近年、小型でパワフルな「ミニPC」に注目が集まっています。その中でも「AOOSTAR ミニPC Ryzen7 8745HS 搭載モデル」は、性能と拡張性を兼ね備えた注目株。手のひらサイズなのに、動画編集やプログラミング、軽めのゲームまでこなせるというから驚きです。
この記事では、Ryzen7 8745HS の実力とAOOSTARミニPC Ryzen7 8745HSの特徴、他モデルとの比較、そして選ぶ際のポイントをわかりやすくまとめます。
Ryzen7 8745HSとは？最新「Zen 4」世代の高性能CPU
まずは、このミニPCの心臓部である「Ryzen7 8745HS」について。
AMDが誇るモバイル向けCPUで、8コア16スレッド構成。アーキテクチャは最新の「Zen 4」、製造プロセスは4nmと非常に先進的です。動作クロックは最大4.9GHz前後までブーストし、デスクトップ向けRyzen 5 7600クラスにも迫る性能を発揮します。
TDPは35W〜54Wの範囲で可変。省電力と高性能のバランスを取った設計で、ノートPCやミニPCなど小型筐体でも効率良く動作します。L3キャッシュは16MBと十分な容量を備え、処理の安定性や応答速度にも優れています。
つまり、Ryzen7 8745HSは「省スペースでも妥協しないパフォーマンス」を実現するための中核CPUと言えるでしょう。
Radeon 780M搭載：統合GPUでも驚きの描画性能
グラフィックス性能にも注目です。Ryzen7 8745HSには「Radeon 780M」という統合GPUが搭載されています。これはAMDの最新GPUアーキテクチャ「RDNA 3」ベースで、12基のコンピュートユニット、768シェーダーを搭載。
理論上の性能は約4.3TFLOPSにも達し、旧世代の統合GPUとは一線を画すレベル。軽めの3Dゲームや動画編集ソフト、AI画像生成などもスムーズに動作します。
例えば『フォートナイト』や『原神』といった中量級ゲームも、設定を中程度にすればフルHDで快適にプレイできるという報告もあります。
ただし、性能を引き出すためには「デュアルチャネルメモリ構成」が必須。シングルチャネルだとGPUの帯域が不足し、フレームレートが大きく低下します。購入時にはこの点をしっかりチェックしておきましょう。
AOOSTARミニPC Ryzen7 8745HSの仕様とデザイン：小さくても“全部入り”
AOOSTARミニPC Ryzen7 8745HS、代表的なモデルが「AOOSTAR GEM12 MAX」。
手のひらサイズ（約13cm四方・高さ6cm前後）ながら、内部にはデスクトップ顔負けの機能がぎっしり詰まっています。
特徴的なのは、拡張性とインターフェースの充実ぶりです。
- DDR5メモリ搭載（最大64GBまたは128GB対応）
- PCIe4.0対応のM.2 SSDスロットを2基搭載（最大8TBまで拡張可能）
- USB4ポート×2（40Gbps対応）
- HDMI／DisplayPortで最大4画面出力
- 2.5GbE LANポート×2
- Wi-Fi6とBluetooth5.2対応
- OCuLinkポート搭載（外部GPU接続に対応）
これだけの構成を、このサイズに詰め込んでいるのはまさに技術の塊。
しかもVESAマウントに対応しており、モニターの裏に取り付けて「見えないPC」として使うこともできます。
見た目もシンプルかつ高級感があり、アルミ合金の筐体は放熱性能にも優れています。机の上に置いてもインテリアを邪魔しません。
実際の性能は？ベンチマークと使用感から見る実力
ベンチマークテストでは、Cinebench R23のマルチスコアで約15,000〜16,000前後という結果が多く報告されています。
これはデスクトップ向けRyzen 5 7600に匹敵するスコア。小型PCとしては驚異的です。
GPU性能も統合型とは思えないレベル。Radeon 780Mは、ノートPC用のGTX 1650 Max-Qあたりと同等とされ、動画編集や3Dアプリでも十分動作します。
