タブレットをカーナビとして使うための方法として、外付けGPSを活用する方法があります。車載ナビとして十分に活用するためには、ただ地図アプリを使うだけではなく、精度の高い位置情報を得ることが不可欠です。特にGPS機能が内蔵されていないタブレットの場合、外付けGPSを接続することで、カーナビとしての性能を高めることが可能です。今回は、その方法と注意点について詳しく解説します。
タブレットに外付けGPSを接続する理由
タブレットの多くにはGPS機能が内蔵されていますが、Wi-FiモデルなどにはGPS機能が搭載されていない場合があります。位置情報を得るためには、Wi-Fiアクセスポイントを元にした推測位置情報や携帯電話回線による位置情報が使われることが多いです。しかし、これでは車でのナビには不十分で、特に走行中の精度が求められるカーナビとしては非常に不便です。
そこで、外付けGPSレシーバーを使用することで、精度の高い位置情報をタブレットに提供し、ナビとして使えるようになります。外付けGPSは、車載環境においても非常に便利で、ナビゲーションアプリと連動させることで、より精確な経路案内を実現できます。
外付けGPSの種類と選び方
外付けGPSには、主にBluetooth接続タイプとUSB接続タイプの2種類があります。それぞれの特徴と選び方を見ていきましょう。
Bluetooth接続GPS
BluetoothタイプのGPSレシーバーは、無線でタブレットと接続できるため、ケーブルの煩わしさがなく、取り回しやすいのが特徴です。代表的な機種にはGarmin GLO 2やQstarz BT-Q1000XTなどがあり、精度の高いGPSを提供してくれます。Bluetooth GPSは、タブレットとペアリングするだけで簡単に接続でき、使い勝手が良いです。しかし、長時間の使用時にバッテリーが切れやすくなることがあるため、充電に注意が必要です。
USB接続GPS(OTG対応)
USB接続タイプのGPSは、有線でタブレットに接続するため、安定した通信が可能です。特に高精度なGPSを求める場合や、長時間の使用を考慮した場合に有利です。タブレットのUSBポートにOTGケーブルを使って接続し、GPS信号を直接受け取るため、無線接続のような干渉や信号途切れが少なくなります。特に車内では安定性が求められるため、USB接続GPSは非常に有効です。
GPS接続の方法と設定手順
タブレットに外付けGPSを接続するための方法を、Bluetooth接続とUSB接続に分けて詳しく説明します。
Bluetooth接続GPSの設定
- 外付けGPSの電源を入れる
まず、Bluetooth対応の外付けGPSの電源を入れ、ペアリングモードに設定します。多くのGPS機器は電源ボタンを長押しすることで、ペアリングモードに切り替わります。 - タブレットのBluetooth設定を開く
次に、タブレットの設定メニューからBluetooth設定を開き、ペアリングモードになったGPSを見つけます。リストに表示されたGPSを選択して接続します。 - 位置情報提供アプリのインストール
Bluetooth接続の場合、タブレットは外付けGPSを自動的に位置情報ソースとして認識しないことがあるため、位置情報提供アプリをインストールする必要があります。「Mock Location」などのアプリを使い、外付けGPSを位置情報提供元として設定します。 - ナビゲーションアプリで位置情報を利用
位置情報が正しく設定できたら、Google MapsやYahoo!カーナビなどのナビゲーションアプリを開き、外付けGPSから提供された正確な位置情報を活用できます。
USB接続GPSの設定
- USB接続ケーブルの確認
USB接続GPSを使用するためには、タブレットがOTG(On-the-Go)対応であることを確認します。OTG対応ケーブルを使用して、USB GPSレシーバーをタブレットのUSB端子に接続します。 - 専用アプリのインストール
USB接続では標準で位置情報を認識しないことが多いため、専用アプリをインストールして設定を行います。代表的なアプリとして「USB GPS for Android」や「GPS Status & Toolbox」などがあります。これらのアプリを使うことで、USB GPSからの位置情報をナビゲーションアプリで利用できるようになります。 - 位置情報の認識
アプリが正しく動作すれば、タブレットは外付けGPSからのデータを「位置情報」として認識し、ナビゲーションアプリでもその情報が使えるようになります。
カーナビアプリとの連携
タブレットに外付けGPSを接続した後は、ナビゲーションアプリとの連携が重要です。Google MapsやYahoo!カーナビなど、多くのナビゲーションアプリは標準でタブレット内蔵のGPSを使用しますが、外付けGPSを使うためには位置情報設定を変更する必要があります。外付けGPSを接続した後、ナビゲーションアプリを立ち上げると、リアルタイムで位置情報を取得し、スムーズに経路案内を行ってくれます。
もし、通信環境が不安定な場所で使用する場合は、地図データを事前にダウンロードしておくことをお勧めします。これにより、インターネット接続なしでも、オフラインでナビゲーションを利用できます。
車載時の注意点
タブレットを車載して使用する場合、いくつか注意すべき点があります。
電源供給と充電
タブレットはカーナビとして使うと、画面の明るさや位置情報の更新などでバッテリーの消耗が激しくなります。そのため、長時間の走行時は車載用の充電器を利用して常にタブレットを充電しておく必要があります。特に、ナビゲーションアプリを長時間使用する場合、バッテリー切れを防ぐために車のシガーソケットを使って充電を行いましょう。
GPSの設置場所
外付けGPSの設置位置も重要です。車内での最適な位置としては、ダッシュボードの中央付近が良いでしょう。これにより、GPS信号を安定的に受信でき、ナビゲーションの精度も向上します。また、GPSが車の金属部に近づきすぎると、信号を受けにくくなるため、設置場所には注意が必要です。
車内の温度管理
タブレットは高温に弱いため、直射日光を避けるための工夫が必要です。車内の温度が高くなると、タブレットの動作が不安定になったり、最悪の場合故障してしまうこともあります。タブレットを車載する際は、専用のホルダーを使って直射日光から守りましょう。
まとめ
タブレットに外付けGPSを接続してカーナビ化する方法は、非常に簡単で効果的です。GPS機能がないタブレットでも、外付けGPSを使うことで精度の高い位置情報を得られ、スムーズにナビゲーションができるようになります。Bluetooth接続とUSB接続の2つの方法があり、どちらもそれぞれのメリットとデメリットがあるので、使用環境に応じて選ぶことが大切です。
タブレットを車載してカーナビとして活用する際は、バッテリーの管理やGPSの設置位置、車内環境に十分注意し、安全で快適なドライブを実現しましょう。
