最近、「タブレットをモニター代わりにしたい」「ゲーム機の画面をタブレットで映したい」という声をよく耳にします。そんなときに気になるのが「HDMI入力対応タブレット」というワード。
ですが、実はこの“HDMI入力”という機能、ちょっとした落とし穴があるんです。この記事では、初心者でも迷わず理解できるように、HDMI入力対応タブレットの基礎から選び方、そしておすすめ機種まで、やさしく解説します。
HDMI入力とは？出力との違いをまず理解しよう
まず最初に知っておきたいのは、「HDMI入力」と「HDMI出力」はまったく逆の機能だということ。
一般的なタブレットにはHDMIポートやUSB-C端子が付いていますが、その多くは“映像を出す”ためのもので、“映像を受け取る”ためのものではありません。
つまり、
- HDMI出力：タブレット → テレビやモニターに映像を送る
- HDMI入力：外部機器（ゲーム機・PCなど） → タブレットに映像を送る
この違いを知らずに「HDMI対応」と書かれた製品を買っても、思ったように使えないケースが多いんです。
HDMI入力に対応しているタブレットは、実はごく一部しか存在しません。
HDMI入力があると何ができるの？
では、もしHDMI入力に対応したタブレットを手に入れたら、どんなことができるのでしょうか。代表的な使い方をいくつか紹介します。
ゲーム機の画面を表示
Nintendo SwitchやPS5などのゲーム機を接続して、タブレットの画面でプレイすることができます。
外出先や旅行中でも、大きめのディスプレイとしてゲームを楽しめるのが魅力です。
パソコンのサブモニターとして使う
ノートPCやデスクトップPCのサブディスプレイとして利用できます。
資料を確認しながら作業したり、動画を再生してマルチタスクをこなしたりと、作業効率を上げたい人には便利です。
カメラ映像の確認用モニター
HDMI出力のあるデジカメや一眼レフと接続して、撮影映像をタブレット画面で確認できます。
外での撮影やライブ配信の現場でも活躍します。
実際のところ、HDMI入力対応タブレットは少ない
ここが重要なポイントです。
現在販売されている一般的なタブレットのほとんどは、HDMI入力機能を持っていません。
HDMIポートが付いていても、あくまで“出力専用”です。
なぜかというと、HDMI入力には専用の映像チップが必要で、コストも高く、一般消費者向けのタブレットにはほとんど採用されていないからです。
そのため、HDMI入力を使いたい場合は「特定の対応モデル」か「代替手段」を選ぶ必要があります。
HDMI入力対応タブレットを選ぶときのポイント
それでは、HDMI入力対応タブレットを選ぶときに確認すべきポイントを整理しておきましょう。
1. 「HDMI入力」対応と明記されているか
スペック表や商品説明に「HDMI対応」とだけ書かれている場合は要注意。
出力専用である可能性が高いので、「HDMI入力」「HDMI IN」など、はっきりした記載があるかをチェックしましょう。
2. OSの種類
HDMI入力対応タブレットは、Windows系の機種に多く見られます。
AndroidやiPadは基本的に出力専用なので、入力目的ならWindowsタブレットを探すのが現実的です。
3. USB-C端子の規格
USB-Cポートに「DisplayPort Alternate Mode」対応と書かれていても、それは出力専用です。
入力に使えるかどうかは別の仕様なので、メーカーの公式情報を必ず確認しましょう。
4. 用途を明確にする
ゲーム機の接続、撮影確認、サブモニター用途など、使い方によって必要な性能が変わります。
例えば遅延が気になるならゲーミング用途に特化したモデルを、作業効率を重視するなら高解像度ディスプレイ搭載モデルを選びましょう。
HDMI入力対応タブレットのおすすめ5選
ここでは、実際にHDMI入力（またはそれに近い機能）を持つ、注目の機種を5つ紹介します。
