うっかり洗濯機に入れてしまったり、雨の中でポケットに入れたまま歩いてしまったり。
ワイヤレスイヤホンが水没してしまった経験、ありますよね。
防水性能をうたうモデルも増えていますが、完全防水ではないため、内部に水が入れば故障の原因になります。
では実際、水没したイヤホンを修理に出すとどれくらい費用がかかるのか？ メーカーごとの違いや保証の有無によって、負担額は大きく変わります。
この記事では、水没したワイヤレスイヤホンの修理代の相場と、主要メーカーごとの対応をわかりやすくまとめます。
水没トラブルは「保証対象外」が基本
まず押さえておきたいのが、ほとんどのメーカーが「水没は保証対象外」と明言していること。
これは、製品の説明書や公式サポートにもはっきり書かれています。
防滴・防水をうたうイヤホンでも、「一定条件下での防水」であり、完全防水ではありません。
たとえばオーディオテクニカやソニーのサポートページでは、
「取扱説明書に記載された範囲を超える水濡れや水没は保証対象外」としています。
つまり、雨に濡れた・洗濯してしまったなどのケースは、たとえ購入後1年以内でも無償修理にはならない可能性が高いということです。
修理代の相場は？だいたいの目安を知っておこう
水没の修理代は、症状やメーカー、モデルによってかなり幅があります。
とはいえ、ある程度の目安を知っておくと判断がしやすくなります。
多くの修理業者やメーカーの実績から見た平均的な費用は、
だいたい5,000円〜13,000円前後がひとつの目安です。
ただし次のようなケースでは、さらに費用が上がることもあります。
- 両耳ともに動作しない場合
- バッテリー交換や基板交換が必要な場合
- 部品在庫が少ない旧モデルの場合
こうなると、1万円台後半〜2万円超になることもあります。
特にハイエンドモデル（ソニーのWF-1000XM4シリーズなど）は修理部品も高額で、片耳交換でも1万円前後になるケースがあります。
水没後にすぐやるべきこと
水没した直後の対応次第で、復旧できる可能性が変わります。
焦らず、次のステップを順番に試してみてください。
- すぐに電源を切る
濡れたまま通電するとショートの原因になります。充電もNG。 - タオルなどで外側の水分を拭き取る
強くこすらず、優しく押さえるように。 - シリカゲルなどの乾燥剤と一緒に密閉容器へ
1〜2日ほど乾燥させるのが理想。ドライヤーや電子レンジは絶対に使わないでください。 - 十分乾いたあとで動作確認
それでも音が出ない、充電できないなどの症状が残る場合は修理を検討します。
応急処置で直ることもありますが、内部で腐食が始まっていると後から不具合が出ることもあります。
特に「片耳だけ聞こえない」などの症状がある場合は、早めにメーカーや修理窓口に相談するのが安全です。
ソニーの修理費用と保証対応
人気のソニー「WF-1000XM」シリーズなどでは、水没による故障は保証外です。
ソニーの修理料金目安では、5,000〜13,000円前後が一般的。
片耳のみの修理や交換でも約1万円前後になるケースがあります。
送料として2,200円前後が別途かかる場合もあり、往復の配送費や点検料も加算されます。
もし保証期間内でも、水没や落下など「外的要因」が原因の場合は有償扱いになります。
修理の流れとしては、オンライン見積もり→発送→見積額確認→修理実施という形。
状態によっては修理より新品を買った方が安くなることもあるので、見積もり段階での判断が大切です。
Apple（AirPods）の場合
AirPodsシリーズはAppleCare+に加入しているかどうかで対応が大きく変わります。
保証に加入していれば、水没などの“過失による損傷”でも比較的安く修理・交換が可能です。
具体的には、
- AppleCare+加入あり：片耳3,700円（税込）
- 加入なし：AirPods Proで約14,400円（税込）
