「久しぶりにタブレットを使おうとしたら、パスワードが思い出せない…」
そんな焦りと不安、誰しも一度は感じたことがあるかもしれません。大切な写真やアプリ、仕事のデータが詰まった端末が開けないと、冷や汗ものですよね。
でも大丈夫。落ち着いて正しい手順を踏めば、ほとんどのケースで再び使えるようになります。この記事では、AndroidとiPad、それぞれの端末でパスワードを忘れたときの解除方法と再設定手順をわかりやすく紹介します。
まず確認したいこと：どんなロックがかかっている？
タブレットのロックにはいくつか種類があります。
- 数字のPINコード
- 図形で描くパターンロック
- 英数字パスワード
- 顔認証・指紋認証
そして、多くの人が誤解しているのが「生体認証が登録されていても、パスワードが必要になる時がある」という点です。
再起動後や設定変更時、一定回数の失敗後などは、必ずパスワード入力が求められます。
つまり、登録していたパスワードを忘れてしまうと、最終的にはロック解除ができなくなるということ。ここからは、そのときに取るべきステップを順に見ていきましょう。
Androidタブレットの場合：Googleアカウントがカギになる
リモート機能でロック解除を試す
Android端末には、Googleの「Find My Device（デバイスを探す）」という便利な機能があります。
これは紛失時の追跡だけでなく、遠隔でロック解除や初期化も行える仕組みです。
- パソコンや別のスマートフォンで「Find My Device」にアクセス。
- ログイン中のGoogleアカウントでサインイン。
- 一覧からロックされたタブレットを選択。
- 「デバイスの消去」を実行。
この操作により、端末の中身は初期化されますが、パスワードもリセットされます。
データは失われるものの、Googleアカウントでバックアップを取っていれば復元可能です。
リカバリーモードから強制的に初期化
もしネットに接続していなかった場合は、物理ボタンを使ったリセット方法があります。
- 端末の電源を完全にオフにする。
- 「音量＋（または－）ボタン」と「電源ボタン」を同時に長押し。
- 画面に「リカバリーモード」が表示されたら「Wipe data / factory reset」を選ぶ。
- 「Yes」を選択して実行。
これで工場出荷状態に戻ります。
ただし、最近のAndroidでは「FRP（Factory Reset Protection）」というセキュリティが働き、初期化後に以前使っていたGoogleアカウントでのログインを求められる場合があります。
そのアカウント情報を忘れていると再セットアップができないため、注意が必要です。
iPadの場合：Appleのセキュリティはより厳重
パソコン経由でiPadをリカバリーモードに
Appleのタブレットは、パスコードを忘れた場合に「パスワードを調べて解除する」方法は存在しません。
Appleが認めているのは、端末を初期化して再設定する手順だけです。
- MacまたはWindowsパソコンでiTunes（またはFinder）を起動。
- iPadをケーブルで接続。
- 「音量ボタン＋電源ボタン」を長押ししてリカバリーモードに入る。
- 画面に「復元」または「更新」が表示されたら、「復元」を選ぶ。
この操作により、iPadは消去されて新品同様の状態になります。
データは削除されますが、iCloudバックアップを取っていれば、後から復元可能です。
「iPadは使用できません」画面に出る「パスコードを忘れた場合」
iPadOS 15.2以降では、複数回間違えると画面に「パスコードを忘れた場合」というリンクが表示されることがあります。
ここをタップしてApple IDのパスワードを入力すれば、遠隔で初期化ができます。
Find Myがオンになっていてネットにつながっている場合にのみ使える手段です。
iCloudの「探す」からリセット
別のデバイスでiCloud.comにログインし、「探す」アプリを開きます。
そこから対象のiPadを選び、「iPadを消去」を実行すれば初期化できます。
この方法もApple IDが必要ですが、パソコンを使わずに済む点が便利です。
データを守るために知っておきたいこと
どの方法を選んでも、基本的にデータはすべて消えます。
パスワードを忘れる＝端末の中身を守る仕組みが働いているため、本人以外が簡単に解除できるようには設計されていません。
そのため、次のような日常的な対策が大切です。
- 定期的にGoogleドライブやiCloudにバックアップを取る
- パスワード管理アプリを使って安全に記録する
- メモ帳などに書く場合は、他人が見ない場所に保管する
- 生体認証を設定しておく（ただしパスワードも忘れずに控える）
「どうせ顔認証があるから大丈夫」と油断していると、再起動時やエラー時に必ずパスコードを求められるため要注意です。
サードパーティ製ツールの利用は慎重に
ネット上には「データを消さずにロック解除できる」と謳うツールが多く存在します。
確かに一部のAndroid機種では成功例も報告されていますが、こうしたツールは非公式であり、セキュリティリスクや個人情報流出の可能性もゼロではありません。
また、Apple端末ではほとんど機能しません。
どうしても試す場合は、提供元の信頼性をよく確認し、公式サポートがあるメーカー製ソフトに限定するのが無難です。
パスワード再設定の流れ
ロック解除後、再設定を行う際は次のように進めます。
- 端末をセットアップし、GoogleアカウントやApple IDでサインイン。
- システム設定から「画面ロック」または「パスコード」を新規登録。
- 生体認証（指紋・顔認証）を設定しておく。
- メモやパスワード管理アプリに控えを残しておく。
再設定時は、以前よりも「覚えやすく・他人に推測されにくい」パスワードを意識しましょう。
誕生日や連番は避け、英数字を混ぜた6桁以上が理想です。
忘れないための小さな習慣
パスワード忘れを防ぐ一番のコツは、「日常の中で意識的に触れる」ことです。
たとえば：
- 定期的に入力して使う
- 端末設定を変更して思い出す機会をつくる
- 新しいパスワードを作ったら、古いものをすぐ破棄する
こうした小さな行動が、いざという時のトラブルを防ぎます。
また、家族でタブレットを共有している場合は、誰がどのパスワードを設定しているのかを共有しておくのも有効です。
困ったときは無理せず専門サポートへ
操作に自信がない、うまくリセットできない、という場合は無理せずプロに頼りましょう。
Androidならメーカーサポートや携帯ショップ、iPadならApple Storeや正規サービスプロバイダが対応してくれます。
本人確認のための書類が必要ですが、確実で安全です。
タブレットのパスワードを忘れた時の解除方法と再設定手順（まとめ）
パスワードを忘れたときは、慌てずに次のステップを思い出してください。
- GoogleやAppleの公式リセット手順を試す
- データ消去を伴う初期化でロック解除
- 再設定後は忘れない工夫をする
セキュリティは「守る」ためのものですが、本人にとっての壁になってしまうこともあります。
だからこそ、普段からバックアップやパスワード管理を習慣にしておくことが大切です。
落ち着いて正しい手順を踏めば、また安心してタブレットを使えるようになります。