どれも国内外で評価が高く、用途に合わせて選びやすいモデルです。
1. Lenovo Yoga Tab 13
13インチの大型Androidタブレットで、micro HDMI入力ポートを搭載。
Nintendo SwitchやPCを接続してモニターとして使える数少ないモデルです。
スタンド付きで自立できるので、作業中や外出先でも便利。
スピーカー性能も高く、映像だけでなく音質も楽しめます。
2. ASUS ROG Flow Z13
Windows搭載のハイエンドモデル。
HDMIポートを備え、外部機器の映像入力にも対応するゲーミングタブレットです。
高リフレッシュレートの液晶と強力なGPUを搭載しており、映像編集やゲームにも最適。
価格は高めですが、性能重視派には納得の一台。
3. One Netbook ONEXPLAYER
ポータブルゲーミングPCとして人気のシリーズ。
HDMI入力機能を利用して、他デバイスの映像を表示できます。
タブレットサイズながら強力な処理性能を備え、Windows 11を搭載しているため、作業にもゲームにも幅広く対応します。
4. GPD WIN Max 2
こちらもゲーミング特化のWindowsタブレットPC。
HDMI入力ポート搭載モデルがあり、コンパクトながら映像機器を接続して使えるのが魅力です。
キーボード付きでノートPC的にも使える万能タイプ。
5. Microsoft Surface Pro 9（＋外部アダプタ利用）
純正ではHDMI入力非対応ですが、外部のHDMIキャプチャデバイスを使えば、PCやゲーム機の映像を取り込むことが可能です。
Surfaceの高解像度ディスプレイを活かせば、映像確認や軽作業用モニターとしても活躍します。
HDMI入力がないタブレットでもできる代替方法
HDMI入力対応モデルが限られているからといって、諦める必要はありません。
次のような方法を使えば、似たような使い方が可能です。
HDMIキャプチャデバイスを使う
HDMIキャプチャアダプタを介して、外部映像をタブレットに取り込む方法です。
例えば「USB接続のHDMIキャプチャ」を使えば、ゲーム機やカメラの映像をアプリ経由で表示できます。
ただし、多少の遅延があるため、リアルタイム性が重要なゲーム用途にはやや不向きです。
無線ミラーリングを利用する
ChromecastやMiracast、AirPlayなどを利用して、無線で映像を転送する方法もあります。
HDMIケーブルを使わずに済むため、配線がすっきりしますが、Wi-Fi環境によっては遅延や画質劣化が起きることもあります。
購入前に確認しておきたい注意点
HDMI入力対応をうたうタブレットを選ぶ際は、以下の点に注意しましょう。
- 「HDMI入力」「HDMI IN」と明記されているか
- OSや端子の仕様が明確に記載されているか
- 対応する外部機器の種類（ゲーム機・PCなど）
- 映像遅延や解像度の上限
- 電源供給や発熱の対策
また、ネット通販などでは「HDMI対応」とだけ書かれた製品が多数ありますが、これは大抵“出力専用”です。
レビューや公式サイトで仕様を確認することが、失敗を防ぐ一番のコツです。
まとめ：HDMI入力対応タブレットの選び方とおすすめ機種5選
HDMI入力対応タブレットは、外部映像を取り込めるという点で非常に便利なデバイスです。
しかし現状では、一般的なタブレットの多くがHDMI出力専用であり、入力対応モデルはごく少数。
そのため、選ぶ際には「HDMI入力対応」と明記されたモデルを厳密に確認する必要があります。
もし理想のモデルが見つからない場合でも、HDMIキャプチャや無線ミラーリングといった代替手段を活用すれば、似たような体験を得ることができます。
ゲーム機をタブレットで遊びたい人、外出先でモニターとして使いたい人、撮影現場で映像を確認したい人——。
それぞれの用途に合わせて、今回紹介した5つの機種や方法を検討してみてください。
あなたにとって最適なHDMI入力対応タブレットが、きっと見つかるはずです。