充電ケースも同様に、保証の有無で9,000〜12,000円程度の差が出ます。
加入していない場合、ほぼ「新品同等価格」になるので、修理より買い替えのほうが得なこともあります。
また、AirPodsは構造上、基板まで浸水すると修理が難しく、交換対応になることが多いです。
Appleの店舗や正規サービスプロバイダでの相談が確実です。
AVIOT（アビオット）の有償交換サービス
国内ブランドAVIOTでは、保証登録を行ったユーザーに対して「有償交換サービス」を提供しています。
これは水没や紛失など、自分の過失による故障でも、定額で新品または同等品と交換してもらえる制度。
具体的な金額はモデルによって異なりますが、概ね数千円〜1万円台前半とされています。
修理というより「交換保証」に近い形なので、スムーズに新しいイヤホンを入手できるのが特徴です。
ただし、登録していない場合や12か月を過ぎた場合は対象外になるため、購入後すぐの登録が重要です。
オーディオテクニカの対応
オーディオテクニカも同様に、水没は保証対象外。
サポートページでは「水に濡れた場合、有料修理または製品交換になります」と明記されています。
料金はモデルや故障箇所によって異なり、事前見積もりで確認が必要です。
軽度の接触不良であれば修理可能な場合もありますが、内部腐食が進んでいると交換対応になることもあります。
修理費用の目安は公表されていませんが、一般的な相場として5,000〜10,000円程度を見込んでおくとよいでしょう。
修理と買い替え、どちらが得か？
見積もりを取ってみると、「新品を買ったほうが安いかも？」と感じることも多いです。
理由は、完全ワイヤレスイヤホンの構造が非常に小型かつ複雑なため、基板やバッテリーの交換コストが高いからです。
例えば、修理費が8,000円でも、新品の同等モデルが10,000円台で買えるなら、
新品購入のほうがコスパも安心感も上。
また、修理しても内部にダメージが残っていると、後から音飛びやバッテリー不良が出ることもあります。
保証期間が過ぎている場合や、2年以上使用しているモデルなら、
「水没＝買い替えのタイミング」と考えるのも合理的です。
修理を依頼する前に確認すべきポイント
修理や交換を検討する際は、次の点をチェックしておきましょう。
- 保証期間・保証登録の有無
- AppleCare+などの延長保証に加入しているか
- 修理見積もりの有効期限と送料の有無
- 修理不能時の対応（交換・返送・キャンセル料）
特に、メーカー修理は見積もり後のキャンセルに料金が発生することがあります。
Yamahaなどではキャンセル料2,000円前後の設定もあるため、事前確認が大切です。
修理より大事な「予防」と「備え」
水没は一度でも起こると厄介です。
できる限り「防ぐ」工夫をしておきましょう。
- 雨の日やお風呂場では使用しない
- ポケットや洗濯物に入れっぱなしにしない
- ケースを防水仕様の袋やポーチに入れる
- 防水規格（IPX5以上）を目安に選ぶ
さらに、保証登録や延長保証に入っておくと、もしものときの負担を減らせます。
数千円の保証で修理代が1/3になることもあるため、購入時に確認しておくと安心です。
ワイヤレスイヤホン水没の修理代はいくら？メーカー別の費用相場と保証対応まとめ
ワイヤレスイヤホンが水没した場合、保証の範囲を超えることがほとんどです。
修理代の目安は5,000〜13,000円前後、重度の場合はそれ以上。
Appleのように保証加入で安くなるメーカーもありますが、基本的には有償対応が前提です。
水没後はすぐ電源を切り、しっかり乾燥させることが第一。
そのうえで修理・交換を検討し、見積もり金額と新品価格を比較して判断しましょう。
長く使うためには、防水モデルを選ぶことや、日常の取り扱いを見直すことも大切です。
イヤホンは日々の相棒。
だからこそ、いざという時の修理費用や保証対応を知っておくことで、慌てずに最善の選択ができます。
