デスクの上をスッキリさせたい。配線をごちゃつかせず、作業スペースを広く使いたい。そんなときに注目されているのが「ミニPCをモニター裏に設置する」という方法です。最近ではVESAマウント対応のモニターやブラケットも増え、ちょっとした工夫で、まるで一体型PCのような環境がつくれます。
ここでは、モニター裏設置のメリットから、実際の取り付け方、そしておすすめのVESA対応モデルまでを分かりやすく紹介します。
ミニPCをモニター裏に設置するメリット
まずはこの設置方法がなぜ人気なのかを整理しておきましょう。最大の魅力は、やはり「デスクまわりの整理整頓」です。
- 省スペース化
ミニPCをモニターの裏に隠すことで、机の上がスッキリ。ノートPCのようなコンパクトさを実現できます。 - 配線の整理がしやすい
電源やHDMIケーブルが視界に入らず、ケーブルマネジメントが簡単になります。ケーブルが短くて済むのも利点です。 - 見た目のスマートさ
外からPCが見えないので、部屋のインテリアを崩さず、ミニマルな印象に。テレワーク用デスクにもぴったりです。 - 掃除が楽
PCを床や机上に置かないため、ホコリや飲み物の被害を受けにくく、掃除も楽になります。 - 一体感と安定性
モニターとPCが一体化することで、ケーブルの抜けや転倒のリスクも軽減。移動や配置替えも簡単です。
設置のために知っておきたいVESAマウントとは
モニター裏設置のカギになるのが「VESAマウント」という規格。モニター背面にある四つのネジ穴のことです。
一般的には「75×75mm」または「100×100mm」という間隔でネジ穴が空いており、ここにモニターアームや壁掛け金具、そしてミニPC用のブラケットを固定します。
このVESA規格に対応していないモニターでは取り付けが難しいので、まずはお使いのモニターの裏を確認してみてください。
また、ミニPC側にVESA対応の固定穴がない場合でも、ブラケットを介して取り付ける方法があります。VESAブラケットは汎用タイプが多く、ほとんどのミニPCに対応可能です。
ミニPCをモニター裏に取り付ける手順
実際に取り付ける流れを順を追って説明します。特別な工具は必要ありませんが、作業時は必ずモニターの電源を切ってください。
- VESA穴の確認
モニター背面にあるネジ穴のサイズと間隔を確認します。VESA規格が合わない場合はアダプターを用意しましょう。 - ブラケットを準備
ミニPCに対応したVESAマウントブラケットを用意します。金属製で放熱性の良いものがおすすめです。 - ブラケットをモニターに装着
モニターのVESA穴にブラケットを固定。ネジはきつく締めすぎず、ぐらつかない程度に。 - ミニPCを取り付け
ブラケットにミニPCを固定します。滑り止めやスペーサー付きなら、モニターとの距離を確保できて通気も安心。 - ケーブルを接続
HDMIや電源ケーブルを接続します。可動式アームを使う場合は、ケーブルが引っ張られないよう余裕を持たせます。 - 動作確認と整理
設置後、電源を入れて正常に起動するか確認。配線を結束バンドなどでまとめ、完成です。
放熱・安全面での注意点
モニター裏は空気がこもりやすく、熱が逃げにくい場所です。放熱性を確保しないと、ミニPCのパフォーマンスや寿命に影響することがあります。
- 通気口を塞がない
ミニPCの通気孔がブラケットやモニターに密着していないか確認します。 - 隙間をあける
スペーサーを使い、モニターとPCの間に2〜3cmほどの隙間をつくると、エアフローが確保できます。 - 粘着テープでの固定は避ける
一見便利に見えますが、発熱で粘着が弱まり、落下の原因になります。必ずネジやブラケットで固定を。 - 重量バランスを確認
ミニPCの重量が1kgを超える場合、モニターやアームの耐荷重を確認してください。無理に取り付けると関節部分が歪むことがあります。
モニターアームとの併用について
モニターアームを使っている場合、ミニPCの取り付け方に少し工夫が必要です。
VESA穴がアームで占有されている場合は、「VESA分岐プレート」や「VESA延長ブラケット」を使うと、アームとミニPCを同時に固定できます。
ただし、アームの可動域をフルに使うとケーブルにテンションがかかることがあるため、配線の余裕は十分に確保しましょう。
操作性を損なわない工夫
ミニPCを背面に取り付けると、USBポートや電源スイッチに手が届きにくくなります。次のような工夫をしておくと快適です。
- USB延長ケーブルを手前に引き出す
- 電源ボタンをリモートで操作できるモデルを選ぶ
- Bluetoothキーボード・マウスを使い、背面へのアクセスを減らす
また、外部ストレージやSDカードを頻繁に使う人は、USBハブをモニターの側面などに固定しておくと便利です。
おすすめのVESA対応ブラケット
取り付けをスムーズにするために、信頼性の高いブラケットをいくつか紹介します。
- GOPPA GP-VMPI/B
コスパの良い国産モデル。VESA 75×75、100×100両対応で、多くのモニターに装着可能。 - ASRock VESA Mount Kit for DeskMini
ASRock純正の専用ブラケット。DeskMiniシリーズとの相性が抜群で、金属製の頑丈な構造が特徴。 - Lenovo ThinkCentre Tiny VESAブラケット
Lenovo Tinyシリーズに最適化された純正マウント。耐久性が高く、ケーブルマネジメントもしやすい。 - Universal Thin Client PC Mini Mount MI-7157
50mmから100mmのVESAパターンに対応する汎用ブラケット。薄型設計で、放熱性にも優れています。
どれを選ぶにしても、モニターのVESAパターンとミニPCのサイズ・重量が合っているかは必ずチェックしましょう。
モニター裏設置に適したミニPCを選ぶポイント
ブラケットが整ったら、次は本体選びです。モニター裏に取り付けるなら、以下の点を重視しましょう。
- サイズと軽さ
小型・軽量であるほど設置がしやすく、バランスも安定します。1Lクラス(1リットルサイズ)以下が理想。 - 放熱設計
ファン付きでも静音性が高いモデル、あるいはファンレスで低発熱のタイプが向いています。 - ポート配置
映像出力や電源ポートが背面中心にあるモデルだと、モニター裏でのケーブル整理がしやすいです。 - メンテナンス性
SSDやメモリの交換を考えるなら、取り外しが容易な構造を選んでおくと後々便利。
Beelink、MINISFORUM、Intel NUC、ASRock DeskMini などが定番ブランドとして人気です。
取り付け後のチェックポイント
設置して終わりではなく、使い始めの数日は様子を見ておきましょう。
- 長時間稼働しても熱がこもらないか
- ケーブルが引っ張られていないか
- モニターの角度を変えても干渉がないか
- 振動や緩みが出ていないか
もし熱が気になる場合は、小型のUSBファンを背面に置くなど、軽いエアフロー対策をすると安心です。
ミニPCをモニター裏にスマート設置するまとめ
ミニPCをモニター裏に設置することで、デスクが見違えるほどスッキリします。見た目の美しさだけでなく、配線管理や掃除のしやすさ、集中できる作業環境というメリットも得られます。
大切なのは「VESAマウント対応の確認」と「放熱・安全対策」。専用ブラケットを使えば、初心者でも簡単に取り付けられます。
これからミニPCを導入する人は、設置のしやすさも含めて選ぶと、長く快適に使えるはずです。
あなたのデスクにも、モニター裏にひっそりと息づくスマートなミニPCを迎えてみてはいかがでしょうか。