YouTubeの4K再生はもちろん、Adobe PremiereやDaVinci Resolveでの編集も快適に行えるでしょう。
一方で、高負荷状態が長く続くと熱がこもりやすく、CPUクロックが抑えられる傾向があります。冷却ファンの性能や設置環境によってパフォーマンスが変わる点には注意が必要です。
実際のレビューでも、「高負荷時にややファン音が大きい」「長時間レンダリングでは温度上昇が気になる」といった声があります。ただし、短時間の作業や通常利用ではほとんど気にならないレベルです。
他社ミニPCとの比較：Ryzen7 8745HSは“中核モデル”の最適解
Ryzen7 8745HSを搭載したミニPCはAOOSTARミニPC Ryzen7 8745HS以外にも各社から登場しています。たとえばBeelink SER8 8745HSやACEMAGICなども同CPUを採用したモデルを展開中。
その中でAOOSTARミニPC Ryzen7 8745HSが評価されるのは「冷却構造と拡張性のバランス」。
他社が薄型筐体重視なのに対し、AOOSTARはOCuLinkやデュアルLANといった“上級者向け”の機能を積極的に採用しています。つまり、単なるリビングPCではなく、デスクトップの代替やeGPU運用まで視野に入る設計です。
また、上位モデルとしてRyzen7 8845HS搭載版もありますが、性能差は5〜10％程度。そのわずかな差のために価格が上がるなら、8745HSモデルのコストパフォーマンスの方が優れています。
ミニPCを選ぶときのチェックポイント
AOOSTARミニPC Ryzen7 8745HSを検討する際には、以下の点を押さえておくと失敗しません。
- メモリ構成
デュアルチャネルであることを確認。統合GPUを活かすには必須条件です。 - 冷却性能
ファンの数やヒートシンク構造をチェック。静音モードとパフォーマンスモードの切替があるモデルがおすすめ。 - ストレージ拡張性
M.2スロットの数やPCIe4.0対応の有無を確認。後でSSDを追加する人は要チェック。 - インターフェースの種類
USB4やOCuLinkなど、用途に合わせて必要なポートがあるかを確認。 - 設置環境
通気性を確保できる場所に設置すること。密閉空間だと性能が落ちやすい。 - 価格と保証
国内正規販売ルートを利用すれば、保証対応もスムーズ。安価な並行輸入品はサポート体制を事前に確認しておきましょう。
これらをチェックしておけば、購入後に「思っていたより発熱が…」「端子が足りない…」というトラブルを防げます。
AOOSTARミニPC Ryzen7 8745HSはどんな人におすすめ？
このミニPCは、以下のようなユーザーに特に向いています。
- 自宅やオフィスの机をスッキリさせたい
- 小型でも高性能なPCが欲しい
- 動画編集や画像処理、開発作業をしたい
- マルチモニタで作業効率を上げたい
- eGPUを使って将来的に拡張したい
逆に、「静音性を最優先したい」「最新3Dゲームを最高設定でプレイしたい」という人は、専用GPU搭載のデスクトップPCを検討した方がいいでしょう。
まとめ：AOOSTARミニPC Ryzen7 8745HSの性能は“小型PCの完成形”
AOOSTARミニPC Ryzen7 8745HSは、まさに“省スペースと高性能の両立”を果たした一台です。
Zen4世代のRyzen7 8745HSとRadeon 780Mが生み出す処理能力は、これまでのミニPCの常識を覆すほど。拡張性、接続性、そしてデザイン性まで備えた万能モデルです。
もちろん、冷却やメモリ構成といった調整次第で性能差が出る点はありますが、それを差し引いてもコストパフォーマンスは非常に高いといえます。
もしあなたが「コンパクトでパワフルなメインPC」を探しているなら、このAOOSTARミニPC Ryzen7 8745HSは最有力候補のひとつになるでしょう。
次世代の小型デスクトップを手に入れて、あなたの作業環境をアップデートしてみてください。
