ワイヤレスイヤホンをうっかり水に落としてしまった——そんな瞬間、誰しも焦りますよね。トイレ、洗濯機、雨の中、あるいはポケットのまま水没…。
でも、諦めるのはまだ早いです。実は、適切な処置をすれば“復活”する可能性があります。今回は、修理や買い替えの前に試しておきたい「復活の裏ワザ」を紹介します。
水没でイヤホンに何が起きるのか?
まず、ワイヤレスイヤホンが水に濡れるとどうなるのかを簡単に整理しておきましょう。
イヤホンの内部には、バッテリー・基板・スピーカーなどの電子部品が詰まっています。
水分が入り込むと、これらがショートしたり、金属部分が腐食してサビたりする可能性があるんです。
さらに、塩分や糖分を含む液体(汗・海水・飲料など)が内部に残ると、乾いても導電性の残留物が回路にダメージを与えることも。
つまり、ただ「乾けばOK」というわけではありません。
【裏ワザ1】電源を切って、何もせず“静かに”放置する
多くの人がやってしまう最大のミスが「濡れた状態で電源を入れる」「すぐに充電する」ことです。
これは絶対NG。通電した瞬間に内部でショートが起こり、致命的な損傷を与えてしまうことがあります。
まずは次の3つを実行しましょう。
- 電源を切る(もしくは操作をやめる)
- 充電ケースから取り出してケースも開ける
- 一切の通電行為をしない
そして、すぐに外側の水分をやわらかい布で軽く拭き取り、風通しのよい場所で静置します。
この“最初の数分”の対応が、生死を分けることもあるのです。
【裏ワザ2】水を「物理的に出す」
次に試すのが“水を出す”こと。イヤホン内部に残った水分をいかに早く排出できるかで、復活率が変わります。
- シリコン製のイヤーチップを外す
- 本体を逆さにして軽く振る
- イヤホンの穴(スピーカーやマイク部分)を下向きにして、タオルの上に置く
- 弱めの風(自然風・扇風機など)を当てて水を飛ばす
注意点として、強い風圧をかけたり、ドライヤーの熱風を直接当てたりすると、内部の接着剤やバッテリーを痛めてしまうことがあります。
ここは焦らず、じっくりと。
【裏ワザ3】シリカゲルで“じっくり乾かす”
外側の水を拭き取ったら、次は内部の乾燥です。
一番おすすめなのは「シリカゲル」などの乾燥剤を使う方法。
やり方は簡単。
ジップ付きの袋やタッパーにイヤホンを入れ、乾燥剤を数個一緒に入れて密閉します。
あとは24〜48時間ほど放置。これで内部の湿気をゆっくり吸い取ってくれます。
昔から「生米に入れる」という方法も有名ですが、実際のところ効果は限定的。
米粒の粉やホコリがイヤホンの穴に入り込むこともあるため、できれば避けた方が安全です。
【裏ワザ4】塩分・糖分入りの液体に落としたときは“洗う”
もしも落とした先が「海」「プール」「スポーツ後の汗」「コーヒー」などだった場合、ただ乾かすだけではダメです。
これらの液体は、塩分や糖分が回路に残ることで腐食を早めます。
そんなときは、少し勇気がいりますが“純水(または蒸留水)”で軽くすすぐという方法も。
不純物を含まない水で一度洗い流すことで、内部の塩や糖の結晶を除去できることがあります。
ただし、これは分解不要の範囲で行うこと。ケース内部に水を入れたり、長時間浸けたりするのは避けてください。
すすいだ後は、再び乾いた布で水を拭き取り、必ず乾燥剤で48時間以上乾かしましょう。
【裏ワザ5】端子の汚れをチェックする
意外と多いのが「音は出るけど充電できない」「片側だけ点灯しない」といったトラブル。
これは水没後に、充電端子に水分やサビが残っているケースが多いです。
対処法は以下の通り。
- 綿棒やメガネ拭きで端子部分を優しく拭く
- 接点復活剤(家電量販店などで販売)をごく少量使う
- ケース側の金属端子も忘れずに掃除する
これだけで復活することも少なくありません。
掃除後は必ずもう一度乾燥時間を置いてから通電テストを行いましょう。
復活テストは“慎重に”
乾燥が終わったら、いよいよ動作チェックです。
でも、いきなりフル稼働は危険。まずは次の順番でテストしてみてください。
- ケースにイヤホンを入れて充電ランプが点くか確認
- ペアリングできるか試す
- 左右の音、マイク、タッチ操作など基本動作を確認
もし電源が入らない場合でも、数時間おいてから再度トライすると反応することもあります。
逆に、異臭・発熱・バッテリー膨張などが見られる場合は絶対に使用を中止してください。安全第一です。
やってはいけないNG行動
ここで、やりがちなNG行動もチェックしておきましょう。
- ドライヤーの熱風で乾かす
- 電子レンジやオーブンで乾燥(絶対ダメ!)
- すぐに充電する
- 「米の中に入れればOK」と過信する
- 乾いたと思ってすぐ使い始める
これらは内部の劣化を早め、最悪の場合は発火の危険性も。
焦る気持ちを抑えて、最低でも1〜2日は乾燥に時間をかけるのがポイントです。
復活しても油断しない!再発を防ぐために
運よく復活したとしても、内部のダメージがゼロとは限りません。
水没経験があるイヤホンは、その後に接点不良やバッテリー劣化が進みやすい傾向があります。
次のような対策を日常的に意識しましょう。
- 使用後は必ず乾いた布で汗や湿気を拭く
- ケース内部を月1回ほど掃除する
- 防水等級(IPX値)の低いイヤホンは雨天使用を避ける
- 充電端子を定期的に確認する
これだけでも“再び水没→故障”のリスクを大きく減らせます。
それでもダメなら、修理や交換を検討
もし上記の処置でも反応しない、または動作が不安定な場合は、早めにメーカーや販売店へ相談しましょう。
ほとんどの製品では「水濡れ」は保証対象外ですが、修理対応や有償交換を案内してもらえることもあります。
自分で分解や改造を行うと保証が完全に無効になるため、あくまで“安全な範囲で試す”ことが大切です。
水没したワイヤレスイヤホンを復活させるには「焦らず・乾かす」が鉄則
ワイヤレスイヤホンの水没は、誰にでも起こりうるトラブルです。
でも、焦らず正しい手順で対処すれば、意外と助かることも多いんです。
ポイントは3つ。
- 通電しない(電源・充電を切る)
- 水を出して、しっかり乾かす
- 動作確認は慎重に
修理を検討する前に、この記事で紹介した“裏ワザ5選”を順番に試してみてください。
あなたのイヤホンも、まだ復活のチャンスがあるかもしれません。
