分離してくれるんです。
主な機能
- アップロードした曲からボーカルだけ抽出
- テンポ変更やキー変更も自由自在
- 練習用に特定のパートをミュート
月額制のサブスクリプションですが、無料プランでも1日5回まで処理可能。ちょっとした練習用なら無料で十分使えます。
LALAL.AI:驚異的な分離精度を誇るWebサービス+アプリ
音声分離の分野でトップクラスの精度を誇るLALAL.AI。Webブラウザからも使えますが、iPhoneアプリもあるので便利です。
特徴
- ボーカルとインストゥルメンタルを超高精度で分離
- 処理後の音質劣化が少ない
- ドラムやベースなどさらに細かい分離にも対応
無料プランでは処理できる音声の長さに制限がありますが、その精度の高さは一度試す価値ありです。「他のアプリだとどうしても音がこもる」という時に試してみてください。
録音した会議や講義をクリアに!文字起こし目的の音声加工テク
次は、会議や講義の録音を文字起こししたい人向け。雑音が多いと文字起こしの制度がガクッと落ちるので、事前の音声加工が重要です。
ボイスメモの「録音品質を向上」を活用する
iPhone標準のボイスメモ。設定アプリから「ボイスメモ」→「録音品質を向上」をオンにしておくだけで、かなりクリアな録音ができます。
ただしこれは録音時の設定なので、すでに録り終えた音声には効果がありません。大事な収録の前に、一度チェックしておきましょう。
音声文字起こしアプリと連携するならこの2択
最近は文字起こしアプリ自体に音声加工機能がついているものが増えています。
おすすめ連携パターン
- Notta:録音しながらリアルタイム文字起こし。ノイズリダクション機能内蔵で、会議室のざわつきを軽減してくれます。
- RIMO Voice:録音データをアップロードするとAIが文字起こし。音声解析時に自動でノイズを除去してくれるので、雑な録音でも意外と高精度です。
特にRIMOは、動画ファイルから直接音声を抽出して文字起こししてくれるので、インタビュー動画の文字起こしに重宝しますよ。
音楽好きのためのボーカル抽出・カラオケ音源作成術
「この曲、歌の練習したいけどボーカル入ってるじゃん…」
「カラオケ音源がなくて困ってる」
そんな時、iPhoneでできる解決策をお伝えします。
無料で使えるボーカル抽出アプリ
先ほど紹介したMoisesやLALAL.AIの無料プランでも十分ですが、もう少しお手軽なアプリもあります。
Vocal Remover & Editor
App Storeで「vocal remover」と検索するとトップに出てくるこのアプリ。シンプルで使いやすく、無料でもそこそこの精度でボーカルを分離してくれます。広告が多いのが難点ですが、たまに使うだけならこれでOK。
ボーカルキャンセルとボーカル抽出の違いって?
よくある勘違いですが、「ボーカルキャンセル」と「ボーカル抽出」は全く別の技術です。
ボーカルキャンセル
左右のチャンネルで逆位相の信号を重ねて打ち消す方式。音質がかなり劣化し、完全に消えるわけでもないのが難点。
ボーカル抽出(AI方式)
AIが学習データをもとに「これはボーカルの音」と判断して取り出す方式。最近のアプリはほとんどこちらで、音質も格段に良いです。
昔ながらのボーカルキャンセルアプリもあるので、ダウンロードする時は「AI」「Deep Learning」といったキーワードが入っているものを選ぶと失敗しません。
iOS標準機能だけでどこまでできる?知っておきたい限界と活用法
ここまで色々なアプリを紹介してきましたが、「できればアプリを増やしたくない」という人もいるはず。iPhone標準機能の限界と活用法をまとめます。
ショートカットアプリで音声変換
ショートカットアプリを使うと、音声ファイルの形式変換や、簡単な編集を自動化できます。例えば「録音ファイルを自動で圧縮して特定のフォルダに保存」といった感じ。
でも、音声分離のような高度な処理は残念ながら無理です。
アクセシビリティの「音声認識」は違う用途
設定アプリのアクセシビリティにある「音声認識」。これは周囲の音(煙探知機やチャイムなど)を聞き分けて通知する機能なので、今回の目的とは違います。
結論:本格的な音声分離はアプリが必要
やはり、今のところ標準機能だけで音声分離をするのは難しいというのが正直なところです。でも、だからこそアプリ選びが重要になってきます。
目的別!あなたにピッタリのアプリ早見表
ここまで読んで「情報が多すぎて選べない!」という人のために、目的別にまとめておきます。
動画のノイズを除去したい
→ CapCut:無料・高精度・日本語対応の三拍子
Podcastを始めたい
→ Ferrite Recording Studio:プロ仕様の編集がiPhoneで完結
曲からボーカルだけ抽出したい
→ Moises or LALAL.AI:精度重視ならLALAL.AI、多機能さならMoises
会議録音を文字起こししたい
→ Notta:録音から文字起こしまでオールインワン
とにかく無料で試したい
→ CapCutのノイズ除去か、Vocal Remover & Editorの無料プラン
【注意】ボーカル抽出を使う時の著作権の話
最後に、とても大事な話をしておきます。
音楽からボーカルを抽出したり、カラオケ音源を作ったりすること自体は、私的利用(自分だけで楽しむ分)には問題ありません。歌の練習や、演奏の耳コピに使う分にはOKです。
でも、ここからが要注意。
- 分離した音源をSNSにアップロードする
- YouTube動画のBGMに使う
- 配信で流す
こうした公開・配布をする場合は、必ず著作権者の許可が必要です。特に最近はAIが簡単に音源を加工できるようになった反面、著作権侵害のトラブルも増えています。
「これ、誰かの曲だよね…」とわかるものは、たとえ一部でも無断で公開しないのが鉄則です。
まとめ:iPhoneの音声分離はAIのおかげで誰でも簡単に
ここ数年で、AI技術の進歩は本当にすごいです。数年前までは専門的な機材とソフトが必要だった音声分離が、今やiPhone1台で、しかも無料アプリでできてしまう時代になりました。
あなたの目的に合ったアプリを見つけて、ぜひ試してみてください。動画編集がもっと楽しくなるし、音声コンテンツ作りの幅もグッと広がりますよ。
何より、自分が撮った動画や録音がクリアになるって、単純に気持ちいいんですよね。
さあ、あなたも今日からiPhoneで「声を分離」、始めてみませんか?
