最近、タブレットを使っていて「背面が少し膨らんでいる」「画面が浮いてきた」と感じたことはありませんか?
それ、もしかすると バッテリーの膨張 が始まっているサインかもしれません。放っておくと発火や破裂などのリスクもあり、実はかなり危険です。
この記事では、タブレットのバッテリーが膨らむ原因やその危険性、そして安全な対処法までを分かりやすく解説します。
バッテリーが膨らむのはなぜ?主な原因を知ろう
タブレットのほとんどに搭載されているのは リチウムイオン電池 もしくは リチウムポリマー電池 です。
このタイプの電池は高性能ですが、使用状況によっては内部でガスが発生し、それが溜まって膨張します。原因はいくつかあります。
まず大きいのが 経年劣化。
充電と放電を繰り返すうちに電解質や電極が化学的に劣化し、副反応によってガスが発生します。一般的にリチウムイオン電池の寿命は2〜3年程度。長く使うほど膨らむリスクが高まります。
次に多いのが 過充電・過放電。
フル充電のまま長時間放置したり、残量ゼロの状態で長期間置いたりすると、電池内部にストレスがかかりやすくなります。この状態が続くと、電解質が分解されてガスが発生し、結果的に膨張につながるのです。
そしてもう一つが 高温環境。
充電中に熱がこもる布団の上や、真夏の車内などに放置すると、電池内の化学反応が過剰に進みます。リチウム電池は熱に非常に弱く、わずかな温度上昇でも内部構造にダメージを与えかねません。
さらに、 非純正の充電器やケーブルを使用すること も要注意です。
電圧や電流の制御が適切でないと、設計外の負荷がかかりバッテリーの安全機構が働かない場合があります。
膨張したバッテリーが危険な理由
見た目には「少し膨らんでるだけ」と思うかもしれませんが、これは放置してはいけません。
膨らんだバッテリー内部では、ガスが圧力を持って溜まっています。これが破裂したり、ショートを起こしたりすると、発火や爆発の危険 があります。
特に怖いのが「熱暴走」と呼ばれる現象です。
バッテリー内部で発熱が止まらなくなり、急激に温度が上昇。最悪の場合、発火して炎を上げることもあります。実際にスマートフォンやノートPCで起きた事例もあり、決して他人事ではありません。
さらに、膨らんだバッテリーが物理的に壊れると、有害な化学物質が漏れ出すリスク も。
目や皮膚に触れると炎症を起こす恐れがあり、家庭内での取り扱いには細心の注意が必要です。
膨らみを見つけたときの安全な対処法
もしタブレットのバッテリー膨張を発見したら、まずやるべきことは 使用をすぐにやめる ことです。
そのまま電源を入れたり充電を続けたりするのは絶対に避けましょう。次に以下のステップで安全を確保します。
- 電源を切る
可能であればシャットダウンし、コンセントやケーブルをすべて外します。 - 無理にカバーを開けない
バッテリーは金属工具などが触れるとショートを起こす可能性があります。自分で開けて取り出すのは危険です。 - 発熱している場合は冷却を優先
ただし水や冷却スプレーをかけるのはNG。風通しの良い場所で自然に冷ますようにします。 - 専門業者やメーカーに相談する
メーカーサポートや修理業者に連絡し、交換・廃棄の対応を依頼しましょう。
「ガスを抜く」「押し戻す」などの行為は非常に危険なので、絶対に自分で処理しないようにしてください。
安全に廃棄・リサイクルする方法
膨張したバッテリーをゴミとして捨てるのは 法律的にも危険物扱い になります。
多くの自治体ではリチウムイオン電池を「小型充電式電池」としてリサイクル回収しています。
家電量販店やリサイクル協力店(リサイクルBOX設置店舗)に持ち込むことで、安全に処理できます。
また、タブレット本体に内蔵されている場合は、メーカーや修理サービスに依頼して取り外してもらいましょう。
自己流で分解するとショートや発火の危険があるため避けてください。
バッテリー膨張を防ぐ日常のポイント
日常的に少し気をつけるだけで、バッテリー膨張のリスクを大幅に減らせます。
- 高温多湿を避ける
夏場の車内放置、直射日光の下での使用は厳禁です。 - 充電しっぱなしにしない
寝る前に充電して翌朝まで差しっぱなし…という習慣は避けましょう。 - 残量20〜80%を意識
フル充電や完全放電を繰り返すより、この範囲で使う方が長持ちします。 - 純正または信頼できるメーカーの充電器を使う
安価な非正規品は電圧管理が甘いものがあり、過熱の原因になります。 - 2〜3年を目安にバッテリー状態をチェック
劣化が進んでいないか、膨らみや発熱がないかを定期的に確認すると安心です。
修理・交換は専門業者に任せるのがベスト
膨張したバッテリーを放置して使用を続けると、内部基板や画面を圧迫して故障が広がることもあります。
また、膨らみが進むとタッチ操作が効かなくなったり、筐体が歪んでパネルが割れたりするケースも。
修理の際は、メーカー公式の修理センター か、信頼できる専門業者 に依頼しましょう。
最近では郵送修理サービスも増えており、自宅から安全に依頼できる方法もあります。
費用は機種や状態によりますが、早めの対応で本体を守れる場合が多いです。
長く安心して使うために
タブレットのバッテリーが膨らむ現象は、使い方や環境の積み重ねによって起こります。
ただし、日頃から熱を避け、充電習慣を見直すだけでもリスクを大きく減らすことができます。
もし異変に気づいたら、迷わず電源を切り、専門家に相談すること。
「まだ動くから大丈夫」と思って放置するのが、最も危険です。
安全な使い方と正しい知識で、あなたのタブレットをこれからも快適に使い続けてください。
タブレットのバッテリーが膨らむときのまとめ
- 膨張の原因は「劣化・過充電・高温環境・非純正充電器」など
- 膨らんだら即使用停止。発火・爆発の危険あり
- 修理・処分は必ず専門業者やメーカーに依頼
- 普段から熱や充電習慣に注意することで予防可能
タブレットのバッテリーが膨らむ原因と危険性を理解し、安全な対処を心がけることで、機器の寿命を延ばし、思わぬ事故を防ぐことができます。
