ワイヤレスイヤホンというと、「左右が完全に独立した完全ワイヤレスイヤホン」を思い浮かべる人が多いでしょう。でも実は、線ありワイヤレスイヤホンと呼ばれるタイプも根強い人気があります。
今日は、その“中間的存在”ともいえるモデルの魅力と、選ぶ際に注目したいポイントをじっくり紹介していきます。
線ありワイヤレスイヤホンとは？
まず、「線ありワイヤレス」という言葉を整理しておきましょう。
これは、スマートフォンなどとはBluetoothで無線接続しながらも、左右のイヤホンがケーブルで繋がっているタイプのことを指します。
一見、矛盾しているように思えますが、実際にはこの構造がとても理にかなっているのです。
左右を繋ぐケーブルによって安定した通信ができるほか、落下や紛失のリスクも軽減できます。
首元で支えるネックバンド型などもこのカテゴリに入ります。
なぜ今、線ありワイヤレスが見直されているのか
完全ワイヤレスが主流になった今でも、線ありワイヤレスが一定の人気を保つのには理由があります。
1. 紛失しにくく、安心して使える
完全ワイヤレスの最大の弱点は「小さい」こと。
その軽快さが魅力ではあるものの、ポロッと落としてしまったり、片方だけ紛失してしまうトラブルも少なくありません。
その点、左右をケーブルで繋いでいれば、首に掛けたまま使えるので安心です。通勤通学やランニング中でも落とす心配が少なく、気軽に使えます。
2. 接続が安定していて遅延も少ない
左右独立の完全ワイヤレスは、片側からもう一方に信号を飛ばす方式を採用しており、環境によっては音の途切れや遅延が発生することがあります。
一方、線ありタイプは左右がケーブルで繋がっているため、通信が安定しやすく、動画視聴やゲームでもズレが少ないのが特徴です。
3. バッテリー設計に余裕があり、コスパも良い
左右のユニットが繋がっている分、バッテリーや基板の配置に余裕があります。
そのため、同価格帯でも音質が良く、電池持ちが長いモデルが多い傾向にあります。
完全ワイヤレスほど小型化にコストをかける必要がないため、手頃な価格帯で高性能を狙えるのも魅力です。
4. ネックバンドで快適な装着感
ネックバンド型のモデルは、首元でしっかり固定できるので安定感があります。
長時間つけても疲れにくく、ケーブルが邪魔にならない設計のものも多いです。
「イヤホンがどこかに行ってしまう不安」がない点も、意外な安心ポイントです。
線ありワイヤレスイヤホンの弱点
もちろん、完璧なタイプではありません。購入前に知っておきたい注意点もいくつかあります。
1. ケーブルが服に当たってノイズが出ることがある
衣服と擦れると「ガサガサ」というタッチノイズが入ることがあります。
特に、冬場に厚手の服を着ると発生しやすいので、柔らかく軽い素材のケーブルを選ぶと快適です。
2. 完全ワイヤレスに比べて“自由度”はやや低い
首元にケーブルがあるぶん、まったくの“解放感”を求める人には少し煩わしく感じるかもしれません。
ただし、首に掛けるタイプであれば、取り外してもすぐ肩にかけられるため、紛失しにくいという別の安心感もあります。
3. バッテリーの管理が必要
有線イヤホンと違い、Bluetooth接続なので充電は必要です。
とはいえ、充電ポートが本体側にまとめられているため、ケースを持ち歩く完全ワイヤレスより手間が少ないという利点もあります。
線ありワイヤレスと有線イヤホン、完全ワイヤレスの違い
3タイプの特徴を整理すると次のようになります。
- 有線イヤホン：音質・遅延ともに優秀。充電不要だがケーブルが邪魔。
- 完全ワイヤレス：身軽で便利だが、遅延・紛失リスク・バッテリー管理の負担がある。
- 線ありワイヤレス：上の2つの中間。無線の快適さと、有線的な安定性を両立。
つまり、線ありワイヤレスは「便利さと安心感のバランスを求める人」に最適なタイプと言えます。
線ありワイヤレスイヤホンを選ぶポイント
購入の際に注目したいポイントを整理しておきましょう。
1. Bluetoothのバージョン・コーデック
音質と遅延の少なさを重視するなら、Bluetooth 5.0以上で、AAC・aptX・LDACなどのコーデックに対応したモデルを選びましょう。
2. ケーブルの素材と取り回し
ケーブル部分の素材によって使い心地が大きく変わります。
柔らかくて絡まりにくいシリコン素材や、衣服に触れてもノイズが出にくい加工のものがおすすめです。
3. バッテリー持ち
完全ワイヤレスより長時間駆動できるモデルが多いですが、通勤・通学で1日中使うなら8時間以上の連続再生が目安です。
4. 防水性能
運動中や通勤中に使うなら、IPX4以上の防水性能があると安心。汗や雨でも気にせず使えます。
5. 装着感と重量バランス
軽量で首に負担がかからない設計のものを選ぶと、長時間でも快適。
特にネックバンドタイプは重量バランスが良いかをチェックしましょう。
6. マイク性能・通話品質
通話で使う人はマイク位置やノイズキャンセル機能も重要です。
首元にマイクを内蔵したモデルは声を拾いやすく、ビジネス利用にも向いています。
有線タイプのおすすめ6選
ここでは、信頼性が高く評価の良い有線タイプ（および有線接続対応のハイブリッドモデル）を6つ紹介します。
どれも音質・装着感・耐久性のバランスが良く、初めての1本としても安心です。
1. ソニー MDR-EX155
定番のベーシックモデル。自然な音質と装着感の良さが魅力。ケーブルの耐久性も高く、価格も手ごろ。
2. オーディオテクニカ ATH-CKS550X
重低音に定評のあるシリーズ。迫力あるサウンドでロックやEDM好きに人気です。
3. ゼンハイザー CX 300S
高音の伸びと中低域の厚みが両立した名機。ケーブルが柔らかく、絡まりにくいのもポイント。
4. final E3000
ナチュラルな音の響きで、長時間聴いても疲れにくい。デザインも上品で、イヤーピースの質が高いです。
5. JBL T110
元気なサウンドでポップスやアニメソングに合うタイプ。軽くて持ち運びやすいのが特徴です。
6. SHURE SE215
プロにも愛用者が多い定番機。リケーブル対応でカスタマイズ性も高く、長く使える一本です。
こんな人に「線ありワイヤレスイヤホン」はおすすめ
- 完全ワイヤレスは落としそうで不安
- 有線の絡まりがストレス
- 音質も接続も妥協したくない
- 通勤や運動でも安心して使いたい
こうしたニーズを持つ人にとって、線ありワイヤレスは最適な選択肢です。
特に「使い勝手と安定性のバランス」を重視する人には、まさにベストポジションの存在といえます。
まとめ：ワイヤレスイヤホンで線ありモデルの魅力とは？
完全ワイヤレス全盛の今だからこそ、線ありワイヤレスイヤホンの魅力が際立っています。
落ちにくく、音が安定し、コスパも良い。
無線の快適さと有線の安心感、その両方を手に入れたいなら、ぜひこのタイプを選択肢に入れてみてください。
自分の使い方に合った一本を見つければ、イヤホン生活がぐっと快適になります。
