ワイヤレスイヤホンで音楽制作や録音、動画編集をしたいけど、「音の遅延」ってどれくらいあるの？──そんな疑問を持つ人は多いはず。
便利なワイヤレスも、モニター用途になるとシビアな“タイミング”や“音の正確さ”が求められます。この記事では、モニター用途で使えるおすすめワイヤレスイヤホン5選と、選び方・注意点を徹底的に紹介します。
モニター用途でワイヤレスイヤホンを使うときに大事なのは「遅延」と「精度」
録音や編集、演奏中のモニターでは、音がズレると致命的。自分の演奏や声を確認するには、出した音が即座に耳に届く必要があります。
でもワイヤレスは、Bluetoothなど無線通信を使うため、どうしても“音が遅れて届く”ことがあります。これが「レイテンシー（遅延）」です。
一般的なBluetoothイヤホンの遅延は100〜200ms程度。
一方で、有線イヤホンは10ms以下。わずかな差のように思えても、録音・演奏中には大きな違いになります。
とはいえ、最近はaptX AdaptiveやLE Audio（LC3）といった新しい通信規格によって、70ms以下の低遅延を実現するモデルも登場。
さらに、Bluetoothではなく2.4GHz専用通信ドングルを使うことで、10ms前後に抑えたモデルもあります。
遅延だけじゃない！モニター用途でチェックすべきポイント
「遅延が少ない＝モニターに最適」とは限りません。音を正確に判断するためには、次の項目も大切です。
- 定位（ステレオバランス）：左右の位置感や奥行きが自然に聞こえるか
- 音質のフラットさ：低音が強すぎず、中高域が明瞭であること
- チャンネル同期：左右の音が同時に届くかどうか
- 接続安定性：音が途切れたり、ズレたりしないか
- 装着感・遮音性：長時間でも疲れず、外音の影響が少ないか
特に、モニター用途では“味付けの少ない音”が重要。低音を強調しすぎるイヤホンより、原音に忠実で分離感があるタイプを選びましょう。
モニターに使えるワイヤレスイヤホンおすすめ5選
1. SONY INZONE Buds（WF-G700N）
ゲーミングブランド「INZONE」の完全ワイヤレスモデル。
USB-Cドングルを使う専用接続で、Bluetoothより低遅延。音のズレを最小限に抑え、映像編集やゲームの音合わせにも対応。
ソニーらしいバランスの取れた音で、ボーカルや中音の再現力も高いのが魅力です。ノイズキャンセリングも優秀で、集中して作業したい人におすすめ。
2. Xvive XV-U4 Wireless In-Ear Monitor System
ステージやスタジオで定番の“ワイヤレスIEMシステム”。
Bluetoothではなく2.4GHz帯を使い、遅延はわずか5〜6msほど。プロのライブ現場でも使われるほど信頼性が高く、モニター用途では最強クラス。
イヤホン単体ではなく、送信機＋受信機のセット構成なので、PCやミキサーと接続してリアルタイムモニターが可能。有線の煩わしさを無くしたいプレイヤーやエンジニアにぴったりです。
3. HyperX Cirro Buds Pro
ゲーミング向け完全ワイヤレスイヤホン。
低遅延モード（約35ms）を備え、音と映像のズレが少ない設計。
高音の抜けが良く、ボイスや楽器の明瞭さを重視する人におすすめ。
軽量で長時間装着しても疲れにくく、ワイヤレスでの作業にも向いています。
4. JBL Wave Buds
JBLらしいフラットで聴きやすいサウンドが特徴。
低価格ながら音質バランスが良く、動画編集や簡易的なモニターチェックにも使いやすいです。
ただし、Bluetooth標準接続なので、リアルタイム録音には不向き。
「コスパ良くモニター的に使いたい」「日常用イヤホンも兼ねたい」人におすすめです。
5. Xiaomi Redmi Buds 6 Play
驚異の価格帯ながら、Bluetooth 5.3対応で接続が安定。
遅延も抑えられており、軽い編集や確認用モニターには十分。
音質は中高域重視で、ナレーションチェックや音声編集に使えます。
プロ用途には及ばないものの、“とりあえずワイヤレスで試したい”人には最適なエントリーモデルです。
ワイヤレスモニター環境を快適に使うためのコツ
モニター用途でワイヤレスを使う場合、環境設定がとても重要です。
- 低遅延モードを必ずONにする
ゲームモードやプロモードなど、各社独自の低遅延機能を有効にしましょう。 - 送信側との距離を短く保つ
ワイヤレスは距離や障害物に弱いため、できるだけ近距離で使うのがコツ。 - 干渉を避ける
Wi-Fiルーターや電子レンジなど、同じ周波数帯の機器が近くにあると音切れの原因になります。 - 有線モードを活用する
有線接続が可能なイヤホンなら、録音やミックスの最終チェックは有線で行うと安心です。
ワイヤレスと有線、どちらがモニターに向いている？
有線の最大のメリットは「遅延ゼロ」と「安定性」。
プロの現場では今も有線が主流です。
一方で、ワイヤレスの利点は“自由さ”。
ケーブルを気にせず動けるのは、録音ブースやライブ配信などで大きな利点になります。
つまり、用途によって使い分けるのがベスト。
演奏や録音時は有線、編集やチェック時はワイヤレス、といったハイブリッド運用がおすすめです。
今後のトレンド：Bluetooth LE AudioとLC3コーデックに注目
次世代Bluetooth規格「LE Audio」は、従来よりも効率的で低遅延な通信が可能。
新しいLC3コーデックでは、音質を保ったまま遅延を短縮できるため、モニター用途でも使いやすくなってきています。
この技術が普及すれば、「ワイヤレス＝遅延が大きい」という常識が変わるかもしれません。
今後発売される新モデルにも注目しておくと良いでしょう。
モニター用途でワイヤレスイヤホンを選ぶときのポイントまとめ
- 遅延20ms以下を目安に選ぶ
- 専用ドングルやaptX Adaptive対応モデルが狙い目
- 音質はフラットで定位が明確なものを
- 遅延モードのON/OFF切替ができるか確認
- 長時間作業でも疲れない装着感も重要
そして何より、自分の作業環境で“実際に試す”こと。
同じイヤホンでも、機器や距離によって遅延や安定性は変わります。
まとめ：ワイヤレスイヤホンのモニター用途おすすめ5選！音の遅延や精度を徹底比較
ワイヤレスイヤホンでも、技術の進化によって“モニターとして使える”時代になってきました。
低遅延コーデックや専用トランスミッタを備えたモデルなら、録音・編集・ゲームなど幅広い場面で十分実用的です。
重要なのは、自分の作業スタイルに合った選び方をすること。
有線の安定性とワイヤレスの自由さを上手に使い分けながら、快適で正確なモニター環境を手に入れましょう。
