最近、コンパクトで高性能な「ミニPC」が注目されています。省スペースなのにデスクトップ並みの性能を発揮するうえ、静音性にも優れているため、自宅やオフィスでメインマシンとして使う人も増えています。
中でも、M.2スロットを2基搭載したミニPCは、拡張性と速度の両立ができる“次世代スタンダード”と言える存在です。
この記事では、2025年時点でおすすめできる「M.2スロット2基搭載の高性能ミニPC」を5機種厳選し、それぞれの特徴や選び方のポイントをわかりやすく紹介します。
M.2スロットが2基あると何がいいの?
まずは基本から。M.2スロットとは、SSD(ソリッドステートドライブ)などを接続するための内部インターフェースです。
PCIe(NVMe)接続に対応することで、従来のSATA SSDよりも圧倒的に速い読み書きが可能。現在のPCでは主流の規格になっています。
M.2スロットを2基搭載していると、以下のようなメリットがあります。
- ストレージを2枚搭載できる:OS用とデータ用を分けたり、仕事用と趣味用を分けたりできる。
- 容量拡張が簡単:あとからSSDを増設できるので、長期的に運用しやすい。
- RAID構成も可能:ミラーリングで安全性を高めたり、ストライピングで速度を上げたりできる。
- バックアップがスムーズ:1枚目のSSDをクローンしてもう1枚にコピーすれば、トラブル時にも復旧しやすい。
ただし注意したいのは、「2基ある=同じ性能」とは限らないこと。
モデルによっては、片方がPCIe x4(高速)で、もう片方はx1(低速)だったり、片方がSATA接続のみ対応というケースもあります。購入時には「両スロットがPCIe Gen4以上対応」かどうかを確認するのがおすすめです。
ミニPCを選ぶときのポイント
ミニPC選びで失敗しないために、M.2スロット以外にも注目すべきポイントがあります。
- CPU性能:Ryzen 7以上またはCore i7以上の世代なら、動画編集やゲームも快適。
- メモリ容量:16GB以上推奨。将来性を考えるなら32GB対応モデルを。
- 冷却設計:小型筐体は熱がこもりやすいので、デュアルヒートパイプや大型ファン搭載モデルを選ぶと安心。
- 拡張性:M.2だけでなく、2.5インチSATAベイやThunderboltポートがあると利便性が高い。
- 価格とバランス:高性能モデルは10万円前後が目安。安価でも拡張性に妥協しないモデルを選ぶと長く使える。
これらを踏まえたうえで、2025年におすすめできる「M.2スロット2基搭載ミニPC」を紹介します。
MINISFORUM UM790 Pro — Ryzen 9搭載のハイエンドモデル
ハイエンド志向なら、**MINISFORUM UM790 Pro**が最有力候補です。
AMD Ryzen 9 7940HSを搭載し、8コア16スレッドの圧倒的な処理性能。グラフィック性能も高く、軽い動画編集や3D作業も余裕でこなします。
M.2スロットはPCIe Gen4対応が2基。どちらもNVMe SSDを搭載でき、OS+データ用やRAID構成も実現可能。さらにDDR5メモリ対応で、最大64GBまで増設できます。
小型ながら冷却性能も高く、静音性にも優れています。デザインも高級感があり、デスク上に置いても見栄えが良いのも魅力。
「性能も拡張性も妥協したくない」ユーザーにぴったりの1台です。
GMKtec K12 — コスパ重視のRyzen 7モデル
コスパの良さを求めるなら、**GMKtec K12**も見逃せません。
Ryzen 7プロセッサーを搭載し、日常作業から画像処理までスムーズにこなせるバランス型ミニPCです。
特徴は、2基のM.2スロット+2.5インチベイという拡張性。
システム用に高速NVMe SSDを、データ用に大容量SSDやHDDを組み合わせられます。
静音設計で発熱も抑えられており、24時間稼働のファイルサーバーや簡易NAS用途にも向いています。
10万円以下でこれだけの構成を持つミニPCは希少です。
GEEKOM Mini A5 — 入門にも最適な軽量モデル
初めてミニPCを購入する人や、サブ機として使いたい人には**GEEKOM Mini A5**がおすすめ。
Ryzen 7 5825U搭載で、オフィスワークやブラウジング、動画再生も快適。
2基のM.2スロットにより、手軽にSSDを増設できます。
1枚目をシステムドライブ、2枚目をバックアップやデータ保存用にすれば、トラブル対策も万全。
価格も5万円台と手ごろで、性能・静音性・省電力のバランスが非常に良いモデルです。
Intel Mini PC(汎用モデル) — 手頃にデュアルM.2環境を構築
AliExpressなどで販売されている**Intel Mini PC**にも、デュアルM.2スロット搭載モデルが増えています。
Intel第10世代以降のCPUを搭載し、NVMe SSDを2枚まで装着可能なタイプも豊富です。
冷却や電源効率は上位モデルに劣るものの、低コストで2基M.2構成を試したい人にはおすすめ。
自作派やNAS構築用途など、「拡張性を試してみたい」層に人気があります。
GMKtec K8 Plus — バランス型の万能ミドルハイ機
最後に紹介するのは、GMKtec K8 Plus。
Ryzen 7 8845HS搭載のミドルハイクラスで、コンパクトながら処理能力が高いモデルです。
M.2スロットは2基ともPCIe Gen4対応。
ストレージ拡張性と発熱管理のバランスが優れており、動画編集やゲーム、仮想環境構築など幅広い用途に対応します。
価格帯は約10万円。冷却ファンも静かで、負荷時でも安定動作。
「性能と省スペースの両立」を求めるユーザーにぴったりの万能モデルです。
2基M.2スロット搭載ミニPCを選ぶときの注意点
どのモデルを選ぶ場合も、以下の点を押さえておきましょう。
- スロットの規格と速度:PCIe Gen4対応か、片方がSATA専用かを確認。
- スロットのサイズ:M.2 2280(一般的なサイズ)か、2242などの短いタイプかをチェック。
- 放熱対策:高性能SSDは熱を持つため、ヒートシンクやサーマルパッドが有効。
- 筐体内部のスペース:2枚同時装着時に干渉しないか、実際のレビューを参考に。
また、SSDを2枚搭載する場合、発熱と消費電力が増える点にも注意。
24時間稼働させるなら、冷却性能に余裕があるモデルを選びましょう。
まとめ|ミニPCにM.2スロットを2基搭載した高性能モデルおすすめ5選【2025年版】
2025年のミニPC市場では、「小型でも拡張できる」モデルが続々と登場しています。
中でも、M.2スロットを2基備えたミニPCは、OS用とデータ用の分離や容量拡張、RAID構成など幅広い使い方が可能です。
今回紹介した5機種は、それぞれ特徴が異なります。
- MINISFORUM UM790 Pro:最強の処理性能を求める人へ
- GMKtec K12:価格と性能のバランス重視
- GEEKOM Mini A5:初めてのミニPCにぴったり
- Intel Mini PC:低コストで拡張を楽しみたい人向け
- GMKtec K8 Plus:静音・高性能のバランス型
どのモデルもコンパクトながら、しっかりとした拡張性を備えています。
「小さくても妥協しない1台」を探しているなら、M.2スロットを2基搭載したミニPCを選ぶのが正解です。
